半導体メーカーのSTが「オートモーティブワールド」に出展 SiCパワーMOSFET、EVやHEV関連、ADAS、車載システム向け最新製品を展示

自動車分野では、電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HEV)の普及や、自動運転車およびコネクテッド・カーなどの開発の進展に伴い、1台当たりの半導体の搭載数が継続的に増加している。電子機器にも提供している世界的な半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(以下ST)は、今週開催される商談や技術相談のための展示会「第12回オートモーティブワールド」において、自動車の電動化と電子化を支える車載システム向けの最新半導体ソリューションを出展する。

前回のオートモーティブワールドの様子



SiC(炭化ケイ素)関連製品をデモ

EV / HEVに搭載される車載システムは、これまで以上の電力効率化や小型化が求められており、同社は、最新の小型パッケージに実装されたSiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETを使って、次世代EV向けのトラクション・インバータのデモを行う予定だ。この小型パッケージの採用により、システム開発時の設計柔軟性が大幅に向上し、インバータの小型化ならびに軽量化が可能になる。また、SiCパワーMOSFETの並列使用が可能になるため、さまざまな電流要件に対応することができる。同社のブースでは、その他にもSiパワーMOSFETやIGBTなど、車載向けの各種パワー製品を紹介する。

【動画】Power MOSFET LV Motor Control(英語)




「第12回オートモーティブワールド」同社の展示について

自動車分野では、急速な電動化や電子化が進行しており、車載用半導体の重要性はこれまで以上に高まっており、同社ブースでは、SiC(炭化ケイ素)製品など、電気自動車やハイブリッド車の電力効率を向上させるパワー・ソリューション、自動運転やコネクテッド・カーの実現に貢献する、ADASソリューション、テレマティクス / アプリケーション・プロセッサ、車載用マイコン、各種センサ、セキュリティ・チップなど、新たなドライビング体験を生み出す最新ソリューションを紹介する。


ADAS(高度運転支援システム)ソリューション

自動運転やADAS技術など、安全かつ快適な自動車の実現には、先進的なセンシング技術が欠かせない。
同社ブースでは、ドライバ・モニタリングに向けたグローバル・シャッター機能付き車載用イメージ・センサのデモを展示。このイメージ・センサは、赤外線照明を使用してドライバを明瞭に映し出し、運転への集中度のモニタなどに利用できる。同デモでは、検出したデータをベースに、運転手のまばたきや口の動きといった顔の状態をロボットが模倣する。また、快適な車室内を実現するロードノイズ・キャンセル機能向けに、オーディオ加速度センサで検出した振動を音声データに変換するデモも実施する。


テレマティクス / インフォテインメント・ソリューション

ドライビングの安全性や渋滞の緩和などを目的に、自動車がネットワークにつながるコネクテッド・カーの実現が期待されている。同社ブースでは、V2X(車車間・路車間通信)用の回路を集積したテレマティクス・プロセッサを使用して、交通信号とミニカーの路車間通信のデモを行う。このプロセッサには、ハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)が内蔵されており、自動車の通信のセキュリティを確保。また、STは、高性能インフォテインメント・プロセッサをベースに、バイク用のデジタル・メータとのスマートフォン連携やBluetooth(R)オーディオ接続のデモも実施予定だ。


車載用32bitマイコン

自動車内部では、これまで単機能で構成されていた電子制御ユニット(ECU)から、複数の機能を集積するドメイン・コントローラへとアーキテクチャが変わりつつあり、車両内の高速なデータ通信や、遠隔操作によるソフトウェア更新に対応する高度な車載用マイクロコントローラ(マイコン)が求められている。STブースで紹介する最新の車載用32bitマイコンは、独自の28nm FD-SOIプロセスを採用して製造され、複数のArm(R) Cortex(R)-R52コアを搭載。大容量かつ高速リードライト制御が可能な相変化メモリを内蔵しているため、OTA(Over-The-Air)ソフトウェア更新や、高速車内データ通信に最適だ。また、ドメイン・コントローラで求められるマルチタスク処理用のソフトウェア分離、メモリ保護向けのハイパーバイザやISO26262 ASIL-Dに対応するほか、EVITA Fullセキュリティ・レベルに準拠するHSMを搭載している。

▼ 展示会概要

展示会 オートモーティブワールド2020
日時 2020年1月15日(水)~1月17日(金) 10:00~18:00(最終日のみ17時まで)
会場 東京ビッグサイト(青海展示棟)
入場資格 ビジネス関係者
入場方法 公式ウェブサイトからの事前登録による招待券制 ※招待券をお持ちでない場合、入場料 ¥5,000/人
STブース No.A22-42
主な出展製品 SiCソリューション、ADASソリューション、テレマティクス / インフォテインメント・ソリューション、センシング・ソリューション、セキュリティ・ソリューション、モータ・コントロール・ソリューション、カーボディ・ソリューション など
同社オートモーティブ技術詳細ページ
https://www.st.com/ja/applications/automotive.html

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ロボスタ編集部

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