【IoT業界探訪vol.5】オープンイノベーションでIoTに新しい波を -「生活×IoT」マッチングイベント@NTTドコモ・ベンチャーズ ラウンジ-

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10月14日に株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ、株式会社新東通信、株式会社メディアジーンが共催した「生活×IoT」ピッチ+マッチングイベントに行ってきました。
開催場所は六本木にあるNTTドコモ・ベンチャーズ ラウンジ。


NTTドコモ・ベンチャーズ ラウンジ

NTTドコモ・ベンチャーズ ラウンジでは様々な分野のイベントが開催されています。

今回は「生活にかかわるIoT」をテーマにしたマッチングイベントでしたが、そのほかにも『オープンイノベーション』の促進を目的に様々なイベントが開催されているようです。



プログラム紹介

今回のイベントのプログラムを、ざっと紹介していきます。


プログラム

多様な登壇者による多彩なコンテンツ

今回のイベントは、オープンイノベーションを合言葉に幅広い人たちを結び付けることを目的にしているため、IoTに対して、トレンドの俯瞰から個々のソリューションへのクローズアップまで、非常に幅広く取り扱っているのが特徴です。

紹介の手法も「トークセッション」「ピッチ」「デモ展示」と様々でした。では、今回のイベントの流れを追ってみましょう。



オープニングトーク

稲川副社長

イベントの趣旨を説明するNTTドコモ・ベンチャーズの稲川副社長

オープニングトークでは、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズの稲川副社長が、株式会社NTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズの取り組みを説明。

オープンイノベーションを合言葉に、スタートアップとドコモのリソースを交わらせるための「ドコモイノベーションビレッジ」や、ドコモから提示したテーマに興味のあるスタートアップ企業などと直接協業を模索する「Villageアライアンス」など、様々な施策を行っています。

また、コーポレイトベンチャーキャピタル(CVC)事業の一環として、今回のようなイベントも主催しているとのことで、投資元と face to face のコミュニケーションをしたいと思っている方にとっては、NTTドコモ・ベンチャーズ ラウンジでのイベントは良い機会になりそうです。



国内外のIoTの最新トレンド

トークセッション

左からギズモードジャパン 編集長 松葉信彦氏(モデレータ)、株式会社CAMI&Co. 代表取締役社長 神谷雅史氏、株式会社インフォバーン 代表取締役CVO 小林弘人氏

ギズモードジャパン編集長の松葉信彦氏、株式会社CAMI&Co.代表取締役社長の神谷雅史氏、株式会社インフォバーン代表取締役CVOの小林弘人氏によるトークセッションに移る前に、神谷氏、小林氏から国内外のIoTにかかわる動きをあらゆる側面から紹介。


ベルリンをはじめとした海外IoTスタートアップの動向

まずは、インターネット勃興期を伝える雑誌「WIRED」を立ち上げ、様々な企業メディアの立ち上げに関わってきた株式会社インフォバーンの小林さんから見た国外の動向の紹介から。

IT系のスタートアップといえば米国、とくにシリコンバレーというのが定番ですが、近年ではEU、特にベルリンでも多くのスタートアップが生まれているそうです。なんと、その頻度は20分に1社だとか。

SoundCloudに代表されるようなWebサービス系が強いベルリンですが、Googleが出資したテクノロジー・キャンパスや、Fablab Berlinなどを活用したモノづくりの浸透によりIoT分野でも伸びているとのこと。それもあってか、ベルリンで開催されるEU最大のテックイベント、TECH OPEN AIRでもHardware Pitchのセッションが開かれるようになっているそうです。

そんな空気にあと押しされたのか、小林さんが視察したハッカソンは子供でも参加でき、そこで生まれたアイデアを会場近くにあるFablabで実物にまで落とし込む、というプログラムがごく普通に行われていたようです。街の中にモノづくりの文化が根付いている感じがしますね。

そんなベルリンからはKIWIというスマートロックシステムや、Bonaverdeというコーヒーメーカーが紹介されていました。

特に、Bonaverdeは焙煎からできるコーヒーメーカーという新しさに加え、毎月10$の定額制でコーヒーが飲めたり、コーヒー農家から直接取引ができる流通形態など様々な工夫が凝らされています。

