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【神崎洋治のロボットの衝撃 vol.6】「Pepper World 2016」で再発見したPepper企業導入への糸口

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ソフトバンクは2016年1月27〜28日に、Pepperの法人活用事例を紹介するイベント「Pepper World 2016」(参加無料)を開催しました。会場はPepperのビジネス活用情報を求める7,000人で賑わい(両日の合計来場者数)、スマートロボット「Pepper」に対する注目度の高さを感じました。

今回は、この「Pepper World 2016」で展示されたビジネス事例の数々を具体的に紹介するとともに、「Pepper for Biz」にかけるソフトバンクの意気込み、Pepperの最新情報、ディープラーニングなどの活用例も併せて紹介します。アプリやクラウドサービスの価格や利用料金などもできる限りお伝えします。

※「ビジネスを大きく変える「IBM Watson」の特長とその凄さ」の続編は次週から掲載します。申し訳ありませんがもう少しお待ちください。

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Pepper World 2016開催。Pepperの導入企業は500社を超え、2016年は「スマートロボット元年」を掲げて更なる普及を目指す




Pepperの法人活用を推進

人に寄り添うロボット…感情を認識して自らも感情を持つスマートロボットとして、家族の一員となるべく、昨年6月に一般発売が開始された「Pepper」(ペッパー)。昨年10月に法人向けモデルの「Pepper for Biz」(ペッパー・フォー・ビズ)を発表、申込みを開始しました。Pepper for Bizはレンタルのみで、月額レンタル料金は55,000円(税抜)で、36ヶ月の契約が基本となります。時給に換算すると275円(8時間×20営業日計算)、ビジネスで利用するロボットだと考えると高額ではありません。

展示会は正午からの開催でしたが、その直前、私たち報道関係者に向けて「Pepper 法人活用についての記者説明会」が開催されました。ソフトバンク代表取締役社長兼CEOの宮内兼氏とソフトバンクロボティクス代表取締役社長の冨澤文秀氏が登壇し、Pepper for Bizについてのプレゼンテーションが行われました。プレゼンテーションの詳細はニュース記事「【Pepper World 2016】全国2,000店舗のソフトバンクショップにPepper導入へ。Pepper for Bizが本格化」(ロボスタ)も併せてご覧ください。

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顧客の待ち時間をPepperが和ませる等、導入事例で目立つのは銀行や信用金庫での採用。

宮内氏によれば「Pepper for Biz」を導入している企業は既に500社を超えているということで、主立った企業の事例として、みずほ銀行や青森銀行など全国37の銀行や信用金庫でPepperが採用されていること、日産自動車の一部ショールーム(100店舗)、ネスレ日本(コーヒーマシンの説明/150店舗)、イオンモール(イベントコーナーでイオンカードの説明/5台)、ヤマダ電機(フロア案内・多国語対応/6台)等の稼働実績等が紹介されました。また、法人用Pepper向けのロボアプリがダウンロードできる「ロボアプリ マーケット for Biz」を2月22日からオープンすることや、ロボットだけで接客する「Pepperだらけの携帯ショップ」を3月28日から一週間の期間限定でオープンすること等も発表されました。

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企業向けのロボアプリが続々リリース。2月22日より「ロボアプリ for Biz」がオープン予定。

ロボット店員だけで運営するショップは昨年2月に米シリコンバレーでスータブル・テクノロジーズ社がオープンして現地では話題になりました。「ビーム」というロボットが客引きや製品説明等を行うのですが、ビームは人間が遠隔操作を行うテレプレゼンス・ロボット。来店した顧客は、別の場所にいるスタッフとロボットを通じて会話するというもので、ショップの売り物もビーム自体、すなわち製品のデモを無人店舗で行っているものでした。

その意味では、自律型ロボットのPepperだけで店舗を運営するというのは斬新なアイディア、とても興味深い実験です(無人ではなくて、もしもの時のためにスタッフが待機)。

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ロボットだけで接客する携帯ショップを表参道に期間限定オープン(2016年3月28日〜4月3日)。営業時間は正午〜午後7時。

