Pepper「ソフトウェア・アプリ開発会社」9選

Pepper「ソフトウェア・アプリ開発会社」9選
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ソフトバンクが、今月10日に開催した2015年3月期の第3四半期決算説明会で、2月に一般発売を開始する予定だったロボット「Pepper」の発売開始が6月〜8月まで延期される可能性があるということを明かし、結構話題になっていますね。

ただ、業界内では「そりゃそうだ」と思っている方も多いのではないでしょうか。

というのも実は、昨年10月から開発者向けに先行販売を開始していたペッパーですが、その先行販売の購入申込みをおこなった開発者の方でもPepperが手元に届いていないという方がちらほらといるからです。

そしてまた、孫さんが「まずはデベロッパー中心に販売したほうが、一般向けにも多くのアプリがそろうので、そうしたほうがいいだろうと」とおっしゃっている通り、現段階で一般消費者の手元にPepperが渡っても、実はほとんど何もすることができない状態だからです。「iPhoneはできたけどアプリが入っていない状態」といったところでしょうか。

なので、今Pepperのソフトやアプリ開発をしている会社は急ピッチで開発を進めています。

ではでは、どんな会社がPepperのアプリ開発をしているかご存知でしょうか?

答えは「ロボットの専門家」というわけではないようです。

今回は、日本のロボットの市場を作っていくであろう「Pepper」のソフトウェアやアプリの開発に携わっている会社やこれから関わろうとしている会社9社をご紹介します。ロボットアプリ市場を牽引していく企業も含まれている可能性が高いので、要注目ですよ!

と、会社をご紹介するその前に、アンドロイド研究の第一人者である大阪大学の石黒浩教授が、「ロボットにおけるソフトウェアの重要性」について非常に端的に説明してくださっていますので、一部ご紹介します。


ロボットにおけるソフトウェアの重要性

大学教授陣による本格的な講義を、誰でも無料で受けられるウェブサービス「gacco」(http://gacco.org/index.html)の講義の中で、石黒教授は「Pepper」と「ソフトウェアの役割」について以下のように語っています。(以下、引用文です)

「Pepperの性能としては、我々が以前から作ってきた人と関わるロボットのほとんど基本的な性能を持っています。現時点においてほぼ最先端の技術をもっているといって過言ではないかと思います。多分これを大学の研究とか企業の研究で数台作ろうと思えば数千万円の値段がかかるわけです。」

「研究所や大学で使われている最先端のロボットがたった19万円(注:実際には19万8000円+月額サポート料金)。これは今のパーソナルコンピュータの値段とほぼ同じですけれども、そういった値段で使えるようになる、買えるようになると、誰もがそのロボットのソフトウェアを開発できるようになります」

「パーソナルコンピュータは実は安くなっただけで世界に広がったわけではないんですね。ホームページを閲覧することができるとかメールをやり取りできるとかですね、アプリケーションというかどういうソフトウェアが使えるかというのは非常に重要なわけです。」

「ロボットのソフトウェアを開発する人がこれからたくさん出てくれば、パソコンを普及させたホームページとかメールのような”キラーアプリケーション”がロボットの上でも作られる可能性があります。そうして今我々が情報化社会の中で生きているように、ごく近い将来ロボット化社会が訪れる可能性が非常に高くなってきたわけです。」



非常にわかりやすいですよね。

石黒教授がおっしゃる通り、ロボットが広まっていくためにはキラーアプリケーションと言われるような革新的なアプリケーションが必要なのです。

今回ご紹介する、Pepperのソフトウェアを開発中、開発準備中の9社の中に、未来のロボットのキラーアプリケーションを作る会社が含まれているかもしれません。

それでは前置きが長くなりましたが、ここから順にその会社をご紹介していきます。


-目次-
株式会社よしもとロボット研究所
株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン
チームラボ株式会社
株式会社アイ・エム・ジェイ
ハイジ・インターフェイス株式会社
ロボットスタート株式会社
イサナドットネット株式会社
株式会社ヘッドウォータース
株式会社ロココ



株式会社よしもとロボット研究所

株式会社よしもとロボット研究所
よしもとロボット研究所はロボットUXをデザインするクリエイティブカンパニーです。「ロボットUXデザイン」とは、ロボットが人々に「笑顔」をもたらすコミュニケーション体験をつくりあげる事です。(株式会社よしもとロボット研究所 HPより引用)