このサービスを使うことで、「飲む」という体験以外にもコーヒーを通して日常に変化を与えてくれそうです。


Bonaverde

ローストの加熱温度の調整などの操作面だけでなく、物流システムにまで踏み込んでいたBonaverde

他にもアメリカ発の人工知能搭載オーブン、JUNEが元AppleのAIエンジニアを投入して開発を進めており、そのおかげでiPhoneの開発が遅れるかもしれない、という裏話をされてました。まだまだIoT、人工知能に関する人材は奪い合いですね。

最後に小林さんはIoTと相性のよい技術として、ブロックチェーンによるマイクロペイメント、スマートコントラクトを挙げています。IoT機器を使用シーンの中で生まれる決済がブロックチェーンに移っていく中で生まれるビジネスチャンスを大手、ベンチャーともに見逃さないようにしてほしいですね。


国内企業のIoT導入に関わる問題点と打開策

次は国内のIoT導入にまつわる実情について、国や企業やコンサルティングしつつ、自身の会社でもIoT機器の企画、製造にまで踏み込んでいるCAMI &COの神谷さんから紹介していました。

日本のIoT市場が米国に比べて5年以上遅れているという事実を踏まえ、それを乗り越えていくために必要なポイントとして、プロジェクト決済者である役員レベルへの教育、プロジェクトを率いていくIoTプロデューサーの育成を挙げていました。


日本のIoT活用事情

無線関連のインフラの整備が高いにもかかわらずIoT進展指標が低い日本の現状(出展:ITU「ICT Development Index」)とその打開策

決済者への教育は当然のこととして、特にプロデューサーの育成に関しては熱心に語っており、ソフト、ハード、ネットワーク、マネージメントなどをマスターしたIoTプロデューサーがプロジェクトを牽引することの必要性を強く説く神谷さん。

製造や財務などで緊密な関係性を必要とするステークホルダーが一気に増えること、それにより必要とされる戦略策定能力、プロジェクトマネジメント能力、コミュニケーション能力のレベルが格段に上がることをご自身でも体感されているため出てきた言葉かと思われます。


日本のIoT活用事情

IoTサービスのプロジェクト推進に関して必要なプロデューサーの役割について

機器開発における手戻りコストが高いことから「とりあえず作ってみた」で始められないことはわかりますが、かなりのハードルの高さですね。

ただ、決済権限を持つ上位役職者を教育し、その成長を待つよりも、彼らにわかりやすい戦略、経営数字を作る能力を身につけたプロデューサーを育成するの方がスピードが速いことは想像に難くありません。

日本は、IoTを成立させるためのインフラ整備はすでに十分整っているという優位点があります。人材面での不安が解消され、市場の投資やビジネス面を正循環させることで一気にキャッチアップすることを期待したいですね。



パネルディスカッション

ハイプサイクル

IoTという言葉が消えた2016年版ハイプサイクル

3名による豪華なパネルディスカッション。

まずはガートナーのハイプサイクルの中で2015年では「過度な期待」フェーズの頂点にいた「IoT」が2016年には見当たらなくなっている、というトピックからです。

松葉さんは「その代わりに期待が高まっている分野として、IoTプラットホーム、コネクテッドホーム、ブロックチェーン、スマートロボット、などの言葉が出てきている」と言います。

それに対する神谷さんの意見は、概念としてカバーする範囲が広すぎた「IoT」という言葉が実現フェーズに移ったことによりそれぞれの具体的な言葉に落ちたのではないか、ポジティブな現象ではないかということでした。

また、小林さんは、神谷さんの言にさらに加えて、ハイプサイクルそのものに対する違った見方も提示しています。


パネルディスカッション
ハイプサイクルの中では「過度な期待」というフェーズの後に訪れる「悲しみの谷」と呼ばれる幻滅期があります。しかし、そこから這い上がることができなかったとしても、脈々と開発が続いていく分野がある、と。その実例としてVRを挙げました。

インターネット黎明期から存在するVRは幾度も悲しみの谷に落ち込みましたが、技術者たちは企業を渡り歩きながらも未来に向けて開発を続け、今また日の目を見ようとしている、と言います。

今までに何度も「ブーム」と言われる時代を経てきたロボットにも言えることではありますが、ハイプサイクルにとらわれず、悲しみの谷にある技術に対して継続した開発をする企業の姿勢や、人材の流動性は、日本の社会でも取り入れるべきだと感じます。

また「国内のIoTに期待すること」という話題では、神谷さん小林さんともに「教育面」を挙げています。

神谷さんは先ほど挙げたIoTプロデューサーのビジネス企画を判断する側にも正しいテクノロジー教育が重要だといいます。新しい分野であるため投資対効果の見極めは通常のプロジェクトに比べ難易度が高くなります。その判断の指針になるようなテクノロジー教育が必要になってくるでしょう。