「Pepperだらけの携帯ショップ」では5〜6台のPepperが稼働して接客、SoftBankのスマートフォン(一部機種)を対象に新規契約の説明と販売を来店客に対して行います。最終の契約はスタッフが行うことになるようですが、同社は「Pepperだけでヒアリングから商品紹介、販売業務のできる限りのところまでやってみたい」としています。

店舗では複数のPepperが役割分担して配置される予定です。「Pepper 法人活用についての記者説明会」ではゲストの小泉今日子さん、お笑い芸人ピースのおふたり、広瀬すずさんがステージに登壇して仮想Pepperショップを体験するひと幕がありました。待ち時間をロボギャグやゲームで和ませる「暇つぶし」担当や、顧客の「契約」という言葉に反応して大喜びするPepper、店長Pepperのそれぞれ役割分担の様子が見られました。もちろんステージは演出ですが、実際のショップでは呼び込み、受け付け、来店目的などのヒアリング、商品紹介などの業務を複数台のPepperが分担する見込みで、顧客は案内に従って次の役割を持つPepperへとリレー式に店内を回ることで契約まで完了できるとしています。

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仮想の「Pepperだらけの携帯ショップ」を実演した豪華ゲストとPepper。小泉今日子さん、お笑い芸人ピースのおふたり、広瀬すずさん(Pepper 法人活用についての記者説明会にて)




携帯ショップのロボット接客事例

プレゼンテーションにもありましたが、現時点でPepperの実践導入が一番進んでいるのは受付やショールーム、イベント等です。展示会場ではソフトバンクが自社の携帯ショップ(仮想)を例に、Pepper活用の展示ブースを公開していました。そこでは次のような流れでPepperが役割を担っていました。

まず、携帯ショップに来店した顧客を受付担当のPepperが出迎えます。

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携帯ショップの入口では受付用Pepperが並ぶ(Pepper World展示ブース)

顧客はPepperの胸のタブレットに表示されている用件選択ボタンをタップして受付を行います。受付が完了すると受付番号票が小型のプリンタ(ブルートゥース接続)から発券されます。

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Pepperのタブレットで受付を行って番号札をとる

番号が呼ばれるまでの待ち時間は接客用のPepperが基本的な用件や情報を質問して対応します。質問の内容は現在の家族構成、現在のケータイやスマホの使用機種、利用料金などです。スタッフが対応する前に予めPepperがタブレットを使って顧客の情報を収集しておきます。

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待ち時間の間にPepperから簡単な質問を受ける。答えた内容はこの後、対応するスタッフが情報共有し、契約等の業務をスムーズに進めることに役立つ

こうした初期応対のルーチン業務をPepperが代行することで、スタッフの業務の効率化と応対時間を短くすることができます。その結果、顧客の待ち時間を減らすことができるとしています。



みずほ銀行の受付事例

展示会場では、既に実績のあるみずほ銀行や日産自動車、ヤマダ電機等の導入事例を体験することができました。銀行の窓口やショールーム、大型量販店等での導入は、顧客とのコミュニケーションに主眼が置かれています。

みずほ銀行では導入目的として3つを掲げています。ひとつは集客目的、もうひとつは体感待ち時間の短縮(退屈させない)、そして3つめは保険商品等の特長説明やPRを行うことです。2016年1月時点で、みずほ銀行の10支店(都内/関西/北海道)にPepperが導入されています

顧客は受付窓口で従来のシステムにより発券された受付番号票を受け取ります。その受付番号をPepperに入力すると、その番号をもとにした「おみくじ占い」をします。占い結果についての解説でも、「吉ってなんだかビミョ〜ですよね」といった具合に、Pepper独特の口調でギャグを言って和ませます。また、みずほ銀行オリジナルの「みずほ小咄」で笑わせたり、顧客との簡単な対話から同社が取り扱う金融や保険商品の特長を説明し、適切なプランを顧客に薦めるといった作業をこなしています。

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銀行の待合所で受付カードおみくじや保険等を薦めるPepper(Pepper World展示ブース:イメージ画像)。楽しい会話にはよしもとロボット研究所(吉本興業100%出資)のノウハウが導入されている。




