【AI受付】IBM Watsonと連携したPepperが受付案内やAI接客を行う「eレセプションマネージャー for Guide」

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ソフトバンクはソフトブレーン株式会社が開発した「eレセプションマネージャー for Guide」を11月8日から発売することを発表した。
「eレセプションマネージャー for Guide」は、Pepperが受付案内や接客を行うソリューションパッケージ。Pepperが来店や来社した顧客の受付をしたり、質問に回答して案内や接客を行うことができるが、AI関連技術によって従来より高度な応対が期待できることが特長。

従来より高度な応対が期待できる理由は、顧客の質問に実質的に対応するのはAI技術を活用した「IBM Watson」が行うため。
質問した内容はPepperが瞬時にネットワークを通じてWatsonと通信、Watsonの機能のひとつであるSTT(Speech to Text : 音声認識機能)で会話の内容をテキストデータに変換し、別の機能であるNLC(Natural Language Classifier : 自然言語分類)によって認識してIBM Watsonが最適な回答を抽出する。抽出した回答はPepperに送信され、Pepperが顧客に対して音声やタブレットの画面を通じて情報を案内する。

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Pepper単体でも質問を認識したり、回答する機能を持ってはいるが、それほど高度なレベルの会話対応を期待するのは難しい。それをカバーするのには質疑応答にPepperのタブレットに頼りがちになり、それによってコミュニケーションロボット自体の特長を損ねる結果になることも少なくない。
IBM Watsonは会話品質と回答品質の精度が高いため、極力タブレットを使わず、顧客とのやりとりをロボットとの会話だけで進められる可能性が高い。また、顧客の質問に対して適切な回答を行う確率も高いので、より実践的と言える。

更に、企業としてはAI関連技術を使った質問対応システムを比較的廉価でPepperに導入することができるというメリットがある。
IBM Watsonを使ったシステムを自社で開発して導入したい企業は多くあるが、中小企業にとってWatson連携のシステム開発費用は決して安くない。比較的廉価なソリューションパッケージを利用することで、Watsonを受付や質問対応に導入したい企業にコストの壁を低くすることができる。
企業側の判断としては人件費等と比較したり、顧客満足度を想定した上で、ロボット導入によってコスト軽減が見込めるかどうかがポイントとなる。

■想定利用シーン
例1:携帯電話ショップにて…
Pepperに「携帯電話が壊れて・・」といえば、担当者を呼び出す。
例2:ショッピングセンターにて…
Pepperに「トイレはどこですか」と聞けば、場所をタブレット画面で案内する。
例3:レストランにて…
Pepperに「子供が●●アレルギーなの」といえば、ノンアレルゲンメニューを表示する。
例4:企業の受付にて…
Pepperに「宅配便です」と伝えると担当部署に連絡。
その他、ホテルや官公庁、医療、介護etc.といった様々な業種・業態での利用が想定される。



■ IBM Watsonと連携した eレセプションマネージャー の動画



価格

対応するPepperは「Pepper for Biz」(2.0含む)。Pepperのレンタル料金は月額55,000円/台。
「eレセプションマネージャー for Guide」の価格は月額65,000円(Pepper2台目以降は35,000円/台)。
IBM Watsonには企業ごとの情報を機械学習させる必要があり、その作業は別途見積となるため、初期導入時に確認する必要がある。


IBM Watsonを活用したソリューションパッケージの第2弾

ソフトバンクはこのサービスを「IBM Watsonを活用したソリューションパッケージ」の第2弾として位置付けている。IBM Watsonエコシステムプログラムのエコシステムパートナーが開発したシステムを選抜し、ソリューションパッケージとして販売支援を行っていく予定だ。
第1弾は10月31日に2社のパッケージを発表している。
NTTデータ先端技術のカスタマーサポートツールとの連携クラウドサービス「テクノマーク クラウド+(プラス)」と、ジェナのチャットボットサービス「hitTO(ヒット)」だ。(詳しくはそのときのプレスリリースを参照)


IBM Watsonとは

質疑応答を得意とした「IBM Watson」は、米国のクイズ番組でクイズ王と対戦して勝利した質疑応答システムをAIの要素技術等を搭載して進化させたコグニティブ・コンピュータ(IBMやソフトバンクはWatsonをAIとは呼ばず、コグニティブと呼んでいる)。ソフトバンクはIBM Watson 日本語版の開発・販売パートナーとして、日本IBMと連携して日本市場でのIBM Watsonエコシステムプログラム(開発パートナー制度)の拡大とAI市場の開拓を積極的におこなっている。

About the author / 

神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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