また、小林さんは教育について、2020年のプログラム必修化などに旧来の教師がついていけないリスクなども挙げ、そういったところに民間の力を活用するなどの施策の必要性などを説いて締めくくっていました。



ピッチ

ピッチには多くの企業が登場していましたが、それぞれの属性ごとに1社ずつ紹介してみました。

・大手企業:株式会社リコー
・スタートアップ企業:MAMORIO株式会社
・IoTスタートアップ支援:39Meister
・ビジネスユーザー:三井不動産レジデンシャル株式会社
・メディアを活用したプロジェクト支援:machi-ya

それぞれのレイヤー、役割の中でどのような活動をしているのかに注目してご覧下さい。


大手企業:株式会社リコー

まずは大手企業の株式会社リコー(以下リコー)です。

今回お話をされたのはオープンイノベーション推進室の澤田さん。リコーやほかの大企業と連携してベンチャー企業に対し、人、技術、資金を提供する取り組みRicoh Innovation Bridgeを運営しています。


リコー澤田さん

リコーの今後のフォーカス分野を説明する澤田さん

リコーは現状、収益の多くをコピー機から挙げていますが、今後新たに、

・車載カメラ、セキュリティカメラなどに代表されるスマートビジョン
・360°全天球カメラTHETAに代表されるビジュアルレボリューション
・3Dプリンタに代表されるアディティブマニュファクチャリング

などへの注力を掲げています。

澤田さんはこういった交流会には頻繁に登壇されている方なので、これらの分野で連携ができそうな方は、一度お話を聞いてみるのが良さそうです。

では、ピッチ内で紹介された超小型IoTボード「Biscuit」についての情報です。


Buiscuit

THETAををさらに加速する超小型IoTボード「Biscuit」

こちらのボードは「『THETA』をさらに加速する」ことを目的に作成された、LTEモジュールをスタック可能な「Edison+BreakoutBoard」。

ArduinoやRaspberryPieに代表されるマイコンボードは種々ありますが、LTEモジュールがスタック可能なものは珍しいでしょう。一つのデータの大きさがどうしても大きくなってしまうTHETAの撮影データとの連携を目的に作られた、といってもいい非常に尖った製品。

サイズはシータにすっぽり収まる 55mm x 30mm x 8.6mm というサイズなので、行動分析ソリューションもスマートに実現可能です。


Buiscuit

THETAと連携したコンパクトでスマートな行動分析ソリューション。視野が広いうえに可動部がないので堅牢であることも予想される。

また、オープンイノベーションを加速するためにリコー内外の方が利用できる「アイデア発想&ファブスペース、つくるーむ横浜」、を運営しています。今回展示していた「鳥獣被害撲滅ロボット:KAKA-THETA(カカシータ)」もこの施設で作られていたそう。

THETAで検知した害鳥をクラッカーで追い払う、そんなネタのようにに見えてしまうものであっても、「まずは形にしてみること」の先に見えてくるもの信じて支援をするポリシーが表れていますね。

CVCなどの大きなビジネス創出のための取り組み、Biscuitなどの開発マテリアル、つくルームのようなコミュニティ運営、様々なレイヤーでオープンイノベーションを推進するRICOHの動きから目が離せません。


スタートアップ企業:MAMORIO株式会社

続いては、なくしたモノをみつける世界最小のIoTデバイスを開発するMAMORIO株式会社。同社からは、COOの泉水さんが登壇されていました。

最初に説明していたのは、二つの大きな基本機能についてです。


MAMORIO

MAMORIOの持つ二大機能を説明する泉水さん

まずはわかりやすい「なくす、をなくす」アラート機能から。

BLEチップの入ったタグが手元から離れたことを通知。最終位置を地図で送付してくれるサービスになります。

非常にシンプルな機能ですが、これだけでも、落とし物、忘れ物の多い私などからすると、「家に忘れただけだった」と安心することができます。

これに対して、「みんなで、さがす」クラウドトラッキング機能は若干複雑ですが非常に面白いサービスです。

この機能は、ほかのMAMORIOユーザーのアンテナカバー範囲で紛失物が検知された際に自動でクラウド上に通知をあげることにより、紛失物の位置情報を得る、というものです。

