話題のドローン、気軽に外で飛ばしていい場所を探してみた→近所にはない件

ドローン流行ってますよねぇ。当社が毎日ピックアップするロボット業界ニュースでもかなりドローンのニュースが伸びています。実用的な使い方はもちろん、ホビーとしても面白そうですよね。

そんなわけで、ドローン欲しい熱が盛り上がってます。社内には室内用ドローンはあるんですが、外で飛ばすちゃんとしたやつです。空撮とかしたいじゃないですか。

いい機会なので、「気軽に=国土交通省の許可なく」、ドローンを飛ばせる条件を調べてみました。




飛行許可がいる条件

今回の対象となるドローンの定義は「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」で、僕がイメージしているDJI PhantomやGo Pro Karmaなどはこれに該当するドローンです。



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Image: 国土交通省

まず、国土交通省による「無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について」を見てみます。


・航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれのある空域
 ・空港等の周辺の空域
 ・地表又は水面から150m以上の高さの空域

・人又は家屋の密集している地域の上空
 ・平成22年の国勢調査の結果による人口集中地区の上空

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Image: 国土交通省

図で見るとわかりやすいですね。空港に近いと駄目、人がたくさんいるところは駄目、上空過ぎても駄目ということです。

さらに、飛行させる場所に関わらず、飛行方法について以下のルールが別にあります。この条件を満たさない飛行はあらかじめ国土交通大臣の承認を受ける必要があります。


・日中(日出から日没まで)に飛行させること
・目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
・人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に
 30m以上の距離を保って飛行させること
・祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
・爆発物など危険物を輸送しないこと
・無人航空機から物を投下しないこと



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Image: 国土交通省

前述の飛行場所の条件を満たし、かつこの飛行方法の条件を満たす場合に限り、許可なく飛ばすことができるということです。
(捜索や救助での利用については特例がありますが、本題とは違うので省略します。)

また各地方自治体の条例でさらにルールが設定されてくるので、実際に飛ばそうと思う場合役所に相談する必要もありそうです。




地図で見る飛ばせる場所

さて。上記ルールを満たす場所は実際に都内にあるんでしょうか?・・・素晴らしいことに、地図上で飛行エリアを調べることができるサービス(DJIフライトマップSORAPASSなど)が幾つか登場しています。

今回はドローン大手のDJIによるマップを使って紹介します。空港・ヘリポート、飛行禁止エリア、警戒地域、飛行可能施設、人口密集地域などが確認可能になっています。
(以下画像は2016年11月18日時点のものです。地図のデータは日々更新されており、さらに地図データの正確さは保証されていないのでご注意ください。)



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Image: DJI / Google. ZENRIN

赤い部分が飛行に許可がいるエリアです。日本全体で見ると首都圏や政令指定都市中心が赤くなっているのがわかります。



drone map02

Image: DJI / Google. ZENRIN

関東エリアを拡大してみます。首都圏は23区エリアはほとんど赤い状態ですね。



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Image: DJI / Google. ZENRIN

皇居中心に全域真っ赤です。人口密度の高いところは許可がいるということであればこうなりますよね。

結局都内在住の人は、神奈川、埼玉、千葉の赤くないところに行く必要があるという感じです。しかも電車で利便性の高い場所はだいたい赤いので、車などで飛ばせる場所に行く必要がある感じですね・・・。




飛行許可がいる条件

あまりに都内が真っ赤だったので、マップを使って「飛行可能施設」だけを表示してみます。



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Image: DJI / Google. ZENRIN

すると関東圏でもちらほら飛行可能施設が見つかります。



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Image: DJI / Google. ZENRIN

23区内エリアに3つほど見つかりました。場所を確認するとドローン学校とドローン練習場でした。どうしても都内で飛ばしたい場合はこういったドローン専用施設を利用するのが良さそうです。もしくはちゃんと国土交通省に許可をとって・・・ですね。


僕はこう思った:
もうちょっと都内で飛ばせる場所が増えないと、なかなか気軽に飛ばすことはできなさそうですね。今のところ室内向けドローンでいいかな・・・。


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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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