「音声とメディアと音声広告の未来」急成長する米国の音声広告市場 Voicy、Radiotalk、シマラヤ、ロボットスタート、オトナル登壇レポート - (page 3)


海外視点で見る日本の音声市場/シマラヤジャパン株式会社 安陽CEO



シマラヤジャパンのCEO 安陽氏からは、海外視点で見る日本の音声市場についてお話頂いた。


「Himalaya」は中国で5億人以上のユーザーを抱える音声プラットフォーム。2017年3月に日本進出し、時期を同じくして安氏も日本にやってきた。音声がイケると思ってのことだ。


シマラヤジャパン株式会社 CEO 安陽氏

中国語読みで「Himalaya」は「シマラヤ」と読み、日本での会社名も中国同様「シマラヤ」だが、日本でのサービス名は日本人に通りのいい「ヒマラヤ」とした。

安氏が中国から日本にやってきて感じたことは、音声市場についてどちらが常識でどちら非常識であるかということ。こちらについて数字の書かれたスライドを元に中国での音声市場について説明された。



147分とは中国で1日にユーザーが音声を聞いている時間で、70億円は2018年12月3日「知識祭り」の日に記録された音声の売上高だ。



現在ポッドキャストは55万チャンネル。これは今年の4月時点での数字なので、今は70万チャンネルを超えているとも言われている。エピソード数は現在2,900万個、総再生数は500億回。


中国ではこんなに活発な音声市場は、どうして日本で盛況にならないのか。この件について社内で議論をしてみた。


クリエイターの立場から考えると、音声コンテンツを始めることはハードルが高いと思われている。例えば、サーバー代の費用がかかったり、BGMの費用がかかったり。


また、リスナーからの反応が再生数だけだとモチベーションが持続しづらかったり、趣味で音声配信をおこなってると、仕事が忙しくなると辞めてしまうということもある。ここから音声だけである程度の収益が得られないと続けづらいと考えている。



音声市場が盛り上がるためにはクリエイターとコンテンツの数が増えていくことが必要であり、このためにヒマラヤではクリエイターに以下の提供を行っている。


・クリエイターに負担をかけないように、サーバーのホスティング費用を無料に。
・コンテンツ作成にモチベーションを持ったもらうために、再生完了率の計測やリスナーからの反響を得る仕組みの提供。
・今月から、投げ銭やサブスクリプションの仕組みをリリース。これによりクリエイターが収益を得ることが可能に。

中国では起爆剤となるコンテンツがあり、リスナーが増えていった。それは中国の有名な漫才師による音声コンテンツだった。



アメリカのポットキャスト市場では「SERIAL」という実際に起きた事件を元にしたストーリー番組が大成功して起爆剤となった。日本のヒマラヤも起爆剤となるコンテンツを作りたいと思う。


今日ここに登壇している企業みんなで頑張って音声市場を盛り上げていきたいと締めくくった。


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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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