アイリスオーヤマとソフトバンクロボティクスグループが資本業務提携 アイリスが100億円の割当増資を引き受け

アイリスオーヤマ株式会社とソフトバンクロボティクスグループ株式会社は、ロボット市場における中長期的な需要創造と社会課題解決を目指して、「業務提携合意書」を締結した。また、アイリスオーヤマはソフトバンクロボティクスグループが実施する総額100億円の「第三者割当増資」の引き受けを決定した。100億円は主にロボットの研究開発等に活用していくとしている。

調印式の様子

また、同発表会場で両社が新たに飲食業界に投入する新製品、配膳ロボット「Keenbot アイリスエディション」(キーンボット)も発表している

配膳ロボット「Keenbot アイリスエディション」。従来製品の配膳ロボット「Servi」よりやや大きく、可搬重量も大きい。関連記事「最大4段の大容量トレーが特徴の配膳運搬ロボット「Keenbot アイリスエディション」発売 導入事例を公開 SBRとアイリスオーヤマ

国内では、少子高齢化の進展による生産年齢人口の減少や、新型コロナウイルスの感染拡大と長期化の影響により労働者不足が深刻になっている。さらに、社会経済活動の様々な分野でDX(デジタル・トランスフォーメーション)化が進展し、ポストコロナ時代を視野に入れた、新たな需要創造が求められている。
そこでアイリスオーヤマとソフトバンクロボティクスグループは、法人向けサービス・ロボット分野の市場に本格参入するため、合弁会社「アイリスロボティクス株式会社」を昨年2月に設立した。同社は、法人向けサービス・ロボット分野における業務設定コンサルティングや定着化支援など、業務のロボット化に関するトータル・ソリューションを提供している。

現在、主力のロボット製品は自動清掃ロボットの「Whiz i アイリスエディション」と自動配膳ロボットの「Servi アイリスエディション」。自動清掃ロボットは国内導入実績が2500社、配膳ロボットは300ブランドで導入されているという(発表会にて)。


このように両社はロボット事業を通じて良好な関係を築いており、この度の業務提携及び「第三者割当増資」の実施により、それぞれが有する経営資源やノウハウを統合して連携を一層強化し、中長期的な企業価値向上の実現と社会課題の解決に貢献するとしている。

アイリスオーヤマ株式会社 代表取締役社長 大山晃弘氏

また、今後も進展が続くDX化への対応と持続可能な社会の実現に向けて、「労働者不足解消とDX化に向けた取り組み」、「脱炭素社会の実現・CO2排出量削減に貢献」そして「新たなソリューションの開発と向上」を推進する考えだ。

ソフトバンクロボティクス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 冨澤文秀氏


資本業務提携 概要


1.労働者不足解消、DX化に向けた取り組み

深刻な労働者不足とコロナ禍におけるDX化の加速という状況において、サービス・ロボット分野を成長分野と捉え、企業や医療施設や教育機関への導入と開発など領域を拡大。


2.脱炭素社会の実現・CO2排出量削減に貢献

脱炭素社会の実現やCO2排出量の削減等の環境課題に対し、無線制御システム「LiCONEX」とアイリスオーヤマのサービス・ロボットを繋いで業務効率化と改善を図ることで消費燃料削減や環境課題解決に貢献。


3.新たなソリューションの開発と向上

DX化、省人化、効率化を推進し、社会変化に対応したロボットの研究・開発を推進。ソフトバンクロボティクスグループが持つAIロボットOS分野の高い知見と技術、アイリスオーヤマの商品開発力の相乗効果により新たな市場を創造。


会社概要

アイリスオーヤマ株式会社
・所在地
:宮城県仙台市青葉区五橋2-12-1
・設立
:1971年4月
・事業内容
:生活用品の企画、製造、販売
・代表者
:代表取締役社長 大山 晃弘氏

ソフトバンクロボティクスグループ株式会社
・所在地
:東京都港区海岸1-7-1
・設立
:2012年1月
・事業内容
:ソフトバンクグループにおけるロボット事業を統括する持株会社
子会社の投資育成を目的とした管理活動ならびに、ロボットプロダクトの研究開発活動
・代表者
:代表取締役社長 兼 CEO 冨澤 文秀氏

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ロボスタ編集部

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