AIがトップセールスの会話の傾向を分析 アプローチの方法を自動で提案 オープンハウスがLINE WORKSからAI+CRMシステムの構築へ

不動産の営業担当者は、取り扱う商材の性質上、スピーディかつ的確な情報を提示することはもちろん、顧客の意向を汲み取り、その真意に寄り添う高度なコミュニケーションスキルが求められている。

都心部に特化した不動産業を展開する株式会社オープンハウスは、「営業力を強みに、より多くのお客様に・よりご満足頂ける提案を行うため、ITを活用したデジタルコミュニケーションを強化することが営業力を更に高めるための差別化施策となる」(同社)と考えており、施策の一環として「LINEと繋がる唯一のビジネスチャット」であるLINE WORKSを早期導入している。
LINE WORKSで顧客とのトーク内容のデータを蓄積していく中、AI技術の進化により高度な自然言語処理が実現できるフェーズとなったと判断した。ワークスモバイルジャパン株式会社とストックマーク株式会社、株式会社サンブリッジの3社と連携して、最先端のAI(自然言語処理)技術を用いて、営業と顧客とのLINEトーク内容を分析、AIを活用した新たな営業提案手法の開発と、そのためのCRMシステムの構築を目的としたPoC(実証実験)を開始することを発表した。
PoCで顧客情報を蓄積するプラットフォームにはセールスフォース・ドットコムの「Salesforce Sales Cloud」を使用する。


これにより、同社は、営業担当者が全ての顧客情報を記憶せずとも、AIが「いつ」「誰に」「何を」アプローチすれば良いかを自動で提案することで、機会損失を防止するだけでなく顧客に相対する時間そのものに注力出来るようになり、サービスレベルの向上・標準化も見込めるとしている。



LINEのトーク内容をCRMに集約

同社が2017年2月より営業活動に導入している「LINE WORKS」には、既に相当数のトークデータが蓄積されている。
今回、LINEのトーク内容に加え、多様な顧客情報と成約情報等を社内CRMに集約。その蓄積されたデータをストックマークが提供する「Asales」で分析し、AIが過去のナレッジから最適なアプローチやトーク内容を営業担当者にレコメンドする。具体的には、AIが「友達リストから対象のお客様を探す」「メッセージを考える・打つ」「お客様データを確認する」と言った一連の提案を全て自動実行する事を目指すとしている。

「Asales」とは
AIには不可能と呼ばれた文章読解において、初めて人間の精度を超えた新技術の自然言語処理モデル「BERT」を搭載した営業支援サービス。スマートなセールストークを起点にファインチューニング(Fiine Tuning)することで、顧客満足度向上の実現を目指す。




トップセールスの会話の傾向を分析

今回は、主に「トップセールスの会話の傾向性分析」と「AIによる最適なアプローチタイミング、会話内容のレコメンド」に関して実験する。


トップセールスの会話の傾向性分析

オープンハウスで既に蓄積している、約22万件のLINEトーク内容をAIで学習、販売成績と紐づけた学習を行うことで、成約につながりやすいトークアプローチが何かを相関的に分類。レコメンドアルゴリズムのベースを構築しながら、販売成績上位営業担当者のアプローチに共通するコミュニケーション要素を可視化する。


AIによる最適なアプローチタイミング、会話内容のレコメンド

LINEのトーク内容やお客様情報、過去の成約情報、自社HPの行動履歴などのデータをCRMに集約、蓄積。AIがトーク内容だけでなくその他属性情報との相関関係を分析し、より成約に繋がりやすいトークアプローチ、タイミングのレコメンドを営業担当者に提示する。





各社の役割

今回のPoCで顧客情報を蓄積するプラットフォームとしてはセールスフォース・ドットコムが提供する「Salesforce Sales Cloud」を採用しており、LINE WORKSとのトーク内容含む成約までの多様な顧客情報を、個人が特定できない形での情報のみを集約し、総合的な分析を行う。また、各データを接続するためのAPI開発・検証環境の構築はSalesforceプラチナコンサルティングパートナーであり実績も豊富なサンブリッジが行う。

ワークスモバイルジャパン株式会社 代表取締役社長 石黒豊 氏

法人利用を前提にしている「LINE WORKS」はトークログの収集も可能です。営業担当者のLINE WORKSと顧客のLINEのトークログの中には、対面の会話に近い形で、「非常にカジュアルな内容・感情・ニュアンスなど」を含むマーケティング的に魅力の高いビッグデータが含まれることが、利用いただいているお客様からのフィードバックからわかってきました。このローデータをAI分析・CRM属性として取り込む事で、会話の成功パターンや営業スキル、ノウハウの汎用化へと繋がっていくことを期待しています。

ストックマーク株式会社 代表取締役CEO 林達 氏

お客様を多く抱える企業であればあるほど、一人ひとりの声が届き難かったり属人的な対応になりがちです。ストックマークは、「お客様の声」と「セールスのトークアプローチ」という大切な情報を、お客様の満足に確実に結びつけるため、言葉のAI(=文章を解析する自然言語処理技術)を用いることで一人ひとりに最適なタイミングで最適なトークアプローチをレコメンドしてまいります。 文章を解析する分野においてもAIが人間を超えたと言われる最先端の技術をもって、人とAIが協業し、お客様一人ひとりに寄り添い、ご満足頂けるサービスの提供に繋げられるよう取り組んでまいります。

株式会社サンブリッジ 代表取締役社長兼CEO 小野裕之 氏

サンブリッジではSalesforceを軸に、優れたクラウドアプリケーションを組み合わせたマルチクラウドによる営業活動の生産性向上のご支援を行っております。弊社は今回の実証実験ではLINE WORKSとSalesforceの連携モジュール開発を担当します。今回の実証実験が成功すれば、これまでの施策とは一線を画す営業活動の生産性向上ソリューションとなることを確信しております。

株式会社セールスフォース・ドットコム 常務執行役員 宮﨑 盛光 氏

今回の取り組みを通し、様々な企業へ展開されることで、今までのメインツールであった電話やメールと比べ、より身近に顧客と繋がることが出来るようになります。繋がるだけではなく、トークログや顧客の様々なデータをSalesforce Sales Cloud上に集約・活用いただく事で更なるお客様視点・ニーズファーストをサポート出来るよう支援してまいります。

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ロボスタ編集部
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