受付管理は自動化が進み、そのすぐ先にあるのがロボット化

ロボット利用に限らず、タブレット端末等を使った受付業務の自動化やシステム化は既に急速に進められています。混み合ったレストラン等の入口でよく見られるように、従来は来店客がノートに名前と人数、喫煙の有無等を記入する芳名帳(記名帳)方式が主流でした。それをタブレット端末等でシステム化することは現在では意外と敷居が低く、比較的簡単に導入できるようになっています。導入されているシステムの例は次のようなものです。

顧客が人数や席の種類(カウンター席/テーブル席)、簡単な用件(飲食店以外)等を選択して受付を行うと番号票がプリントアウトされます。順番が来たらスタッフに番号が呼ばれて座席に案内される方法です。そのほかにも、待っている人が何人いるのか、現在案内されている番号は何番か等を待合スペースの大型ディスプレイで表示したり、自分の番に近付くとユーザのスマートフォンに通知される等の機能もあります。

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順番待ちの人数は、顧客のスマートフォンでも確認できるシステムもある。自分が呼ばれるまであと6組であることを示している。(Airウェイト)

企業が最も手軽にこれを導入する方法のひとつとして、リクルート(リクルートライフスタイル)の受付管理アプリ「Airウェイト」(無料/一部機能アプリ内課金)があげられます。iPadと受付番号発券用のブリンタ(量販店で市販されている一部の機種)があれば受付と番号票の発券ができます。アプリはiPad用アプリをApp Storeから無料でダウンロード可能です。

それをPepper用に組み込んだものが今回ブース展示されていました。AirウェイトはPepper Innovation Challengeでベスト接客ビジネス賞を受賞したアプリ&サービスで、Pepper for Bizには標準で組み込まれています。そのため。Pepper for Bizを導入した企業はAirウェイトの受付と番号票の発券を無料で利用することができます(発券票プリンタは別途必要:家電量販店で対応するプリンタを購入すればOK)。また、携帯電話(スマホ)連携呼び出し、外部ディスプレイ表示、クーポン発券(平日限定ワンドリンク券等)、デジタルサイネージ、分析レポート等の追加機能が月額利用料(iPad版は月額1万円程度/Pepper版は価格未定)で別途、利用することも可能です。

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リクルートの受付管理「Airウェイト」をデモするPepper。スタッフが白衣を着用しているのは薬局の待合を想定した演出のため。

▽ Airウェイト
https://airwait.jp/doc/howto/

受付業務については「ロボットでやらなくてもタブレットや情報スタンド(キオスク端末)でも十分」という意見もあります。それには私も否定はしません。しかし、Pepperはタブレットやキオスクと比べ、見た目も動きもコミカルでエンタテインメント寄り、特に子供や女性を惹きつける魅力があり、顧客が耳を傾けたり、注目しやすいというのが最大の利点です。また「ロボットのいるレストラン」や「ロボットがご案内」と言った見出しを付けたPR展開もできます。だからこそ、受付業務やショールームでの導入が急速に進められているのでしょう。また、集客には顧客が”楽しい”と感じる雰囲気作りが重要です。みずほ銀行の事例のようにおみくじやクイズ、楽しい小咄等を用意して、待ち時間を退屈させないような工夫も高く評価できる点です。

もちろん導入効果の予測が見えない場合は、いきなりロボットの導入はコスト面での負担が大きいと感じる企業もあるでしょう。そのような場合、リクルートの「Airウェイト」とiPadを使ってまずは店舗に受付管理を導入してみてはどうでしょうか。そして事業の利益に貢献すると判断すれば、その先にPepper導入を検討してみるという方法もあるでしょう。Pepperが出題するクイズに応えて正解すると簡単な景品がもらえたり、クーポン券が当たったりすれば子供たちも大喜び。リピータになってくれるかもしれません。



インタラクション分析で「接客データの見える化」

Pepper 法人活用についての記者説明会のプレゼンテーションでは、Pepper導入の成果として「接客データの見える化」があげられ、今回の展示会で来場者にぜひ見て欲しいもののひとつ、と位置づけていました。

