「Pepper App Challange/ Innovation Challange 決勝進出作品発表展示会 その2」に行ってきました(前編)

1月8日(金)、アトリエ秋葉原で開催された「Pepper App Challange/ Innovation Challange 決勝進出作品発表展示会」に行ってきました。

イベントページでの紹介はこちらです。

11/28 に開催されたPepper ロボアプリのコンテスト Pepper App Challenge 2015 winter /Pepper innovation Challangeでは、多くの作品にご応募いただき、計20作品の決勝進出作品が発表されました。

このイベントではそれらの優れた作品の開発事例をもっと聞きたいという参加者のご要望にお応えするため、コンテストの決勝進出作品を制作されたデベロッパーの皆様を講師として作品説明を行うものです。


今回の開催は2回目となります。1回目のレポートは以下をご覧ください。

 ・「Pepper App Challange/ Innovation Challange 決勝進出作品発表展示会」に行ってきました。その1(前編)
 ・「Pepper App Challange/ Innovation Challange 決勝進出作品発表展示会」に行ってきました。その1(後編)




今日は以下の3アプリの作品説明です。

 ・ペパ電 for Biz/フューブライト・コミュニケーションズ株式会社 
 ・店頭向けデジタルサイネージアプリ Vipper/チームエビリー
 ・いきいき脳体操/Team Smart Brain



■ペパ電 for Biz/フューブライト・コミュニケーションズ株式会社



「ペパ電 for Biz」の解説していただけるのは、フューブライト・コミュニケーションズ株式会社 吉村英樹取締役です。





会社概要です。2013年7月に設立された社員3人ベンチャー企業です。現在社内にはPepperが7台あるので、人間よりもロボットの数が多い会社です。



一番最初にPepperをやろう事業をしようと言ったのが吉村さんでした。Pepperを使うことで3人の会社でもロボット事業を行うことができると気づいたのです。

2015年3月12日にPepperを初めて介護施設に連れて行きました。

この時期に介護施設にPepperを連れてってたのは、早いタイミングでした。施設のデイサービスではレクリエーションの時間があります。そこでPepperに体操をさせるアプリをつくって、実演してみると非常に好評でした。

Pepperの大きさ120センチは、座ったお年寄りとちょうど目線が合うサイズです。同時に子供みたいなサイズなので、お年寄りはPepperを見て孫が何かしているような気持ちになっているのかもしれないと思いました。

このような点からPepperへのポテンシャルを感じ、そこでPepperが新しいコミュニケーションの形をつくっていくと確信しました。



「ペパ電 for Biz」は、受付のペッパーがちょっとだけ「おせっかい」という機能を備えています。でも、そのおせっかいが「あったかい」のです。



実は、フューブライトの3人とも電話業界出身の人たちなのです。その中の居山さんがペパ電をつくりました。もともとは「Pepper自身をIP電話にしてみたら面白いのでは?」というアイデアでした。

Pepperの頭を電話のマイク・耳をスピーカーとして実装してみると、予想以上に面白いものが出来上がりました。



ペパ電 for Biz のシステム構成です。

PepperをIP電話端末にすることで、Pepperから内線・外線への発信が可能になりました。

会社にオフィス電話の設備がある場合は、IP-PBXと連携します。設備がない場合は、クラウドIP-PBXを使用します。



設定についてです。「呼出表設定」はCSVの入出力で追加・変更・削除が行えます。「電話設定」はSIPサーバなどの設定を行います。「ボタンデザイン」も設定可能で、会社のイメージカラーに合わせて設定が行えます。



ペパ電 for Bizの活用事例です。

業界初となる多言語コールセンターへPepperが電話接続。これにより、外国人観光客のインバウント対応が可能となりました。

英語などの外国人対応をある程度まではPepper自身が行い、Pepperの対応を超える内容については、ペパ電で英語にできるコールセンターにつなぎ、Pepper自身を電話機としてコールセンターのスタッフに問い合わせるというものです。

(参考:「ロボてなし」を見にツーリズムEXPOジャパンに行ってきた。



ペパ電 for Bizの「おせっかい機能」についてです。

PepperをIP電話化した「ペパ電」を開発した後、Pepperがコミュニケーションロボットとしてどういう受付をすべきかを議論しました。そこから、ちょっとした本音や言いずらいことをPepperに言わせると、お客様は割と聞いてくれることに気づきました。

このおせっかい機能を考えたのが、近藤さんです。



ペパ電 for Bizを使うことで、受付に効率化と笑顔を運んできます。いわゆる「つかみ」をPepperがやってくれることで、クライアントとの打ち合わせが明るくなります。

「ロボてなし」を実現する受付で、会社の雰囲気を変えてみませんか?



