須磨水族園の体験型VR / 全天球360映像 / フィッシュロボットの事前体験会レポート!360水中体験映像は全編YouTubeで公開 - (page 2)




水中を泳ぐロボットフィッシュ「MIRO」

VR技術を活用した体験型コンテンツ「Fish Collection Challenge」隣の水槽には、ロボットフィッシュ「MIRO」(マイロ)が展示されている。
MIROを提供しているAIRO社(日本代理店ワイケープラス)の金武賢氏に話しを聞いた。

錦鯉と一緒に水槽の中を泳ぐロボットフィッシュ「MIRO」

MIROは観賞用として開発されたが、顧客からの意見や要望により、リアルなサカナに近づけるという-方向よりも、LEDなどを点灯させてロボットらしいデザインを前面に出すようになった。今回のロボットフィッシュは自律的に動作するバージョンだが、リモコンで制御したり、カメラを搭載してドローンのように動作するバージョンも開発中だと言う。しかし、水中を進むので無線による制御は困難で、淡水でもせいぜい5m程度、海水ではほとんど無線通信ができないと言う。

MIROの技術的な特徴

また、現在の動きはランダムだが、将来的には障害物を検知して避けたり、周囲の地形を判断して自律的に中層を選択して泳ぐAI機能を開発中で、今年内には開発を完了したい。課題は他にもまだある。ランダム動作だと、水槽のガラスに当たってパタパタと押しっぱなしの動作をすることがある。これもAI機能で水槽のガラスを検知したいところだが、現状では赤外線センサーを使用しているため、透明な水槽では赤外線が反射しないためガラスの存在が上手くつかめない。音波センサーを使用することも検討したが、来園客がガラスを叩いて雑音を立てたりすると正常に動作しない可能性もあるので使用しなかったと言う。

MIROに期待されているのはエンターテインメント要素だけではない。MIROに各種センサーを搭載し、移動しながら水温などを測定することができる。養殖分野などではこの技術はとても期待されていて、現在ではシンガポール等で実証実験がはじまっている。その場合、MIROにウキのような通信機を接続し、水面に浮いた通信機からリアルタイムでデータを送信すると言う。

なお、防水機能は50mまでは確認済みと言う。

これら最新のICT技術を使って、ゲームから感動体験まで、子どもから大人、高齢者も一緒に楽しめるイベントになっている。もちろんイルカのショーやペンギンなどの生態を見るのも楽しいし、水族館に涼を求めるのもいいだろう。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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