Pepperの早期導入で知られるネスレは、家庭用コーヒーマシンの販売スタッフとしてPepperを導入、大手量販店等150店舗で商品説明を行い、15%増の売上が達成できたとしていますが、更に接客データの見える化が実現したと言います。

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ネスレのコーヒーマシン販売を担当するPepperは売上15%増を達成。150店舗で活躍中。

「接客データの見える化」とは「インタラクション分析」をさしています。Pepperは細かい顧客情報や顧客の反応を収集することで、集客施策の効果測定を行うことができます。Pepper for Bizでは標準で、コミュニケーションした人数、ロボアプリを起動した回数、顧客の年齢、性別、感情を推定してデータをクラウド上に蓄積することができ、蓄積データはCSVファイルなどでダウンロードして解析や分析に利用することができます。また、アプリの作り方によっては来場人数をカウントしたり、身長、ファッションの傾向、顧客の反応、笑顔の度合い等、さまざまな分析データの収集が可能です。



ディープラーニング(人工知能)を使って来店客の識別や動きをヒートマップ化

展示ブースではディープラーニングを使った識別システムが稼働展示されていました。

リアル店舗内の来客情報を取得する「アベジャプラットフォーム」(アベジャ社)は、来店客の性別や年齢を自動判別し、人数をカウントし、顧客の店内の動きをヒートマップ化できるシステムです(月額使用料15,000円〜)。イベントではPepperと組み合わせた識別システムとして、Pepperの前に集まった人たちの性別と年齢を瞬時に識別するデモを行っていました。Pepperの目(カメラ)での認証や識別はひとりずつに限られるため、別に設置したカメラで数人の識別をほぼ同時に処理します。Pepperとの組み合わせについては、Pepperが標準で持っている識別システムとアベジャプラットフォームで識別・分析したデータを組み合わせて精度の高い「来店客の見える化」(顧客分析)を実現したり、お客の”寄り”が少ない棚や店舗のスペースにPepperを設置して誘導するなど、集客と効率化に効果が出せると考えられています。

ちなみに顔の検知、年齢性別の判定とデータの解析には最新のディープラーニングの技術が使われています(アベジャ社の自社開発)。ディープラーニングに大量の画像を投入して予め学習させることで多階層の識別ネットワークが作られます(ひとつひとつの解析モデルは作らない)。階層が多いほど精度が上がり、そのためには素となる膨大なデータが必要です。システムがある程度成熟すると顔識別のデータ自体は少なくても高速に年齢等を識別処理できようになります(このコラムでも「Pepperとディープラーニング」で解説しています)。

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大画面モニタの上に設置したウェブカメラでPepperの前に訪れた来店客をディープラーニングで自動識別しているところ。男性が青、女性がオレンジ、数字は推定年齢を表示している(アベジャ社




Pepper for Biz は企業が簡単に導入するための工夫が進む

Pepper for Bizは一般販売用のPepperと異なり、自身の感情エンジンは搭載されていません。そのかわり、インタラクション分析やお仕事かんたん生成、法人向けアプリ配信管理等が利用できます。お仕事かんたん生成は導入して短期間で稼働できるように、「接客」「受付」「フリー」の3種類のテンプレートが用意され、ブラウザによって選択したり、Pepperに話して欲しい文章やタブレットで見せたい画像をクライアントが簡単に入力してカスタマイズできる機能です。

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少人数の来場者に向けて「Pepper for Biz」の基本機能、お仕事かんたん生成、インタラクション分析などを随時繰り返し説明するスタッフ。写真はウェブブラウザで「接客」の設定を行っているところ。

もしも、Pepperが顧客に説明する情報を作るために、その都度膨大な手間がかかったとしたら、効率化が重視されるビジネスシーンでの実用化にはほど遠くなるでしょう。また、もしも専用の開発者を常駐させなればならなかったり、話す内容を変更する度に多額のコストをかけて開発会社に依頼しなければならないとしたら、やはり企業が気軽に導入することは困難になるでしょう。
企業がPepperを気軽に導入するためには、簡単なパソコンの基本操作だけで社内スタッフがPepperのセリフを入力したり変更することができることが重要になります。そのために「お仕事かんたん生成」がPepper for Bizには標準で用意されています。

