株式会社quantumは、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)とともに、高齢ドライバーの安全運転継続支援の社会実装を目指す取り組みの一環として、車内でドライバーとともに過ごし、安全運転意識を高める猫型ロボット「ドラにゃむ」のプロトタイプ開発と、コンセプト検証を目的とした実証実験を実施した。
「ドラにゃむ」は、通常時はグーグーと寝息を立て、リスクのある運転を感知すると、目を覚まして鳴き声を発する"起こしたくない猫型ロボット"だ。
開発の背景
高齢ドライバーが当事者となる事故が重要な社会課題となる中、TMFがこれまで行った実証実験では、自分自身の運転行動を客観的に知ることにより、運転の癖や習慣が一定程度改善することが確認されている。一方で、運転行動の評価を受けることや自身の映像を記録することへの抵抗感がこうした改善の機会を阻む課題の1つになっており、運転スコアのような直接的な評価ではなく、何らかの「間接的な評価」によってこうした抵抗感を和らげつつ、安全運転意識を高めることはできないかと検討を進めてきた。
そして、「大切な人(子どもや家族など)が同乗していると、丁寧な運転を心がける」、またその裏返しとして「1人で運転する時は荒い運転になりやすい」という身近な経験や、一人暮らしの高齢者が増加している背景を踏まえて検討を行った。
その結果、守りたくなる存在が、リスクのある運転に反応して望ましくないアクションをとることによって、間接的な運転評価をドライバーに提供し、丁寧で安全な運転を促すというアイデアに至り、その1つの形として、通常時はグーグーと寝息を立て、リスクのある運転を感知すると、目を覚まして鳴き声を発する"起こしたくない猫型ロボット"「ドラにゃむ」を制作した。


実証実験の内容と結果
本実証実験では、65歳以上の高齢ドライバー7名と20から30代の運転歴の浅いドライバー5名に「ドラにゃむ」を数日間貸し出し、終了時にアンケートやヒアリングにより「誰かが同乗している感覚になったか?」、「安全運転意識に変化があったか?」、「運転の妨げになることは無いか?」などを調査した。
高齢ドライバーからは、「横に誰かが乗っている、一人ではない感覚があった」、「数日であったが愛着が湧いた」などの声があり、「ドラにゃむ」が守りたい存在として認識される可能性を確認できた。また、「安全に丁寧に運転しなければという意識になった」、「いつもより丁寧に運転をした」など、安全運転を促す狙いの効果も確認できた。加えて、運転歴の浅い参加者の中でも普段1人で運転することが多いドライバーからは、「自然な存在感がちょうど良い」、「運転への集中が高まった」などポジティブな評価を得ている。
「ドラにゃむ」の取り組み
今後は実証実験で得られた結果やコメントをもとに改良を重ね、このアイデアの持つ可能性や価値の社会への提供の仕方について、検討を進めていく方針だ。
quantumは本プロジェクトの全体企画、「ドラにゃむ」のプロダクト制作、実証実験支援を担当している。
交通事故死傷者ゼロに向けて、ドライバーの皆様が優しく癒やされながら、交通安全を守ることに繋がるアイデア創出・社会実装に今後も取り組んでいくとしている。