ソフトバンクがPepperを発表した2014年6月5日と同じ日に、吉本興業が設立を発表したよしもとロボット研究所は、吉本興業から100%の出資を受けている会社で、同社には、『ロンドンハーツ』『アメトーーク』などの構成も手がける人気放送作家の中野俊成氏や、「パチパチクラッピー」や「音手(おんず)」などを製作しているバイバイワールドのお二人も所属しています。

よしもとロボット研究所は、昨年6月におこなわれた「Pepper」発表会での孫さんとの掛け合いや、ソフトバンクショップでのデモンストレーションの動きなども手がけました。

よしもとロボット研究所さんは、機構に関わるソフトウェアやアプリ開発のための土壌を作ってくれているようなイメージですね! Pepperのちょっとした動きやしゃべり方、「間」など、今後もよしもとロボット研究所さんだからできる領域がたくさんありそうです。

今後は一般向けのアプリ開発もしていくのではないでしょうか? ロボット業界注目の企業です。

▽株式会社よしもとロボット研究所
http://www.yoshimoto.co.jp/yrl/



株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン

株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン
ワン・トゥー・テン・デザインは、デジタルマーケティングを総合的にプロデュースするインタラクティブスタジオです。2012年には4社が合流し、ワン・トゥー・テン・ホールディングスを設立、120名の組織へと成長しました。(株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン HPより引用)


ワン・トゥー・テン・デザインさんのWEBサイト、めちゃくちゃすごいです。普通に面白い格闘ゲームができちゃいます。このサイトを見るだけで、なんかすごい会社だなーと思ってしまいますね!

ワン・トゥー・テン・デザインさんは、オフィシャルデベロッパーとして、ソフトバンクロボティクス・電通とチームを組み、Pepperにおける「人工知能・感情認識と連携した会話エンジンの開発」部分を担当しました。キャラクター設計および会話開発などもおこなっており、Pepperと話しているうちに私たちがつい笑顔になってしまうのは、同社を中心としたこのチームの活躍があったからかもしれませんね。

株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン

同社HPに、”今後も「人々の喜びを大きくしたい」「人々の悲しみを少なくしたい」、人と寄りそうロボットを目指して開発を進めて参ります。” と綴られている通り、現在は一般販売に向けての会話開発に注力されているそうで、今後も要注目ですね!

また、同社は Pepper Tech Festival 2014 にて、「未来の会話。ペッパーとペッパーと、あなた。」を展示。非常におもしろい体験なので、また是非どこかで展示してほしいです!

Pepper Tech Festival 2014 展示作品「未来の会話。ペッパーとペッパーと、あなた。」 from 1→10design, Inc. on Vimeo.



▽株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン
http://www.1-10.com/

▽Pepper実績紹介
http://works.1-10.com/product/pepper/



チームラボ株式会社

チームラボ株式会社
テクノロジーとクリエイティブの境界はすでに曖昧になりつつあり、今後のこの傾向はさらに加速していくでしょう。 そんな情報社会において、サイエンス・テクノロジー・アートなどの境界を曖昧にしながら、『実験と革新』をテーマにものを創ることによって、もしくは、創るプロセスを通して、ものごとのソリューションを提供します。(チームラボ株式会社 HPより引用)


言わずと知れたウルトラテクノロジスト集団チームラボ。最近では、昨年末から日本科学未来館でおこなわれている「踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」がとても話題になっていますね!

そんなチームラボは、昨年9月20日におこなわれた「Pepper Tech Festival 2014」で、一番大きな話題をさらった「光と音のオーケストラ」の開発を手がけました。



「光と音のオーケストラ」では、約1000人ほどの観覧者のスマートフォンにインストールした特別なアプリを通じて、Pepperが振る指揮棒の方向のスマートフォンが一斉に光り出すという近未来の体験を作り出しました!

同社代表の猪子さんもPepperを、「いじめたくなる」という独特な表現で賞賛しており、今後も新しいアプリケーションの開発に関わっていく可能性が高いのではないかと思います!

チームラボらしい、独特で個性的でわくわくするようなロボットアプリケーションをじゃんじゃん作っていって欲しいです!