プレゼンは以上です。



以下、質疑応答です。

Q)開発期間は?
A)電話機同士の相性などを調整したりなどで、もろもろ3〜4ヶ月くらいでしょうか。

Q)Pepperが人型であることに対してどう感じてますか?
A)Pepperを電話機にするだけというのは、違和感があって途中アイデアが思い浮かばなくなったんですが、コンテストに出す直前に一言機能(おせっかい機能)をつけようと思いつきました。

Q)コンテストの発表の準備期間は?
A)実はほとんど手をつけられていなくて、締め切り1週間前でも出すかどうか自体悩んでいました。なので1週間で一気にやった感じです。



■店頭向けデジタルサイネージアプリ Vipper/チームエビリー





「店頭向けデジタルサイネージアプリ Vipper」の説明をしていただけるのは、チームエビリーの春田英和さんです。



株式会社エビリーの会社紹介です。

インターネット動画ソリューションをメイン業務とする会社で、クラウド型の動画配信システム「millvi」などを展開しています。 





店頭でのテジタルサイネージの課題です。

映像を使った店頭プロモーションへの期待は大きいのですが、誰に対しても一方的に同じコンテンツを流すだけでは、効果は期待できません。



代表的な店頭でのデジタルサイネージです。

大型ディスプレイは、誰に対しても同じコンテンツの提供となり、顧客の反応も取得できません。

タブレット端末は、コンテンツの出し分けが店員のスキルに依存してしまいます。そして、お客様は本音を伝えづらいです。

タッチパネル式大型ディスプレイは、双方向性はあるものの、味気ないです。また、自分の嗜好を伝えるお客様は少ないです。



これらの問題点を解決するのが、Pepperを利用したクラウド型動画サービスのVipperです。

クライド上に動画コンテンツと顧客の反応を集積し、お客様の興味関心に応じて配信を行うことで、嗜好によって自動でコンテンツを提供することができます。

そして、Pepperの感情認識エンジンを用い、自然に無理なくお客様の真の反応を取得することができます。



Vipperのシステム概要です。

millviとPepperを連携させたシステムで、お客様の年齢・性別・感情・対話から得られた興味・関心に基づき、おすすめ動画を配信する店頭向けデジタルサイネージアプリです。



アプリ処理フローです。

 1. Pepperがユーザーを発見
 2. ユーザーの呼び込みとアプリ使用の問いかけ
 3. 立ち止まった時の映像から商材を決定
 4. モニターにレコメンド映像を再生
 5. 感情を評価してモニターの映像を数回切り替える
 6. 蓄積した感情データと検出したユーザ情報から、最後におすすめ商品やクーポンを提示
 7. デフォルトの動画に切り替えてアプリを終了



活用案とターゲットユーザです。

ターゲット商材は、店舗に置きづらい商品や説明が必要な商品です。具体的には、住宅関連・クルマ・結婚式場・金融商品・旅行・趣味、習い事などです。



今後の展開についてです。



以上が、Pepper Innovation Challenge 2015決勝戦で行ったプレゼンテーションです。

ここからが、今回のイベント限定のプレゼンテーション「シナリオ作成・設計開発にあたって」です。

スタートアップです。自社サービスmillviとPepperの融合を試みることとなりました。営業メンバー2人、開発メンバー1人のチームで取り組みました。



そこで行ったのが、Pepperの機能を一覧表にしてまとめることでした。この写真が実際にまとめるために使ったエクセルです。



millviとPepperでそれぞれできることの組み合わせを考えていきました。



そこでたどり着いたのが、動画と表情認識を組み合わせる機能です。



Pepperの感情認識についてです。Pepperが認識できる感情は、怒り・悲しい・楽しい・驚き・ニュートラルの5つです。



Pepperの感情認識の問題点です。

かなり表情を作らないと顕著な結果は出ません。また、正確性がない上に、ステータスに「退屈」という状態もありません。



では、感情認識をどう扱うか。今回の開発では、このようにしました。ニュートラルは除外する。「楽しい・驚き」はポジティブ、「悲しい・怒り」はネガティブと分類します。



現状のレコメンドの問題点です。そもそも情報の蓄積がまだなく、商材によっては現在のカテゴリベースのレコメンドとは限りません。



最後にです。Pepperがユーザーの性別・年齢・感情を認識して動画を切り替えますが、感情認識は正確性に疑問を抱えたまま、使っています。



プレゼンテーションは以上です。

続いて、質疑応答です。

Q)開発の言語は主にどちらを使いましたか?
A)pythonを使うことが多かったです。

Q)開発初心者に向けたアドバイスがあれば、教えてください
A)開発していると、モーションや喋りはなどはついつい後回しとなりますが、アドバイスをもらうためにデモを見せると、最初に指摘されるのがこれらでもあります。なので、常にPepperの人間らしさを忘れずに開発をしたほうがいいです。

前編は以上です。後編に続きます。

ABOUT THE AUTHOR / 

北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

PR

連載・コラム