Amazon Echoは何に使われてるの? 米国でのスマートスピーカーの利用方法、調査結果まとめ

音声で制御するアシスタントを搭載したスマートスピーカーのニュースをロボスタ編集部で取り扱う機会が増えてきた。これはもちろんアメリカのスマートスピーカーが間もなく日本に上陸してくることを踏まえてのことだ。

Google Home(グーグル・ホーム)の日本進出は正式に発表されており、一方、Amazon Echo(アマゾン・エコー)の日本への進出も着々と準備が進んでいそうだ

今回の記事は、アメリカでスマートスピーカーがどのように使われているのかを知るために、そして日本で発売された場合「私たちが何を目的に購入するのか」を考えるために、アメリカのスマートスピーカーに関する利用動向の調査資料をまとめたものだ。



スマートスピーカー利用用途の調査結果

前提として、以下で紹介する調査の対象はアメリカのスマートスピーカーユーザーだ。

なお各社の分析結果のグラフは、レイアウトが統一されておらず、グラフがない調査結果も含まれていたため、当社で独自に作成したグラフを掲載している。

それでは発表日の古いものから順に紹介していく。


少なくとも一度は使ったことがあるスキル、1位は「タイマーセット」

以下のグラフは、2016年5月に発表された「Experian Insights」による「Amazon Echoで一度でも使ったことがあるスキル」の調査結果だ。


Data Source : Experian Insights / Image : robot start inc.

この調査では、80%以上のユーザーが「タイマーセット」と「音楽再生」を使ったことがあるという結果となった。次いで50%以上のユーザーが「ニュース再生」、「アラームセット」、「時計」、「ジョーク」のスキルを使ったという。


繰り返し使うスキル、1位は「音楽再生」

続いて、こちらも2016年5月に発表された、「Business Insider」による「繰り返し使うスキル」について調査した結果。


Data Source : Business Insider / Image : robot start inc.

最初に紹介した一度は使ったことがあるスキルとは同時期の調査だが、ランキングは微妙に違う。最も頻繁に使うスキルは「音楽再生」、次いで「スマートライトのオンオフ」、「タイマーセット」と続く。


好きなスキル、1位は「音楽再生・本の読み上げ」

以下は、2016年12月に発表された「VoiceLab」による「スマートスピーカーで好きなスキル」について調査した結果だ。


Data Source : VoiceLab / Image : robot start inc.

好きなスキルを聞くと、「音楽と本の読み上げ」スキルが突出している。これには、Spotifyなどの音楽再生スキルや、Kindle Booksの読み上げスキルなどが含まれる。そして、「スマートホームデバイスの制御」、「ゲーム・エンタメ」、「ニュース読み上げ」といったスキルが続いた。


利用用途、1位は「情報取得」

次に紹介するのは、2017年1月に発表された「GeekWire」による「Amazon Echoの利用用途」に関する調査結果だ。


Data Source : GeekWire / Image : robot start inc.

用途を質問した結果、「情報取得」、「音楽再生」が50%を越す結果となった。次いで「ホームデバイス制御」、その他と続く。


最新の利用用途、1位は「一般的な質問」

こちらは、2017年第1四半期の「Statista」による「スマートスピーカーの利用用途」に関する調査結果。


Data Source : Statista / Image : robot start inc.

利用者に用途を尋ねた2017年最新のデータだ。一つ前のデータと比べると若干用途に変化があることがわかる。「一般的な質問」、「天気」、「音楽再生」、「タイマー・アラームセット」、「リマインダー」、「カレンダー」、「スマートホームデバイス制御」、「ニュース再生」と続いている。2016年に頻繁に利用されていた「タイマー」や「音楽再生」以外の使われ方も日常的になってきたことがわかる。また、10%前後のユーザーはスマートスピーカー経由で製品・食品・サービスの注文をしていることもわかった。



スマートスピーカー利用用途の調査結果まとめ






今回様々な調査結果を見る中で、スマートスピーカーの使われ方としては「音楽再生」や「本の読み上げ」、「タイマーセット・アラームセット」、「ニュースの読み上げ」などが主な使われ方であることがわかった。最近では「情報収集デバイス」としての活用も定着しているようだ。

これらを並べてみると、「スマートスピーカーでなくてもスマホでできる機能だ」と思うかもしれない。しかし、すでにアメリカの家庭内では、このような作業がスマホからスマートスピーカーに移行し始めている。わざわざスマホ画面のロックを解除してアプリを立ち上げて入力する必要なんてないのだ。音声入力はキーボードの入力の3倍は速いという話もある。

音声での操作は、私たちが想像している以上に便利なのかもしれない。


僕はこう思った:

用途毎のランキングを紹介しましたが、幅広い用途で使われていることも重要なポイントです。AI音声アシスタントのスキルは日々増え続けていますので、今後キラーとなるスキルが登場して用途が大きく変わる可能性もあるのかもしれません。

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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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