また、そこに着目しているアプリ開発会社もあります。

PepperとPowerPointを使って簡単にプレゼンができるアプリ「ロボピッチ」(クラウド連携サービス)です。PowerPointで作ったプレゼン画面をタブレットや大画面ディスプレイと連動させて表示させたり、PowerPointのメモ欄に入力したテキストをPepperに読ませることができます。PowerPointのファイルをクラウドに転送し、専用のアプリで発話のピッチ等を調整してプレゼンデータを完成させます。

フューブライト・コミュニケーションズが開発したアプリで、会場では観光案内役としてのPepperが、PowerPointで作成した東京の名所をプレゼンするデモが行われ、注目を集めていました。言語は日本語、英語、中国語に対応し、2020年に向けて海外からの観光客を対象にしたシーンでの利用も見込んでいます。ロボアプリマーケット for Bizからのダウンロード提供でクラウド利用は月額15,000円を予定しています。

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「ロボピッチ」のデモブース。PowerPointのデータを基礎にしてPepperにプレゼンさせることができる。アプリ開発やコレグラフの操作が不要で、企業がより簡単にPepperを導入できる環境を目指す。




介護や教育関連のアプリも多数展示

会場ではそのほかにも、教育、介護、医療、観光などの現場で活躍するPepperが各種紹介されていました。

介護分野では毎日のレクリエーション(レク)の時間にPepperを導入するサービスが注目されています。レクではPepperが先導して要介護者と体操をしたり、クイズをすることで脳の活性化をはかるアプリやサービスが展示されていました。

仙台放送はアプリコンテスト「Pepper Innovation Challenge2015」で最優秀賞を受賞した「いきいき脳体操」アプリを展示。ニンテンドーDS用ゲームで第ヒットした「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、いわゆる脳トレで知られる東北大学の川島隆太教授が監修する仙台放送のテレビ番組「川島隆太教授のテレビいきいき脳体操」から派生した「いきいき脳体操テレビ&ゲーム」をPepperで利用できるようにしたアプリです。開発協力のフューブライト・コミュニケーションズとともに介護施設で実証実験が繰り返し行われ、実用化(製品化)が急速に進められています。

また、体操とクイズのほかにカラオケをPepperと一緒に楽しむことができるJOY SOUNDのPepper向けアプリ(エクシング)や、介護士に負担をかけずに頭脳や運動トレーニングが可能な「まいにちペパレク」(ロゴス)に人だかりができていました。

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Pepper版「いきいき脳体操」の展示ブース。川島隆太教授監修の約15種類の脳トレゲームや、余暇問題研究所の山崎律子氏監修の準備体操や指おり体操などをパッケージにして、月額28,000円でリリース予定。施設でレク時間に活用できる。年に4回程度、ゲームや体操の種類を増やしたり、内容を変更するアップデートを予定している。

企業による単独の大型展示会が少なくなっている傾向のなか、Pepperに特化した単独商品での開催にも関わらず、これほど盛況なイベントは昨今では珍しく、改めてロボットのビジネス活用に対する注目度の高さを感じました。

会場では各社展示ブースのほか、ソフトバンクのスタッフが少数の来場者に区切って繰り返し説明をする小型のブースが多数設けられ「Pepper for Biz」の特長と導入についての説明が行われていました。また、契約用の窓口も用意され、当日契約した来場者にはさまざまな特典が用意されるなど、積極的にPepperを販売する光景も見られました。また、アプリ開発企業を紹介する等、ビジネスを繋ぐ商談コーナーもあり、トレードショーとして具体的な導入を促進している印象も残りました。2016年初頭から、ロボットに対する注目度はますますふくれあがる、そんな印象を受けたイベントとなりました。

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Pepper Worldの展示会場では、時間を区切った入場が実施されましたが、時間帯によってはぎゅう詰め状態になる盛況ぶり。

次回は再び、IBM Watsonに話題を戻してお届けします。お楽しみに!!

About the author / 

神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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