▽チームラボ株式会社
http://www.team-lab.com/



株式会社アイ・エム・ジェイ

株式会社アイ・エム・ジェイ
IMJ グループは、創業事業であるWeb 及びモバイルインテグレーションにおける豊富な知見・ノウハウ・導入実績を強みにし、環境変化にともなう生活者ニーズと企業ニーズにマッチした様々なマーケティングソリューションを創造し続けています。(株式会社アイ・エム・ジェイ HPより引用)


デジタルマーケティングのスペシャリストIMJは、Pepperアプリを開発する会社の一つです! 「展示会の企業ブースでお客様に適切な案内役となるスタッフを紹介してくれるアプリ」「Pepperがコンシェルジュとなってピッタリの映画やサプリメントを教えてくれるアプリ」など、既にいくつかのアプリをリリースしています。

企業側はデジタルマーケティングのツールとして活用でき、お客さん側は楽しい体験を得られる。現在はそのようなアプリを開発しているようです! 様々なイベントでこれらのアプリを体験できるようですので、気になった方は最新情報をFacebookからゲットしておきましょう!

▽株式会社アイ・エム・ジェイ
HP ⇒http://www.imjp.co.jp/
FB ⇒https://www.facebook.com/IMJGroup



ハイジ・インターフェイス株式会社

ハイジインターフェイス株式会社
ハイジ・インターフェイスはインターフェイスをつくる会社です。Webやアプリをはじめ、UI/UX、インタラクティブな演出など 人が使うあらゆるデバイスのインターフェイスを制作するプロフェッショナルチームです。 使う側と提供する側の間に立ち、その効果が最大になるよう日々努力を積み重ねています。(ハイジ・インターフェイス株式会社 HPより引用)


WEBやアプリに留まらずインタラクティブな仕組みや装置も手がけるなど、インターフェイスのプロフェッショナルであるハイジ・インターフェイスさんは、先日「HYGE Interface Robotics lab.」という”ロボットを中心とする 次世代型インターフェイスの研究開発を推進する部署”を設立しました。その中の一つの事業として、Pepperのアプリ開発も手がける予定とのことです!

新しいインターフェイスとして期待されているロボットを通じてどんな体験をユーザーに与えてくれるのでしょうか。インターフェイスからロボットを考えるという独自の視点に、個人的に最も注目しております。

また、同社CXOの美馬さんは、「ロボラボ」というロボットコミュニティを運営しており、ロボットドットインフォ運営者も参加しています! Pepperをいじったり3Dプリンターを使ったりと、様々な体験ができますので、ご興味がある方はTwitterやFacebookからご連絡ください。(参加無料です)

▽ハイジ・インターフェイス株式会社
http://hyge.co.jp/

▽ロボラボ(robolab.jp)
http://robolab.jp/



ロボットスタート株式会社

ロボットスタート株式会社
私たちは家庭用の人型ロボットをメインターゲットとしたロボット関連ビジネスを専門に行う会社です。私たちの事業を通して、ロボットの普及に貢献できるよう全力で邁進いたします。(ロボットスタート株式会社 HPより引用)


ロボットスタート広告という、ロボット向けの広告事業を始めたロボットスタートさん。先日ロボットドットインフォも遊びに行ってきました。

話題のロボットスタートさんに遊びに行ってきました!

ロボットスタートは、ロボットのアプリ開発をおこなう会社に「広告」という形で収益を還元していく仕組みづくりをしている会社です。現在は「Pepper」と、Pepperをソフトバンクと一緒に共同開発したアルデバラン製のロボット「Nao」用の広告配信SDKが用意されています。ロボット広告が広まっていけば、ユーザー側も無料で様々なアプリを体験できそうですね!

今後は「ロボットアプリの広告と言えば、ロボットスタート」と言われるような存在になっていくと思います!

また、ロボットマーケティングとロボット広告の未来を研究するためのコミュニティ、ロボットスタートラボを設立するなど、業界への貢献のため精力的に活動している会社です。

▽ロボットスタート株式会社
http://robotstart.co.jp/



イサナドットネット株式会社

イサナドットネット株式会社
イサナドットネットは2001年の創業以来、モバイルテクノロジーのイノベーションに携わって参りました。現在、インフォメーションテクノロジーの分野はポストPC時代を迎え、スマートフォン・スマートデバイスにのみならずユビキタスコンピューティン グ・IOTの分野が開花期を迎えようとしております。イサナドットネットはこのような社会の変化・需要・技術革新にいち早く取り組み、次のインターネットインフラ・サービスが必要とする製品・技術開発を通して、健全で発展した社会を次世代に残す企業になることを目指しています。(イサナドットネット株式会社 HPより引用)



イサナドットネットさんはスマホやタブレットなど、様々なデバイスでのアプリ開発をおこなっている会社です。先日からPepperアプリの開発コンテスト「Pepper App challenge 2015」がおこなわれていますが、イサナドットネットさんは2月22日におこなわれる決勝に、なんと応募した2作品が進んでいます! すごいですよね!

決勝に進んでいるのは「Pepper受付スマホ通知アプリ」というアプリと「ウェルネス Pepper」というアプリ。Pepper受付スマホ通知アプリはなんとなく想像がつきそうですが、「ウェルネス Pepper」とは果たして…!?健康に関わるものな気がするのですが、どんなものなのか想像がつきません。

決勝戦は2月22日。観覧の応募は終わってしまっていますが、結果が判明し次第、ソフトバンクのHPでも発表されることでしょう!イサナドットネットさんの2作品にも要注目です。

▽イサナドットネット株式会社
http://isana.net/



株式会社ヘッドウォータース

株式会社ヘッドウォータース
「Headwaters」とは、日本語で「源流・最上流」を意味します。ヘッドウォータースという水滴から始まり、後に巨大な激流となり日本のIT業界を飲み込んで、その変革を図るという意志の元、ヘッドウォータースという社名は命名されました。また、ビジネスの最上流を担う人材であろうというエンジニアひとりひとりのスタンスも表しています。 ビジネスの最上流を担い、英語も駆使し、世界との連携も自由にこなす。そんなエンジニア集団の実現を目指し、メンバーが一丸となって社会に貢献いたします。(株式会社ヘッドウォータース HPより引用)



日本を中心にベトナム・カンボジア・中国など、海外にもITの開発拠点を置き、適切なクオリティを保ちつつ低コスト化を実現している同社。同社は、既出のよしもとロボット研究所さんとパートナーシップを組み、エンターテイメントロボットアプリケーションの開発支援を行っています。

また、単なるアプリ開発に留まらず、展示会やイベントでのPepperの運営に関するトータルなサポートをおこなっており、展示会では “ブースへの集客数の増加” “名刺交換数を前年度比200%以上” など、高い導入効果を実現しています。

これまでもオフショア開発などを通じて様々なアプリを世に送り出してきたヘッドウォータースさんは、今後も受託開発を通じて、あるいは自社で様々なアプリをリリースしていくことでしょう!

▽株式会社ヘッドウォータース
http://www.headwaters.co.jp/index.html



株式会社ロココ

株式会社ロココ
ソフトウェアとソリューションを組み合わせて最適のサービスを提案する「サービスインテグレーター」をめざして、常に新たなサービス開発への挑戦心を持ち、お客さまに信頼していただける誠実なサービスを提供してまいります。(株式会社ロココ HPより引用)



中国・フィリピンなどでのオフショア開発を通じて、数多くの開発を経験してきたシステムインテグレーター。ロココさんもロボティクス事業推進チームを立ち上げ、Pepperを中心としたアプリケーション開発に注力していく模様です。

これまでにも既にPepperのアプリ開発経験を持っている同社では、今後より積極的にBtoB向け、BtoC向けの様々なアプリケーションを受託開発等を通じて提供していく予定とのこと。

現在までに蓄積してきたロボットアプリ開発の知見を活かし、今後は講習会やハッカソンを積極的に開催していくそうです! 現在ロボティクスチームの専用ページを制作中。

▽株式会社ロココ
HP ⇒ https://www.rococo.co.jp/index.html
FB ⇒ https://www.facebook.com/rococorobo



まとめ

いかがでしたでしょうか?今まさに新しい会社が続々とPepperのアプリ開発やソフトウェア開発の分野に参入してきています。
先駆けてPepperに関わりはじめたご紹介の9社は、今後この分野を引っ張って行く存在になることでしょう。

今回は9社のみのご紹介でしたが、まだまだ多くの会社が参入を発表しはじめています。是非皆様も、ロボット業界にご注目ください!



About the author / 

望月 亮輔
望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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