次世代セーリング型無人水上艇の国内販売開始!豪Ocius社「Bluebottle」の特長と用途は サイスガジェット

サイスガジェット株式会社はOciusTechnology Ltd(Ocius社/本社 オーストラリア シドニー)と代理店契約を締結したことに伴い、同社のセーリング型USV(Unmanned Surface Vehicle/無人水上艇)“Bluebottle”の販売ならびに同USVを用いた海洋データ計測サービスの国内提供開始を、東京ビッグサイトで開催されている『WIND EXPO[春]2024 ~第13回[国際]風力発電展[春]~』(2024年2月28日~3月1日)において発表した。

同社ではこのほかにも、マルチビーム測深機や地層探査ソーナーだけでなく、曳航式海底面探査ソーナー、水中探索無人ロボット(ROV)を同時搭載した多目的中型USV “SeaCAT”、箱形商用バンに搭載して観測基地港へ緊急展開可能なマルチビーム測深機搭載小型USV “CAT-Surveyor”も取り扱っている。

これら海洋観測に対応した実用的USVの販売だけでなく、今後は観測サービスの受託業務を開始する予定だ。



Bluebottleについて

Ocius社の“Bluebottle”は苛酷な気象環境下で数ヶ月以上の海洋観測ミッションが遂行できる世界で最もタフな自律無人水上艇として知られており、オーストラリア海軍がASW(対潜水艦戦闘/対潜戦)用途で5隻を所有するなど、堪航性が要求される分野で採用されている。


風力/波力/太陽光のハイブリッド動力で永続的な海洋調査が可能

“Bluebottle”は遠隔操作で収納/展開が可能な、大型ソーラーパネル搭載のハードセイルが特長だ。従来のセーリング型USVはハードセイルが収納できなかったため、設計以上の暴風下では艇の安全を確保しながらの海洋観測が困難であり、同時に、強い向かい風の中では前進効率が著しく損なわれ、予定期間内でのミッション完了が難しかったが、同無人水上艇は極端な暴風下ではセイルを収納した状態で太陽光発電を行い電気推進で前進することが可能。また、長期間にわたり日照が不足する場合でも、艇が波で上下運動する力を前進推力に変換する”フリッパーフィン“の効果で航行を継続することもできる。

航行モードに合わせて起倒可能なハードセイル

波の力を推進力に変えるフリッパーフィン



無人システム軍事演習「Autonomous Warrior 23」で優秀な成果

2023年11月にシドニー近郊のジャービス湾でAUKUSにより対潜戦ASWサポートを主要ミッションとして行われた無人システム軍事演習「Autonomous Warrior 23」において、複数のUSVで参加したBluebottle艦隊は風速13m~15m/秒、時には25m/秒を超える暴風状態の中、予め設定されたコース通りに曳航ソナーアレイによる海中探索を完了するなど、演習に参加した無人艦艇の中でも優秀な成績を納めた。これはBluebottleが優れた堪航性を有していることの証明にもなり、AUKUS(オーストラリア、イギリス、アメリカの三国間軍事同盟)の海事担当者だけでなく、世界の海洋無人システム関係者の注目を集めた。

防風下でも設定コース通りに海中探索を完了



強力なペイロード電力供給であらゆる観測ニーズに対応

3タイプあるBluebottle USVのうち、最新設計のBathy Class USVはセーリング型USVとしては希有な5kWディーゼル発電機を搭載している。このため、最大4kW/平均850W(30日連続)の電力をペイロード観測装置に供給可能。この豊富な電力のおかげで、沿岸水深測量に必須のマルチビーム測深機の搭載だけでなく、洋上風力発電サイトの事前調査に必要な地層探査ソーナーも搭載できる。また科学魚群探知機、気象観測センサーなども搭載可能で、これらを含めて海上での1ヶ月から数ヶ月以上にわたる長期観測を可能にする。


▼イベント概要

名称 WIND EXPO[春]2024 ~ 第13回[国際]風力発電展[春] ~
開催日時 2024年2月28日(水)~3月1日(金)
10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会場 東京国際展示場(東京ビッグサイト)西展示棟/第4ホール
同社ブース W19-74
入場料 無料 ※事前登録制(特設サイトの事前来場登録フォームより)
交通アクセス りんかい線「国際展示場駅」より徒歩約7分/ゆりかもめ「東京ビッグサイト駅」より徒歩約3分




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ロボスタ編集部

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