音が自分の周囲を回るヤマハの「聴くVR」立体音響技術「ViReal」とは?「バイオハザード」「モンハン」の最新タイトルで先行採用!

足音は足下から、傘に当たる雨粒の音は頭上からと、私たちが普段、何気なく聴いている音はさまざまな方向から聴こえてくる。
こうした前後・上下・左右、あらゆる方向から聴こえてくる音をヘッドフォン(イヤホン)・スピーカーでも再現することができる技術が『ViReal(バイリアル)』だ。

ヤマハ株式会社は、VRコンテンツなどとの相性に優れたこの立体音響技術『ViReal』を、これまで一部のコンテンツに限定して試験的に技術提供していたが、今後はさらに体制を強化し、『ViReal』を構成する技術の一部である3Dヘッドフォン再生技術「ViReal Headphone」の本格提供を 2018年1月より開始する。

これに先立ち、株式会社カプコンが12月14日(木)に発売予定のゲームソフト「バイオ ハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション」、2018 年1月26日(金)に発売予定の「モンスターハンター:ワールド」で、「ViReal Headphone」が先行採用されることになった。


9月24日まで幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ 2017 」、カプコンブースにて「モンスターハンター:ワールド」の体験版とこの技術を披露した。

『ViReal』とは

■ “ViReal™” 3D Audio Recording Scene – VR String Quartet (Teaser)

360°の音を扱う立体音響は、従来とは異なる収録、編集、再生方法が必要となるが、同技術はそれぞれに対応した 4つの独自のテクノロジーで構成されており、立体音響制作で必要な技術をすべて提供する。


録音には方向情報を保ったまま、あらゆる方向の音を一度に 64ch で録音する「ViReal Mic」、編集には立体音響のままのミキシング・加工に対応し、音素材を空間に自由に配置してミキシングできる「ViReal Sound Engine」、再生には任意の数のスピーカーを自由度をもって配置し、極めてリアル な音空間を再現する「ViReal Speakers」と、今回発表された 3D ヘッドホン再生技術「ViReal Headphone」が充実の立体音響効果を実現する、と言う。 (※クリックで拡大)


具体的な活用例

・VR 映像に活用:映像と音、双方から圧倒的な没入感を実現

・ビデオ会議に活用:遠隔地にいる相手が同席しているかのような空気感を再現

・音楽データに活用:ライブ会場の臨場感を再現


「ViReal Headphone」ヘッドフォン再生技術

耳の形状には個人差があるため、人によって音の聞こえ方は様々だが、同社では、人間の耳・頭部の形状を収集、解析、学習することにより、独自のHRTF(頭部伝達関数)を開発。

「ViReal Headphone」は、2000方向以上の分解能で左右の耳に入る音を機械的に制御し、なめらかな音源移動を実現。どんな人でも、どんなヘッドフォンでも、最大限の立体音響効果が得られる、圧倒的な高品質サラウンド音響を提供するとのことだ。



サンプル音声:http://bit.ly/2fBJXHl
通常は足元から聴こえる足音が、回りながら自分の頭に近づいてきて遠ざかる。(再生時はヘッドホン・イヤホン推奨)

全方位に投影される映像により、その場にいるかのような没入感をユーザーに与え、大きな驚きと新鮮な感動を提供する「VR」を用いた映像コンテンツが注目を集めているが、こうした“視る”VR に対して、『ViReal』は、ヤマハが提案する“聴く”VR を実現する技術となる。

同社は、『ViReal』による圧倒的な立体音響効果を通じて、これまでにない新たな感動を提供していくと述べている。

関連サイト
ヤマハ株式会社

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ロボスタ編集部

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