株式会社ZOZO NEXTは、ファッションとテクノロジーがさまざまに掛け合わされた未来を描いたコンセプトムービー「THE FUTURE OF FASHION」を特設ページにて公開した。同ムービーは、米国テキサス州オースティンで開催されている世界最大級のテクノロジーと音楽・映画の祭典「SXSW 2022」のCREATIVE INDUSTRIES EXPO内、ZOZO NEXT出展ブースでも上映予定となっている。
同ムービーは、同社が「204X年」に到来すると想像するファッションの未来を描いたショートムービーだ。バーチャルテクノロジーやテキスタイルテクノロジー、計測テクノロジー、サステナビリティの4つのテーマを、3人の登場人物の生活の中で描いている。
現在「先端テクノロジー」と呼ばれている技術が、未来の世界では日常に溶け込み、人々の生活をより自由で豊かなものに進化させる様子を描くことで、ファッションテックがもたらす未来へのワクワク感を感じていただけるだけでなく、ZOZO NEXTの今後の取り組みを期待させる内容となっている。
コンセプトムービー「THE FUTURE OF FASHION」について
204X年の世界を舞台に、4つのテーマ「バーチャルテクノロジー」「テキスタイルテクノロジー」「計測テクノロジー」「サステナビリティ」が、3人の主人公の日常に溶け込む様子をオムニバス形式で描く。
植物学者Dana(ダナ)のストーリー
植物学者のDanaは、植物学者で母親でもあり、両者の役割をテクノロジーを使って両立している。研究のために険しい自然の中で植物採集をおこなう彼女が身にまとうのは、生地の耐久性や撥水性が向上した未来の衣服。険しい山道や道中で衣服に枝が引っかかり傷が付いても、形状の変化を察知し、生地自身が自己修復をおこなう。発見した植物の情報は、AR技術によって彼女の眼前に現れ、その場でリサーチを行うことができる。
また彼女は、娘の誕生日を祝うため、遠隔地からARディスプレイを通じて通話をおこない、ARデザインツールを通じて親子共同でワンピースをデザインし、それを誕生日プレゼントとして贈る。
未来の世界では、現代よりも簡単に素早く服を作ることができ、プレゼントのワンピースは、ドライバー不在の自動運転トラックによってDanaの娘のもとに届く。
ファッションデザイナーKei(ケイ)のストーリー
テクノロジーとファッションが融合された世界で、ファッションによる次世代の表現をリードする若手ファッションデザイナーであるKeiは、サステナブルなプロセスに深い関心を持ちながら、物理的な現実世界とバーチャルな世界を掛け合わせたファッションショーの開催を控えている。
彼はARディスプレイに入ったデザインソフトウェアを使い、ショーに向けたデザイン作業を自宅で容易におこない、さらに完成した服はAR空間の中で視覚化されている。
ショー当日、Keiは自身が着用するテーラードジャケットを自宅で制作。青白いレーザーが彼の身体をスキャンし、彼の体型がデータとして解析されたのち、計測データをもとにジャケットが自動で作られる。
ショー本番では、フィジカルとバーチャルがシームレスに融合。会場のフィジカルな観客と遠隔地からのバーチャルでの観客が、未来のバーチャル技術の目覚ましい進化によって、同時にコミュニケーションをとりながら同じショーを楽しむ。さらに、バーチャル技術によって巨大なモデルがランウェイを歩く演出も。ショーの最後には、数時間前に自宅で作られたジャケットを着用したKeiが挨拶をし、ショーは大成功を収める。
アスリートAva(エイヴァ)のストーリー
アスリートとしてスター選手の地位を確立しているAvaは、パフォーマンスを落とさない機能性に優れた服を重視する一方で、スター選手として観客を魅了するためにARテクノロジーを使ったメイクアップや装飾品をまとう。トレーニング中に着用するウェアは、彼女が最大のパフォーマンスを発揮できるように特殊な仕様になっており、トレーニング中・トレーニング後で生地の特性が変化し、トレーニング後に起こる体温や心拍数の上昇を抑え、調整する役割を果たす。また、生地はデータの記録が可能で、食事の摂取カロリーや栄養バランス、トレーニング内容をデータ解析することにより、アスリートとして最高のコンディションを保つ。
試合当日、Avaは試合用のコスチュームとしてARメイクアップを選ぶ。ARメイクアップはアスリートとしての個性を表現することにひと役買い、さらに、そのメイクはバーチャル空間で表現されるため、試合中の激しい動作でも邪魔にならずに、試合を一層盛り上げる。
■【動画】THE FUTURE OF FASHION – Concept Movie –
「SXSW 2022」CREATIVE INDUSTRIES EXPO内への出展
同社の出展ブースでは、コンセプトムービーの上映の他、西陣織の伝統技法に素材やデバイスなどの先端テクノロジーを掛け合わせ、意匠性と機能を両立したスマートテキスタイルや、国内外初公開となるバーチャルヒューマン生成体験のプロトタイプ作品に加えて、3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT 2」をはじめとした計測テクノロジーなど、全部で4つのカテゴリに分けて展示をおこなう。
Smart Textile : “Ambient Weaving”
300年以上の歴史を持つ西陣織の老舗、株式会社 細尾の伝統工芸技法に、東京大学とZOZO NEXTが開発した先端テクノロジーを掛け合わせ、日本古来の美しさと機能性を両立したスマートテキスタイル作品を展示。暗闇の中で発光する西陣織や、周囲の温度によって色が変化する西陣織、特殊な糸を使用し糸の中を染色液が移動する西陣織など、3つのプロトタイプの作品となっており、全て国外初展示となる。うち1作品に関しては国内で披露したものをさらにアップデートした特別版となっている。
Virtual Experience : “Project Drip”
“Project Drip”は、ユーザー自身にそっくりなバーチャルヒューマン生成が可能となる、デジタルサイネージを使用したインタラクティブなデジタルコンテンツだ。顔写真を撮影後、性別・身長・体重を入力するだけで、即座にユーザーのバーチャルヒューマンを生成し、バーチャルフィッティングを楽しむことができる。バーチャルヒューマンの顔部分には、その場で撮影した顔写真を使用し、Pinscreen社の最先端のアバター作成技術によって、ユーザー本人にそっくりのアバターを生成する。また、デジタル化されたいくつかの衣服の中から好みのものを選択すると、バーチャルヒューマンに衣服が着用され、実際に試着をしているかのようなバーチャルフィッティングを非接触で体験することが可能だ。
Measurement Tech : “A New Standard For Retail”
ZOZOSUIT 2をはじめとする、ZOZOグループがこれまでに開発した計測テクノロジーを展示。足の3D計測用マット「ZOZOMAT」(計測者数200万人超、2022年1月末時点)や、フェイスカラー計測ツール「ZOZOGLASS」(計測者数110万人超、2022年1月末時点)に加え、ブルガリ ジャパン社にて昨年11月に期間限定で配布をおこなった「ZOZOMAT for Hands」も展示している。
▼「SXSW 2022」出展詳細
日時 | 2022年3月13日(日)〜3月16日(水) |
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所在地 | Austin Convention Center(オースティン・コンベンション・センター):500 E Cesar Chavez St, Austin, TX78701 |
出展場所 | CREATIVE INDUSTRIES EXPO(クリエイティブ・インダストリーズ・エキスポ) |
株式会社ZOZO NEXT