ヒストリアが自動車業界の「Unreal Engine 4」(UE4)活用例を公開 高精度CGムービー、バーチャル展示場、走行シミュレーション

Unreal Engine専門のソフトウェアデベロッパーの株式会社ヒストリアは、自動車業界における「Unreal Engine 4」の活用例を想定したインタラクティブ技術デモ「Cutting-Edge Test Drive」(カッティング エッジ テスト ドライブ)を公開したことを発表した。


「Unreal Engine 4」(以下、UE4)はグローバルで利用されているオープンなリアルタイム3D制作プラットフォームの第4バージョン。高精度なグラフィックのゲームを開発したり、PCやモバイルを含めたVR/MR/AR向けの映像開発、その他、デザイン、ビジュアライゼーション、映画や動画コンテンツの制作など、幅広い分野で活用されている。
株式会社ヒストリアは、Unreal Engine専門会社のソフトウェアデベロッパーで、CGを活用したゲームやデジタルコンテンツの企画、開発を行っている。

■CETD PV (UE4 Interactive Demo: Cutting-Edge Test Drive)

「Cutting-Edge Test Drive」(以下、CETD)は、バーチャル展示場(カーコンフィギュレーター)、ハイクオリティムービー、走行シミュレーションの3つのパートが体験できる。


バーチャル展示場

カーコンフィギュレーターを想定し、全6色から好きなボディカラーを選択できるほか、360度車体をじっくり眺めることができる。


ハイクオリティムービー

バーチャル展示場でカスタマイズしたデザインのまま、Megascansによる美麗グラフィックスの荒野を走行する


走行シミュレーション

自動運転のバーチャル試験場や、街の走行シミュレーションの用途を想定した機能が利用可能。

YouTubeのヒストリア公式チャンネルにてPVと機能紹介の動画が公開されたほか、ヒストリア・エンタープライズ公式サイトにて2020年6月2日〜2020年6月30日(火)23時59分までの間、Windows 10上で動作する実行ファイル(exe形式)が無料でダウンロードできる。また、CETDのリリースにあたり、技術的なノウハウや、グラフィックを良く見せるために使ったテクニックを解説したブログも6月3日から公開する。


少人数で短期間、低予算で高品質な制作を実現

CETDは自動車業界における様々なインタラクティブコンテンツの利用例を想定し、ハイエンドなグラフィックス制作が可能なゲームエンジンUE4により開発。コンテンツはUE4の技術デモを兼ね、UE4に内包されている各機能(Blueprintによる処理の組み込み、ライティング、マテリアル表現、UMGによるUI、シーケンサーによるカメラ演出、リアルタイムレイトレーシング)、そしてUE4上で無料で使用できる高品質3DアセットのMegascansを使用し、2020年における”いまの時代の作り方”を示すものとなっている。



制作は建築・自動車・放送業界を中心にコンテンツ開発を行う専門チーム、ヒストリア・エンタープライズによるもの。「少人数で短期間、低予算で高品質な制作」を目指し、開発人数4名(3Dアーティスト2名・エンジニア2名)、開発期間2ヶ月、3Dモデル購入費用約5万円(開発に必要な3Dモデルは低額・無料の高品質アセットを利用し、足りないモデルのみ自作)と少人数・短期間・低予算での開発を実現している。

■機能紹介動画



自動車を自分の好きな色にカスタマイズできる「バーチャル展示場パート」

バーチャル展示場パートではカーコンフィギュレーターを想定し、全6色から好きなボディカラーを選択できるほか、アングル変更や回転台を利用して360度車体をじっくり眺めることができる。


全6色から好きなボディカラーを選択できる

ボディカラーのイメージ

360度車体をじっくり眺めることができる


広大な空間を走行する美麗映像の「荒野パート」

バーチャル展示場でカスタマイズしたデザインのまま、Megascansによる美麗グラフィックスの荒野を走行する。


荒野イメージ

カスタマイズしたデザインのまま荒野を走行


天候変化や認識タグの表示を搭載した走行シミュレーション「都市パート」


近年UE4は、自動運転のバーチャル試験場や、街の走行シミュレーションの用途で利用されるようになった。「都市パート」では、これらの用途を想定した機能が利用できる。
例えば、クリックひとつで天候(晴れ、雨の2種)を切り替えることができる。雨天の場合はワイパーが動作し、地面や木、建物をはじめとした各オブジェクトが濡れている状態になる。


雨天のイメージ ワイパーが動作し、地面や木、建物をはじめとした各オブジェクトが濡れている状態に

画像解析の教師データの作成や、AIによる自動走行のテストをUE4上で行うことが多くなってきた。コンテンツではそのイメージとして、画像認識タグの表示切り替えが可能。画像認識による表示はあくまでイメージで、実際に画像認識は行っていない。


■ダウンロードページ
https://historia.co.jp/enterprise/cetd/
※DXRによるレイトレーシングに対応したグラフィックボード以外で実行した場合、意図したグラフィックで表示されない。(DRX対応グラフィックボード例:Geforce GTX 1060 以上、GeForce GTX 1660 以上、GeForce RTX)


テクニックを解説した連載記事を4日間連続で公開

ヒストリア・エンタープライズはUnreal Engine専門ソフトウェア制作会社である株式会社ヒストリアの、エンタープライズ専門の制作チーム。株式会社ヒストリアの主力事業であるゲーム開発事業の開発チームと技術連携をとり、自動車業界、建築業界、放送業界、広告業界、その他製造業など、様々な業界に向けてソフトウェアの販売、受託開発を行っている。

ヒストリア・エンタープライズはCETDのリリースにあたり、技術的なノウハウや、グラフィックを良く見せるために使ったテクニックを解説したブログを2020年6月3日(水)から4日間連続で公開する。

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ロボスタ編集部

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