川崎重工、空のMaaSに着手 スマホで出発地と目的地を指定してヘリコプター利用、ハイヤーとも連携
現在、国内でヘリコプター運航会社が運航しているヘリコプターは約400機(川崎重工調べ)あるが、電車やジェット機と違い、利用者がすぐにどこでも簡単に利用できるものではない。その原因の一つは、ヘリコプターを利用する際に、機体やパイロットの予約、関係当局への申請、ヘリポートからの移動手段の確保など、準備に数週間から1カ月ほど時間がかかることにある。
そこで、川崎重工株式会社は、簡単な手続きで快適な空の移動を提供可能にする「ヘリコプターWeb手配サービス」(仮称)の開発を開始したことを、2020年2月17日に発表した。
同サービスは、同社の社内公募制度「ビジネスアイデアチャレンジ」のスキームの中で、2022年度中のサービス開始を目指しており、同社は、国産ヘリコプターメーカーとして、これまで長年培ってきたヘリコプター運航会社との関係や運航申請などのノウハウをベースに、ワンストップで利用可能なヘリコプターを活用した移動サービスを構築すると述べている。
同サービスの概要
同サービスでは、スマートフォンなどで出発地と目的地を入力するだけで、これまで時間を要していたヘリコプターの手配を、「いつでも」「どこでも」「だれでも」オンラインで簡単にできることを目指しており、オンラインによる短時間での利用可能なヘリコプターの手配に加え、搭乗前後の移動といった周辺サービスを含めた提案・手配を提供することで、時刻表や渋滞にとらわれない新しいモビリティサービスを実現可能にした。また、同社は国立公園オフィシャルパートナーの一員として、長時間の移動が困難な方でも国立公園を利用できるよう、同サービスを活用した移動手段の検討も進めている。
なお、サービス開始時はヘリコプターのみの利用を想定しているが、将来は他のエアモビリティへの展開も視野に入れており、同社は、今後もヘリコプターの製造およびサービスの提供を通じて、利便性の高い快適な空の移動を、安全・安心に利用できる社会の実現を目指している。
オープンイノベーション活動のさらなる加速や、社内に眠っている事業アイデアの発掘・活用を目的として、同社が2020年4月に開始した取り組み。市場環境・顧客ニーズの急速な変化に対応するため、既存の製品・事業にとらわれないアイデアを広く募り、応募者自身や当社の強みを活用するとともに、必要に応じてスタートアップや大手企業など他社との連携も図ることで多様な製品・事業を生み出す。企画と検証を短期間で繰り返す機動的な手法(アジャイル型)により、効率的かつスピーディーに新たな価値を創出。また、人財育成を目的としてビジネスモデルの創出に必要な財務会計や経営戦略などの教育をビジネスアイデア応募者に対しし、企業としての持続的な成長を目指す。
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