「ラジオが広告効果が検証可能なメディアになった」エフエム東京が音声広告の効果検証プラットフォームを開発 測定のしくみ公開

これまで、多くの広告主および広告会社にとって、ラジオは広告出稿効果が可視化しにくいメディアと認識されてきた。

この課題を解決するため、株式会社エフエム東京(TOKYO FM)はデータによる音声広告の効果検証基盤を構築。2021年7月14日、radikoによるラジオ聴取データと商品購買データを突合し、提供番組の聴取者は、提供社の商品購買率が非聴取者と比べて向上していることを実証したことを発表した。

同実証は、データによる音声広告の効果検証基盤を構築し、広告出稿による購買等の行動変容および意識変容の効果をデータによって可視化が可能になったことを利用した実施例であり、今後も同社は、インターネット広告と同等の効果検証レポートで音声広告の出稿効果を可視化・実証することで、音声ビジネスを拡大していくと述べている。



音声広告の出稿効果の可視化

ラジオのインターネット同時送信サービス「radiko」におけるTOKYO FMをキーステーションとするJFN全国38局の聴取データと、購買・来店・サイト来訪といった外部データを突合することによって、番組ならびにCMを聴取したリスナーが、購買・来店・サイト来訪・入会などの行動を行ったかを追跡することを可能にし、音声広告の出稿効果の可視化ができるようになった。この基盤は、聴取実データと、購買・来店・サイト来訪・入会などの行動実データを突合したもので、聴取の有無および行動の有無の判定が確実であり、検証結果の信頼性が極めて高いものになっている。また、TOKYO FM/JFN38局のradiko聴取データ全てに対して追跡できるため、サンプル数が多いことも検証結果の信頼性を高める要因だ。

この音声広告の効果検証基盤は、パネル調査会社のモニターデータと突合することにより、聴取有無のスクリーニングが事前にかつ確実にできた上で、ブランド好感度やメッセージ伝達度を調査することができ、意識変容の調査の精度を高めることが可能。
TOKYO FMのデータによる音声広告の効果検証基盤によって、ラジオは広告出稿による行動変容および意識変容の効果が数値的に可視化できるメディアとなり、広告主および広告代理店が求める広告出稿効果をインターネット広告と同等のレベルでレポートできるようになった。





具体的な実証データ

飲料メーカーや食品メーカーなどで実証を行った結果、リスナーの購買率は110%以上向上。競合商品からのブランドスイッチの実現や、フリークエンシー効果についても実証済だ。


ワイド番組内のコーナー提供による購買率向上実証データ:某飲料メーカー

TOKYO FMのワイド番組「Skyrocket Company」(毎週月曜日~木曜日17:00~19:48)内で、某飲料メーカーの提供コーナーならびにCMを放送している。このコーナー提供およびCMの購買率アップ効果検証として、提供開始前radiko聴取データと、提供開始後radiko聴取データ(提供コーナーおよびCMの放送時間に限る)と、株式会社ロイヤリティ マーケティングが運営する「Ponta」の会員による提供社飲料購買データを突合した結果、提供開始前と比べて提供開始後のリスナーは、提供社飲料購買率が105.3%に上昇。

また、提供開始後のライトリスナーの購買率アップが104.8%であったのに対し、ヘビーリスナーの購買率アップは114.8%に上昇していた。さらに、提供社の競合他社の同類飲料の購買率は、提供開始前と比べて提供開始後は83.5%に下降していた。これらの結果は、コーナー提供およびCMによって提供社商品の購買が促進されたことを示しており、フリークエンシー効果および競合他社からのブランドスイッチ効果もデータによって実証されたこととなる。





番組提供による購買率向上実証データ:某食品メーカー

TOKYO FMをキーステーションとする某全国フルネット番組は、毎回ゲストを招いてパーソナリティとのトークを繰り広げるトーク番組だ。この番組では、提供社であった某食品メーカーのCMを送出しただけでなく、ゲストが提供社の商品を選んで喫飲または喫食するコーナーが構成されていた。
同番組提供の購買率アップの検証として、提供期間内7か月間のradiko聴取データと、調査会社が保有する提供社商品、買データを突合した結果、番組を聴取したリスナーの番組聴取後28日以内における3商品いずれかの購入率が、調査会社会員の平均購入率と比べ、117.1%に上昇した。また、聴取回数別に分析したところ、番組聴取日数が多いリスナーほど購買率が上昇。この結果は、番組提供、番組内コーナー展開、およびCMによって、提供社商品の購買が促進されたことを示しており、フリークエンシー効果もデータによって実証されたことになる。


極めて特徴的なのは、番組聴取日数(放送日単位)が1日のみのリスナーの購買率が120.6%と突出していた点だ。これは、好感を抱いているゲストの放送回を目的聴取したリスナーが、そのゲストが選択し喫飲または喫食した商品を積極的に購入したことによるものと分析できる。




TOKYO FMの音声広告効果検証基盤

TOKYO FMは、ラジオ放送を含むオーディオコンテンツビジネスのデジタルトランスフォーメーションを推進する一環として、TOKYO FM/JFN38局のradikoによるラジオ聴取データのみならず、TOKYO FMのWebサイトアクセスデータ、デジタルオーディオコンテンツプラットフォーム「AuDee」のアクセスおよび聴取データなど、TOKYO FMが保有するほぼ全てのリスナーのデジタルデータをCDP(カスタマーデータプラットフォーム)に格納。横断的分析と外部データとの突合を行うことによって、リスナーおよびユーザーの拡大戦略と、番組提供およびCMの獲得といった放送営業およびデジタルオーディオコンテンツビジネスの拡大戦略を立案等、さまざまな施策を行っている。

【CDP活用の一例】
TOKYO FMはラジオ放送を含む音声広告の効果検証基盤を構築。TOKYO FMの音声広告効果検証基盤は、スポンサードのラジオ番組、デジタルオーディオコンテンツ、およびCMを聴取したリスナーを特定することができ、そのリスナーの聴取データを外部データと突合することで、行動追跡によって行動変容をデータによって実証し、または聴取者と非聴取者に対してモニターアンケートを取ることによって態度変容をデータによって実証する。従来のパネル調査の手法と比べ、聴取の有無と、購買・来店・サイト来訪といった行動の有無の判定について、モニターの回答ベースではなく実データを用いるため、信頼性が高まっている。同社は、音声広告の効果検証基盤を活用し、広告主の求める広告効果レポートとマーケティング分析といった期待に応え、また音声広告の価値実証を示すことで、ラジオ放送を含むオーディオコンテンツ事業の拡大を目指して行くとのことだ。
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