走行中の全レースカーのテレメトリー情報が見えるスマホアプリ「インディ500」に導入!NTTが開発 カメラ映像や交信もスマホで (レース結果ネタバレなし)

ついにここまで来たか!!

米インディアナポリスで開催されたインディ500マイルレース。今年も最後は大きな感動で幕を下ろしたが(再放送などを楽しむ読者のために結果には触れません)、今回はNTTグループが開発/提供したアプリ「INDYCAR」にも驚かされた。
米国インディアナポリスで開催されたインディー500マイルレース。今年も最後は大きな感動で幕を下ろしたが、今回はNTTグループが開発/提供したアプリ「インディーカー」にも驚かされた。
ロボスタ編集部が、最も注目した機能は、レース中に順位や各ドライバーの位置がビジュアルでリアルタイム表示されるだけでなく、各ドライバーのアクセル、ブレーキ、ギア(シフトポジション)、速度などの情報までも、ユーザーが選択して”リアルタイム”でアプリ画面で提供されていたこと。この情報から各チームの戦略がわかるのだ。
下記は「INDYCAR」アプリのリアルタイム画面、エリオ・カストロネベス選手の例(レース中)。時速218マイル、5足ギアで走行中。

「INDYCAR」アプリのリアルタイム画面(レース中)。上部にオーバルコースと各レースカーが走行しているアイコン、下部には指定したドライバー(マシン)の走行中のテレメトリー情報をリアルタイム表示

佐藤琢磨選手のテレメトリー画面。各情報はリアルタイムに変わっていく


チーム戦略が見えるテレメトリー情報

インディ500のような長時間のレースでは戦略(ストラテジー)が勝敗を分ける見どころのひとつ。特にオーバルコースの場合、レース風景は変化が少なく、順位の変動もないシーンでは、時に退屈を感じる人も少なくないだろう。そんな変化が少ないシーンでもアプリ画面を観ると、チームとドライバーの戦略が見て取れる。
例えば、コース内をほぼアクセル全開で走ってタイムアタックをかけているドライバーと、アクセルの踏み込みをセーブして燃費戦略中のドライバーでは画面の情報にはっきりとした違いが現れる。

車載カメラのビューも選択できる。ウィル・パワー選手のテレメトリー情報の例

最初のインディアナポリス 500 レースの誕生は1911年。現在は「NTT インディカー」シリーズとして開催されていて、その象徴がインディ500」だ。推定500~700馬力を12,000 RPMで絞り出す2.2リッターのV6ツインターボエンジンを搭載したマシンのテレメトリー情報の一部が手の中にある。

ピットストップのタイミングになると、コース上は混沌とするが、コース上の各マシンやピットストップ中のマシンもひと目で知ることができる


NTTグループが開発

日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社NTTデータ、およびNTT Ltd.(以下、NTTグループ)は、インディカー・シリーズの冠スポンサーとしてインディカーとの複数年のパートナーシップの延長に合意した。これに伴って、NTTグループは、現地時間2021年5月30日(日)に行われた第105回インディ500において、レース会場の内外での観戦体験を向上させるスマート化技術を提供することを2021年5月20日に発表していた。

そのひとつが世界中で観戦する多くのファンがレースをより楽しむためのアプリ「INDYCARモバイルアプリ」の提供だ。
NTTグループはINDYCARモバイルアプリを提供し、ファンはこのアプリを通じてお気に入りのドライバーやチームが時速320km以上のスピードでコースを駆け抜ける様子を、バーチャルで一緒に楽しむことができる。

レースカーのIoTテレメトリーが、自身のスマホ画面で体感できる

レースの順位とコース上の各ドライバーの位置がわかる(画面上方)。■で表示されているのは周回遅れのマシン。また、ドライバーリスト欄をクリックするとクリックしたドライバーのテレメトリー情報を見ることができる

また、車載用ライブカメラと新しいビデオフィードによって、ファンはドライバーやカメラ視点で最大5人のマシンのライブ映像を見ることができる。また、ピットとドライバーの交信する音声も聞くことができる。

ライブ映像を選択

このアプリは無料で、iOS App StoreまたはGoogle Playからダウンロードすることできる。


テレメトリー情報の一部をアプリを通じてファンに公開

INDYCARの社長のJay Frye氏は「実際、各レースカーには100を超えるセンサーが搭載され、3時間のレース中に1時間あたり約10億のデータポイントが生成されています。レースのパドック エリアにいる100人以上のエンジニアやスタッフが、レース中にマシンから送られるテレメトリーデータの分析に専念しているのです」と語る。

Frye氏はNTTインディカーシリーズで最も重要なのは、多くのファンが楽しむこと、と指摘。「世界中に約7,000 万人の INDYCARファンがいて、テレビ放送、ラジオ、衛星放送を通じてつながっています。たとえば、毎年5月下旬に開催されるインディアナポリス 500 レースは、300,000人以上がレース場で観戦し、世界中の3億4400万世帯が視聴できます」と続けている。

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ロボスタ編集部

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