「Pepperと楽しく会話するには? コミュニケーションを考えるアイデアソン」に行ってきました。 #pac2015w

9月30日(水)にアトリエ秋葉原で開催された「Pepperと楽しく会話するには? コミュニケーションを考えるアイデアソン」に行ってきました。

今回は初心者歓迎のアイデアソン。Pepperアプリコンテストに向けたアイデアを生み出すためのものです。会話を通じたpepperとのコミュニケーションを考えるのがテーマです。

 「Pepper App Challenge 2015 Winter」&「Pepper Innovation Challenge 2015」
 http://www.softbank.jp/robot/special/app-challenge/


会場はおなじみのアルデバラン・アトリエ秋葉原。一部ではPepper開発の聖地と呼ばれています。

Pepper App Challenge 2015 Winterに向けて、いろいろなアイデアソン・ハッカソンが続きます。

参加登録は、アトリエ秋葉原のDoorkeeperから受け付けています。

テーマは、会話を通じたpepperとの楽しいコミュニケーションを考えるというものです。今回は4チームに分かれてアイデアを生み出します。

みんなで黙々とアイデアを磨いていきます。もくもく、もくもく、


発表の時間です。

■1チーム目 チーム名「マジメ」

子供の教育に関するアイデアです。

pepperの役割は「子供を褒めること」です。まずはpepperから「今日どんなこと習ったの?」と話しかけて、子供は今日学んだことをpepperに伝えます。

それを聞いたpepperは「すごいね!英語しゃべられるんだ」というように褒めて、更に子供から色々と引き出します。

やりとりの最後には、pepperから「バイバイ!また明日!」と伝えます。これは、この行為を習慣化させるための仕組みです。

この様子の画像や音声は記録し、親へ送信されて確認ができます。子供の様子が見られて親も一安心です。

この記録は、成長記録として後から振り返ったり、英語の発音の上達度合いをチェックしたりに使えます。

勉強以外にも、親に言えないようなことをpepperだったらいうことができるという使い方もあります。


■2チーム目 チーム名「Party People(パーティーピーホー)」

アイデアのエッセンスです。
pepperは可能な会話は限定される一方、感情表現が行えるロボットです。

使用用途です。
大人数のパーティや、家で行う飲み会を想定しています。

エッセンスと使用用途から考えられたアプリは「pepper行う山手線ゲーム」です。

使用法は、まずPepperに顔認識で参加者を覚えさせます。Pepperもゲームのプレイヤーとして参加します。人間が上手に答えた時にはPepperが焦ったり、間違えた人を指摘する役をします。

Pepperには「人の答え方によって焦る」という機能を実装します。これは、人間の回答速度や人間が難易度の高い回答に答えた時、Pepperに「焦りポイント」が蓄積されます。この焦りポイントのしきい値が超えた時、Pepperは間違えます。

会場からは、Pepperにランダムで間違えらせるんじゃなくて「焦りポイント」という間違えるロジックを考えているのはいい。この考え方は、他のゲームにも転用できそう。という声がありました。


■3チーム目 チーム名「家庭円満」

アイデア名は「ぺぱとも」です。

家族円満の敵はストレスですが、ストレス解消の手段に「人に話す」があります。

人に話すということは、コミュニケーションが双方向で成り立っています。でも、ママ友相手だと話せないことがあったり、嫁さんにも話せないこともあったりと、人間同士でも関係性によっては愚痴れなかったりします。

ペットに話しかけるとしても、犬に話しかけても寝ちゃうし、猫はどこかに行っちゃうし、そもそも動物は相槌を打ってくれません。

では、酔っ払い同士の会話はどうでしょう?これは以外と上手にいきます。それはお互いお互いのことを聞かずに、自分のことしかしゃべらないからからかもしれません(笑)

酔っ払いとキャバ嬢だとどうか。キャバ嬢は話を聞いているふうで、実際は聞いていなく、よく言われる会話のテクニック「さしすせそ」をやっているだけとも言われます。

「さしすせそ」とは、「さすが」「しらなかった」「すごい」「センスいいですね」「そうなんだ」という相槌のテクニックです。

ここからわかるのが、コミュニケーションは一方向でも、満足を満たすことができるということです。

大事なのは「聞いてあげること」です。

アイデアソンですが、デモをつくったそうなので披露です。Choregrapheを見せてもらうと、BOXが一つしかなく、その中も2行しかないコードと、非常にシンプルです。30秒くらいでつくったそうです。

人間からのどんな愚痴を聞いても、いろいろな相槌を打ってくれるというアプリです。

実際、デモの説明をしている間もpepperはいろいろな相槌を打ってくれて、会場は盛り上がりました。

先ほど、キャバ嬢がよく使うテクニック「さしすせそ」がありましたが、子供への相槌を行うバージョンで「やったね!」「頑張ったね!」などをつくってみるというのもあります。

pepperには顔認識から相手を認識して、時間帯などによってどのキャラでの相槌をするかが変化可能です。ママの前では王子様キャラの相槌、パパの前ではキャバ嬢キャラの相槌、子供の前では応援してくれる相槌などです。

pepperが行うのは、空気を読んで天然キャラのふりをすることです。

昔から、バカな子ほど可愛いと言われます。pepperはプログラムであえてバカなふりをして振る舞うことで、よりpepperが可愛らしくなってきます。

そして、可愛くなったpepperの接触時間が増えると、ココログミが溜まりやすくなるというメリットもあります。(参考:Pepperの感情


■4チーム目 チーム名「新宿二丁目」

アイデア名は「きいてよペッパー〜オネエ編〜」です。

心の奥底のドロドロしたものをpepper聞いてもらう為のアプリです。

今回、どうしてpepperをおねえキャラにしようとしたか。

新宿二丁目に行ってみたら、ニューハーフの人たちは、性別を超越した存在だからこその、話しやすさや親しみやすさ、相談しやすさがあったのでオネエキャラにしてみようと思った。

pepperは人間のドロドロとしたものに、オネエキャラで相槌を打ち続けます。

気がすんだら「ありがとう、ペッパー」と言うと、pepperから前向きになれる締めのセリフを言ってくれて、アプリ終了です。

締めのセリフは、愚痴を言いつづけた女性に対し、「むすっとしてるとブスになるわよ、笑いなさい。何かあったら私にいつでも相談するのよ」と言ったものです。

センサー経由で性別認識をして、男女によって締めのセリフを変えようと思っているそうです。

pepperのおかげでストレス解消でき、長生きできる(かもしれない)アプリでした。

会場からは、pepperにはもともと男女の性別を決められていないロボットですよね、どうしてオネエキャラにしたのですか?という質問が。

これは、オネエキャラだったら毒舌を言われても許されるかなと思っているのと、pepperにキャラ付けするのにオネエキャラだったら、語尾を変えるだけでキャラをつけやすいからです。

さらに今後の追加機能として、持ってる人々によって、それぞれの持ち主にとってのPepperがあるので、オネエ以外のいろんなキャラが選べるようにしたいというのもありました。

アイデアの発表は以上です。


投票タイムです。1人2票を持ち、投票していきます。

今日は、3チーム目のチーム家庭円満による「ぺぱとも」が一番票を集めました。

今日の賞品はNAOグッズ一式です。おめでとうございます!参加者の皆さん、お疲れ様でした。

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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