アンドロイドに「自己」が形成されるか?機械人間オルタ2体が動きを模倣して実験「機械人間になっても私はわたし?」日本科学未来館

日本科学未来館(以下、未来館)は2021年3月11日(木)〜3月13日(土)、東京大学大学院総合文化研究科 池上高志研究室とともにオープンラボ「機械人間になっても私はわたし?」を開催することを発表した。オープンラボではアンドロイド(人間に似たロボット)のオルタ2体が向き合い、お互いの動きを模倣することで「自己」が形成されるかを調べるユニークな実験を展示フロアで来館者に公開する。(上の画像は実験イメージ(池上高志研究室提供))

オープンラボとは
研究者と市民が最先端の科学技術をつくっていく、ひらかれた実験場。未来館を舞台に市民から広くデータを募ることに加え、市民と研究者の対話を促すことで、多様な視点がとりこまれた研究をともに進めている。イベントを実施する研究プロジェクトは、研究エリアの入居プロジェクトのほか、公募を行い採択している。


実験を通して自己形成の仕組みを解明

大阪大学と東京大学の研究者らが開発したオルタは、あらかじめ決められたように動くのではなく、1000個の神経細胞からなるネットワークをまねたプログラムでリアルタイムに全身の動きをつくりだしている。そして42個の関節に圧縮した空気を送り込んで、生命らしい複雑な動きを表現する。未来館の常設展示「アンドロイド― 人間って、 なんだ?」ではオルタが1体が展示されているが、今回の実証実験ではもう1体が持ち込まれる。

参考写真:機械人間オルタ (2016年8月に日本科学未来館で撮影)

子どもが大人のまねをするように、一人ひとり違う「自己」が形成されるとき、他人の表情や動きをまねる経験が重要だと考えらえている。しかし、その仕組みは十分に解明されていない。今回の実験ではオルタに相手の動きを模倣するプログラムを組み込むが、自分の動きを「記憶」し、その記憶をもとに少し違う動きをつくるようにしている。そのとき、「単純な模倣を超えて、自己の形成につながる独自の共通言語のようなパターンが出現するのか」について研究者は注目する。この実験以外にも、来館者らがVRゴーグルを装着し、離れた場所にいるオルタに乗り移ったかのように動かす参加型の実験も行う。


オープンラボ「機械人間になっても私はわたし?」概要
開催期間 2021年3月11日(木)~3月13日(土) 10:00~17:00
開催場所 科学未来館 3階 常設展示 「アンドロイド ― 人間って、なんだ?」
実験責任者 池上 高志氏 (東京大学大学院 総合文化研究科 教授)
実施研究者 森 敦士氏、丸山 典宏氏(東京大学大学院 総合文化研究科 特任研究員)、
johnsmith氏 (東京大学大学院 総合文化研究科 博士後期課程)
イベント設計 三澤 和樹氏、三井 広大氏 (日本科学未来館 科学コミュニケーター)
主催 日本科学未来館、東京大学大学院 総合文化研究科 池上高志研究室
協力 株式会社ミクシィ、株式会社オルタナティヴ・マシン
イベント詳細 https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202103111783.html

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム