【第一回サービスロボット開発技術展レポート(3)】海馬、香川高専、AIDOR共同体・大阪市、SBR

インテックス大阪で開催された「第一回サービスロボット開発技術展」。前回前々回に引き続き、レポートしていきます。


有限会社海馬

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テレプレゼンスロボット「CAIBA(カイバ)」。宇宙服をまとったような、可愛らしい見た目。

海馬のブースでは、テレプレゼンスロボット「CAIBA」の展示を行っていました。「CAIBA」は、ヘッドマウントディスプレイを装着し、遠隔操作するロボットです。遠隔操作者の人の手の動きを検知し、ロボット側で人間と同じ動きをさせることができます。人の動きを追従する速度(レイテンシ)が約50ms(200分の1秒)ということで、ほとんど時差もなく動きを追従するため、リアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。目に付いているカメラで「CAIBA」の周囲の様子を把握し、マイクから音を拾い、スピーカーから言葉を出力することができるほか、前後左右への移動などもコントローラーで簡単に行わせることができます。

あらゆるコミュニケーションロボットが発表されている中で「まだ人と同程度のコミュニケーションを取ることができるロボットはない」と考え、遠隔操作でのコミュニケーションというアプローチで開発されました。


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現在は世界中の空港への導入が進められています。日本の大手航空会社では、世界中の空港に相談窓口のようなカウンターを置いていますが、当然のことながら現地のスタッフが全ての言語を操れるわけではありません。そこで、日本国内の多言語に対応したサポートセンターと現地にいる「CAIBA」をつなぐことで、あたかもサポートスタッフがその場で対応しているかのように接客することができます。


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Wi-Fiで接続されているため、世界中で時差なくコミュニケーションを取ることができる。重さは約2kgと、持ち運ぶことも容易だ。

海馬は、これまでどこからも資金調達をすることなくロボットを作り続けてきたそう。「最初は趣味の延長で作っていたら、それがここまでのプロダクトに成長した」と同社ディレクターの金田隆昭氏は語ります。遠隔操作型ロボット「CAIBA」は、これから受託生産も行っていくとのことなので、気になった方はHPからお問い合わせしてみてください。



香川高専

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香川高等専門学校のブースでは、マルチコプターを活用した様々な取り組みが紹介されていました。一つ目に紹介されていたのはマルチコプターを活用した送電線の点検ロボット。送電線の点検は、現在は、30Kg〜80Kgもある大きくて重い点検ロボットを分解し作業者が背負って鉄塔に登りセットをし点検を行っていますが、こちらの技術を活用することで高速・簡単に送電線にセット・点検を行うことができます。電力自由化により、より効率的な送電線点検が求められるようになる、という時代背景とマッチした技術です。

送電線点検デモの様子

また、マルチコプターを使用した水難救助の技術も紹介されていました。現在は「救命浮き輪」による救助が一般的ですが、風の影響を受けることで目標位置からずれて投下されてしまうという問題点を持っています。今回紹介されたマルチコプターを使用した水難救助システムは、ペットボトルを救助者の真上に発射することで目標に向かって正確に投下することができます。

水難救助デモの様子


AIDOR共同体・大阪市

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先駆的独創的な研究を行いながら、テクノロジーベンチャーの育成にも注力している「株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)」と大阪市都市型産業振興センターによって運営されているのが「AIDOR(アイドル)共同体」です。AIDOR共同体では現在、中小企業やスタートアップ企業のIoTビジネスをスタートさせるための支援を行なっており、5月26日から募集が開始された「IoTビジネスブーストアッププログラム」では、ロボットやIoT分野で活躍するフロントランナーをメンターにつけ、最先端の「IoT」を学ぶことができます。


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展示ブースでは、幾つかのIoT事例が紹介されており、ATRで開発された「robovie mR2」や、


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その他にも、株式会社ロボリューションで開発中の自律走行型モビリティの展示などが行われていました。



ソフトバンクロボティクス株式会社

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Pepperの展示を行っていたのは、ソフトバンクロボティクスの展示ブース。法人向けPepper「Pepper for Biz」の紹介や、ロボアプリデベロッパー各社によるアプリ紹介が行われていました。

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なんばグランド花月に導入予定のPepperアプリも紹介されていました。こちらは標準語を関西弁に変えてくれるというものです。

来場者の方々がついつい笑顔になってしまう様子が印象的でした。関西弁のPepperも可愛いですね。


過去3回にわたり、注目の展示をピックアップしてご紹介してきた「第一回サービスロボット開発技術展」。初回の展示会ということで、まだまだ国際ロボット展のような規模感ではありませんでしたが、今回の開催を契機により多くの方が「サービスロボット開発技術展」を知り、今後の取り組みに賛同する企業が増えれば良いなと思っています。次回以降の開催にも期待しています。

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望月 亮輔
望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。ロボスタ編集長・ロボットスタート株式会社取締役。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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