落とし物をした時、「落とし物センターに届けてくれた」、という善意による行為でもアラート機能だけではトラックできなくなってしまいます。しかし、落とし物センターにある端末にクラウドトラッキング機能があれば、位置情報を補足することができる、ということで導入された事例もあったそうです。

公衆回線を使用していないスマートタグの弱点は、移動してしまった際にトラックができないことなのですが、それをカバーするために他のユーザーのリソースを使うというアイデアはなかなか秀逸ですね。

このサービスの特徴はユーザーが増えれば増えるほどカバー範囲が密になることです。このプラットフォームのトラッキング性能が上がっていくのが楽しみなユーザーも多いのではないでしょうか。

また、基本的な機能以外にも、実証実験や導入フェーズに入っている事例について多く説明されていたのですが、特徴的だったのは大手の企業での導入が進んでいたことでした。

たとえば、某航空会社の整備業務で「ツールの置き忘れ」などを防止するための実証実験。株式会社SUBARUの新型インプレッサのキーホルダーへの導入。特に、認知症の方を対象にしたお出かけ支援ツール「Me-MAMORIO」はエーザイ株式会社とのコラボレーションなど。このリリースが株価を大きく変動させたそうです。


Me-MAMORIO

社会的にインパクトある領域での大手企業とのコラボレーション。

やはり、誰しもが体験したことがある「なくす」をなくすことに関心のある企業は多かったそう。今回のマッチングイベントでもなにか面白いコラボレーションは生まれるといいですね。


IoTスタートアップ支援:39Meister

MAMORIOのような成功しつつあるスタートアップの姿を見ると、自分の持っているアイデアやモックアップとの差を感じる方も多いと思います。せっかくのアイデアもマーケティング、ファイナンス、技術のどれかが欠けるとプロジェクトに致命的な影響がでるのがIoTの怖いところなのは神谷さんのお話でもあったとおりです。

そこでIoTハードウェアスタートアップを支援するプロジェクトとして登壇していたのが39Meisterです。

39Meisterはドコモと株式会社ハタプロ(以下ハタプロ)が中核になって結成したIoTハードウェアスタートアップの支援システムで、リーン型開発を特徴としたホワイトレーベル(受託生産)メーカーです。

ドコモは持つクラウドや通信に関する技術、新規事業創出プログラムの運営経験を提供したのですが、ハタプロは何を提供していたでしょうか。


ハタプロ

株式会社ハタプロの代表取締役、伊澤さんが会社の成り立ちから解説をしてくれました。

ハタプロは、日本と台湾からイノベーティブなIoT機器を製作するべく生まれました。

ソフトウェア、ハードウェアの設計、製作技術と優れた部品サプライヤーのネットワークに知見を持つという特徴を活かし、産官学、様々な分野との共同研究、開発事業を展開しているそうです。

今まで開発した事例でいうと、簡単に自家製ワインを作ることができる「魔法のIoT酒樽」ことAlchema。こちらは米国で先行販売され、1か月で4000万円の売り上げ。

他にも、スマホに取り付けるだけで誰でもミクロの世界を除くことができるIoT顕微鏡、デジタルxクラフトをテーマにしたカスタマイズ可能なスマートジュエリー、あらゆる車やバイクをスマート化するIoTゲートウェイなど、ユーザーや技術分野にこだわらず、開発していくことができるのは確かな技術力、企画力に裏打ちされているからでしょう。

そんなハタプロの持つ新製品立ち上げノウハウが39Meisterに持ち込まれた案件の、企画から製造、販売まであらゆる工程で提供されるようです。

たとえば、先日クラウドファンディングサイト、makuakeで2600%(26,438,000円)を集めたBLINCAMもこのプロジェクト出身とのこと。


ハタプロ

39meisterのなかでのhatapro,docomoの役割を説明する井澤さん。

ベンチャーのスピード感と大手企業のクオリティを併せ持った製品づくりが39Meisterから生まれることを期待したいですね。


ビジネスユーザー:三井不動産レジデンシャル株式会社

さて、今まで紹介してきたような製品も、使ってもらうユーザーが見えないとなかなか企画が進まない面があると思います。

近年ではクラウドファンディングが、マーケティング手段になっていますが、プロダクトの企画段階から導入に前向きなビジネスユーザーがいたら、その存在は心強いですよね。

また、ビジネスユーザー主導であれば実証実験の敷居が下がり、その回数はサービスのクオリティに直結します。

今回ビジネスユーザー代表ともいえる形で登壇されていたのが三井不動産レジデンシャル株式会社(三井不動産レジデンシャル)で分譲マンションの商品企画をされている町田さんです。

