ソニー センシング技術・AIを活用したスポーツICTソリューション「スマートスイミングレッスンシステム」を開発

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は、2021年2月8日、スポーツクラブ事業を手掛ける株式会社ルネサンスの協力のもと、映像とAIを活用してコーチングをサポートし、練習効果の飛躍的な向上を可能にするスイミングスクール向けのシステム「スマートスイミングレッスンシステム」を開発したことを発表した。

同システムは壁面や水中などプールに複数のカメラを設置して映像を撮影し、ソニーネットワークコミュニケーションズが新たに開発したAIアルゴリズムにより、それらの撮影画像から泳いでいる人を検出。最適なアングルを組み合わせた動画コンテンツに自動編集して、クラウド経由で個人別ページに配信できるシステムだ。
レッスン中、生徒は泳いだ直後にプールサイドのタブレットで自分の泳ぎを動画でチェックすることができ、ビジュアルによる気づきや学びにつながるだけでなく、スマートフォンなどを通じて離れた場所にいる保護者に動画とともに進級テストの結果を届けることが可能となる。


「スマートスイミングレッスンシステム」 イメージ図

今後、ルネサンスが運営するジュニアスイミングスクールに同システムの導入を開始し、全国のスクールで「スマートスイミングレッスン」として順次サービスを展開する予定だ。



「スマートスイミングレッスンシステム」の概要

同システムは毎週のレッスンでの達成度がわかる「動画活用レッスンシステム」と、「進級テスト結果配信システム」で頑張った成果を確認する進級テストの結果を、動画とともに保護者に届け、親子のコミュニケーションにもつながるシステムだ。

(左)個人別ページで予習ができる/(中)プールサイトのタブレットで自分の泳ぎをチェック/(右)進級テスト結果を動画でお知らせ  ※画像はイメージ


毎週のレッスンで「できた!」がわかる

「動画活用レッスンシステム」の特徴

1. レッスン前に個人別ページにお手本動画とレッスンのテーマ(めあて)を配信することにより、手持ちのスマートフォンなどから予習ができる。
2. レッスン中、コーチがお手本動画を用いて説明することで、納得感が増す。
3. プールサイドのタブレットで、コーチが予め設定した秒数分遡った映像を再生できる。生徒は操作することなく、泳いだ直後に、その場ですぐに動画を見ることが可能。
4. 自分の泳ぎをビジュアルで確認することで課題に気づき、自らの力で考え、行動につながる。また、映像で上達を実感できることでモチベーションが向上し、積極的な学びにつながる。ジュニアレッスンから、育成コース、成人等、成長やレベルに応じて幅広く活用可能だ。


進級テストでほめるが増える

「進級テスト結果配信システム」の特徴

1. 頑張った成果を確認する進級テストの結果を、動画とともに保護者に届けることが可能。
2. 進級テストはコーチ用管理アプリケーションを利用して生徒ごとに管理できる。
3. テスト本番の泳ぎを、生徒ごとに複数カメラから1本の動画コンテンツにAIで自動編集。コーチによる簡単な操作で、テスト結果・コメント・動画をクラウド経由で個人別ページに配信できる。
4. 保護者は手持ちのスマートフォンやタブレットなどで閲覧可能。これにより、小さな「できた」を親子で知ることができ、親子のコミュニケーションにもつながります。また、上達の記録が蓄積されることで、レッスンへのモチベーションが向上する。




「スマートスイミングレッスンシステム」 主な特長

同システムの特長は、「スイミング画像認識AIアルゴリズム」と、グループ指導・現場オペレーションに最適なアプリケーション、スイミングスクールの環境と安全性を配慮したシステム設計などにある。


スイミング画像認識AIアルゴリズム

一般的にスイミングスクールでは泳いでる人数の多さに加え、水面の揺れや光の反射・屈折の影響もあるため、画像認識の難易度が高いと言われている。同システムでは同社独自のAIアルゴリズムの開発により、映像から被写体を追従して複数カメラから最適なアングルを組み合わせた動画の自動編集ができ、グループレッスンでの実用化を可能にした。

グループ指導・現場オペレーションに最適なアプリケーション

アプリケーションは現場のコーチと一体となり、トライアルを重ねて開発。グループ指導での運用のしやすさを考慮し、安全配慮が必要なスイミングスクールでもスムーズに操作できるUI/UXを実現している。例えば、レッスン中でも操作しやすい画面デザイン、生徒の操作なく動画再生できるシステムなど、オペレーション負荷を軽減しつつ、より効果的なコーチングを可能にした。

レッスンで使いやすいUI コーチは簡単な操作で進級テスト結果記録や配信が可能※画像はイメージ



スイミングスクールの環境と安全性を配慮したシステム設計

プール内であることに配慮し、防水対応を施してソニー製小型リモートカメラを設置。また、水中カメラも独自に開発し、4Kの高画質録画と約4㎏という軽量化を実現。コーチが手軽に持ち運ぶことができる。従来、特別な施設でないと見ることができなかった水中からの映像だが、同システム導入することで、スイミングスクールで4Kの水中映像の体験を可能にした。

ソニー製4K60p対応小型リモートカメラ「SRG-XP1」

レッスン現場での運用を可能にした4K水中カメラ



生徒ごとの個人別ページ

子どもが楽しみながらみることができるUIデザインを目指した個人別ページは、進級テスト結果・お手本動画・コーチからのメッセージなどをクラウド経由でセキュアに配信でき、スイミングスクールで過ごした思い出や頑張った記録を残すことが可能だ。


スイミングスクールのサービス価値向上

同システムは、映像などデジタル化された情報を活用することで、新たな顧客コミュニケーションが可能になり、スクールの顧客満足度向上につながる他、指導ノウハウ等をデジタルコンテンツ化し、スイミングスクールの指導現場で活用できる形で提供することで、新たなレッスン体験の提供やレッスン品質管理にも活用可能。映像とAIを活用し、従来のレッスンやスクール運営の付加価値向上に貢献する。今後、スイミングスクールのデジタルトランスフォーメーション化を支援するICTソリューションとして、広く展開していく方針だ。




■【動画】スマートスイミングレッスン紹介


同サービスページ(法人向け)
https://ict.sonynetwork.co.jp/sports/swimming/

同サービスページ(法人向け)
https://ict.sonynetwork.co.jp/sports/swimming/member.html

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ロボスタ編集部

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