ロボットを作った女子大生から見習うべき行動力【ロボットデザインフォーラム】

ロボットを作った女子大生から学ぶべき行動力【ロボットデザインフォーラム】
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フォーラム参加者だけが知った、女の子のロボットへの情熱。

現在開催中の東京デザイナーズウィークにて、26日、ロボット業界のクリエイターが登壇する『ロボットデザインフォーラム』が開催され、ROBIやエボルタを手がけたロボットクリエイターの高橋智隆さんや民間月面探査チームHAKUTOなど総勢14チームがテクノロジーとデザインの未来について講演をおこないました。

今回はその中でも特に印象的だった、最年少で登壇を果たした、10代5名から成るロボットチーム『TryBots』代表の近藤那央さんのプレゼンテーションをご紹介したいと思います。ペンギンロボットを制作するきっかけとなったのはある一つの疑問でした。



OK, Let’s Make

近藤  私たちトライボッツは 『もるペン!』というペンギンロボットを作っています。
トライボッツは高校三年生だった昨年、5人で作り始めたペンギンロボットの開発チームです。今は大学に進学しばらばらになってしまったんですが、現在でもひとつのチームとして開発をおこなっています。

よく、どうしてペンギンを選んだの?と質問されます。どうせ可愛いからでしょ?と言われます。勿論ペンギンは可愛いですが、それが理由ではありません。(笑)

高校生のときに、『なんでペンギンはあんな小さい翼で、あんなに速く泳げるの?』という疑問がわいたんです。人間はペンギンに泳ぎで勝つことができませんよね。あんなに小さな翼でなぜ?と思いました。

そこで、だったら作ってみよう、と。『OK, Let’s Make』 これが開発のきっかけです。

ロボットのコンセプトはできるだけペンギンに近づけるということでした。そこで、高校生だった私たちは作るために何度も水族館にペンギンを見に行きました。カップルや小さな子供に囲まれて、ずーっと見ていました。変な人だと思われていたと思います。(笑)でも、ただ見ているだけでは翼の構造がわからないんですよね。なので構造を深く知るためにペンギンを触らせて頂いたりもしました。

そういったことをしているうちにわかったことがあります。ペンギンは翼で水をかいていると思われているかもしれませんが、実はペンギンは泳ぐときに翼を上下に動かしているだけだということです。
とてもシンプルな構造でした。ロボットにしたときにはモーターで翼を上下するだけで水の中で泳ぐことができるんです。



水中マジック

morupen

近藤  少し話は変わるんですが、このまま見るとあんまり可愛くないですよね?(笑)
作っている間にもう一つわかったことがあります。それは『水中マジック』です。なにが言いたいかと言うと、ロボットを水中で泳がせるだけで異常に可愛くなるということです。

今回のロボット展ではじめてお子さんにも見せたんですけど、可愛い、ずっと見ていたいという子がたくさんいました。可愛くなるということ、受け入れられるということはサービスロボットにとってとても大事なことだと思ってますが、その点でサービスロボットは水中ロボットが適していると思います。なんでも水中に入れると可愛くなるんです。

サービスロボットを作ったらまずは水中に入れてみてください(笑)。可愛くなりますから。



オリンピックで泳がせたい

近藤那央さん

近藤  先ほどお話したように、高校を卒業してから別々の大学に進みましたが、それでもペンギンロボットを作りたいということで月に一度私の家で開発合宿もおこなっています。

1年半前に開発を開始し、4ヶ月後に直進で泳げるようになりました。その更に2ヶ月後に旋回ができるようになり、受験期を挟んで今年の3月に水族館でリアルペンギンと泳がせていただきました。この前ようやく3m潜ることに成功しました。首を下に向けることで急角度で潜っていくことができ、上に向けることで浮かんでいくこともできます。そして現在は小型化に向けて開発中です。

ここで、せっかくこういった機会を頂いたので、私たちの野望というかやりたいことについてお話したいと思います。

まずはもっとペンギンに近づけてもっと増やして、ペンギンの水族館の群れの中に入れたい。

あと日頃から話しているのが、私たちが好きなのはびゅんびゅん動くとかそういったことなので(笑)、オリンピックのときに泳がせて、本物の動物かと思ったら実はロボットだったということがやりたいです。

最後になりますが、このプロジェクトはペンギンを触らなければ始まらなかったプロジェクトでした。まだ高校生だった私たちの話を聞いてチャンスをくださった先生方、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました!



まとめ

「なんでペンギンはあんなに速く泳げるの?」一つの疑問から、OK Let’s Makeという凄まじい行動力。そしてそれを実現させるまでのスピード。何かを作りたいと思いつつ踏みとどまっている方々にはとても心に響いたプレゼンテーションだったのではないでしょうか。今後のTryBotsの取り組みに期待しつつ、応援していきたいと思います。

   ロボットいきもの工房TryBotshttp://trybots.tumblr.com/

About the author / 

望月 亮輔
望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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