今回は町田さんが「さすが三井のマンションはこんなことができるんだ。」とマンション購入者に思ってもらうサービスを作るために今までしてきたという事例をいくつかご紹介してくれました。


三井不動産レジデンシャル

マッチングイベントらしく直球でパートナー募集をかける町田さん。。

一つ目の事例は三井不動産グループが運営する「三井のすまいLOOP」にHEMS(Home Energy Management System: 家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム)を組み込んだサービスの実証実験です。

すまいLOOPはこちらの記事にもあるように、住宅購入後も緊密な関係を保つことで、新たなサービス生み出すことを目的に作られたシステムで、クーポン配布や住宅のケアなど、ライフスタイルに合わせたサービスをレコメンドすることで顧客とのコミュニケーションを深めています。

そのレコメンド機能に電力の使用状況から推測されるライフスタイル情報を利用する実証実験をしていたそうです。しかし、機能が高くなるほどに不気味になってしまうというサービスデザインの難しさや、ユーザーの希望と提供できるサービスのミスマッチなどもありこの事例に関しては、「もっと良いサービスを作りたい」という意欲を見せておられました。

もう一つの事例は多方面でクリエイティブな活動をしているトラフ建築設計事務所と、Webからリアルまで名前の通り面白いサービス、プロダクトを開発している面白法人カヤックと組んで建築、家具、ITを連携させた姿をプロトタイプした「2020ふつうの家」です。

こちらは、毎日料理を「創る」キッチンを家の中でクリエイティブな場としてとらえなおし、3Dプリンターやワークトップナビゲーションなどを組み込んだシステムとして提案した「ツクル空間」や食卓を囲みながら大画面のビデオ通話をすることで、遠くにいる人と食卓をともにしているような感覚を得ることができる「ツナガル窓」など、夢ある暮らしの提案しています。


ツナガル窓

食卓を拡張するツナガル窓。

システムやプロダクトだけではなく、生活がどのように変化するのか、についての精度が高いのは、住宅メーカーらしいですね。

このような面白い提案を受け入れる土壌と、すまいLOOPの説明の際に紹介した、「顧客との濃密なコミュニケーションパス」を持つ三井不動産レジデンシャルさんは、IoTハードウェアベンチャーのマッチング先としては非常に楽しみな相手ではないでしょうか。


メディアを活用したプロジェクト支援:machi-ya

最後にご紹介するのは、IoTスタートアップの活動を一般のユーザー層に届けるメディアです。


machi-ya

今回のイベントに多大な協力をしているメディアジーンと、広告会社、株式会社新東通信とタッグを組んだとりくみ、machi-ya。スタートアップに必要な要素をメディアを使ってバックアップする。

最近クラウドファンディングから話題になるプロジェクトが多くみられます。しかし、出展されるプロジェクトの数がそれ以上に増えてしまえば、「優れているのに埋もれてしまったプロジェクト」が生まれてしまうのは自然なことといえます。

そこで、machi-yaではクラウドファンディング、オンラインモール、求人などの機能にメディアを加え、優れたプロジェクトの魅力、価値を社会に対して発信していくそうです。


machi-ya

クラウドファンディングにおけるメディアの役割を紹介する新東通信の榎本さん

発信していくプロジェクトは魅力やインパクトを重視して厳選していくそうなので、メディアジーンの持つメディアを通して様々な角度から魅力を掘り下げていってもらうことができるでしょう。

自信のあるプロジェクトをお持ちの方は、是非こちらのリンクからエントリーしてみてはいかがでしょうか。



まとめ

内容が非常に多岐にわたった今回のイベント、懇親会でお話を聞いてみたところ、思った以上に多様な参加者の方が来られていました。同イベントの「マッチング」という目的は十分果たせたといえるでしょう。

内容を考えれば、もったいないほどささやかな規模でしたが、それだけに濃密な情報のやり取りがありました。このイベントからさらなるコラボレーションが生まれるかもしれませんね。

ここ最近は、大手企業がオープンイノベーションやCVCなどの活動を通して外部と積極的に交流を持とうとする流れがあります。特に大手メーカーやインフラ系などの大企業がIoTの分野で新しいアイデアを求め、交流のためにイベントを開催することが当たり前になってきました。製品やアイデアに自信をお持ちの方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

今後もロボスタではこのようなイベントを積極的に取材していこうと思っておりますので、是非楽しみにしていてください。

About the author / 

梅田 正人
梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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