ZOZO NEXT、3Dアバターでパーチャル試着するアプリ「オルターム」をソフトバンク等と共同開発

株式会社ZOZO NEXT、ソフトバンク株式会社、MNインターファッション株式会社はオンライン上で服のバーチャル試着体験が可能なアプリ「ALTRM」(オルターム)の実証実験を2022年2月21日から3月29日まで実施することを発表した。実証実験では20歳以上の男性、合計約400人を対象に「ALTRM」を実際に使用してもらうユーザーテストを行う。


身長と体重を入力すると3Dバーチャルアバターを生成

「ALTRM」は3Dバーチャルアバターを活用して、自宅やオフィスなど好きな場所から、いつでもどこでもオンラインでバーチャル試着が体験できるサービス。ユーザーは「ALTRM」にログインし、身長と体重を入力すると、入力データを基に3Dバーチャルアバターが生成される。次に画面に表示されている好みのアイテムのアイコンをタップして選択すると、選択したアイテムが3Dバーチャルアバターに装着され、実際に試着した時と同様に着丈やサイズ感を確認することが可能。

開発したアプリ画面のイメージ(3Dバーチャルアバターの体型生成にはZOZOSUITにより集積した体型計測データを活用)

「ALTRM」では今回の実証実験のためにMNインターファッションが新たに立ち上げた紳士服ブランド「ALTRM」(オルターム)のアイテム全14型(サイズ展開:S/M/L)を販売し、バーチャル試着導入による購入率の変化を検証する。

ブランド「ALTRM」について
主に20代男性をターゲットとし、「自分の生活に必要な服。テレワーク、出社時、休日やワンマイル。組み合わせ方であらゆるシーンに当てはまり、シームレスなスタイリングを可能にする“究極の自分制服”コレクション」をコンセプトに、贅沢さよりもシンプルで無駄のない生活を好む方に向けた商品を展開する。

バーチャル試着によって、実店舗に足を運ばなくても、時間や場所を問わずオンラインで試着を体験することが可能となる。また、購入前のバーチャル試着が可能になることで、オンラインショッピングの課題である、サイズ不一致や着用時の違和感による返品の減少、CVRの向上への貢献が期待される。


各社の取り組み

「ALTRM」の「3Dバーチャルアバター生成」および「バーチャル試着」の要素技術はソフトバンクが開発を行い、採寸データに基づいた3Dバーチャルアバターの生成や服のリアルタイムシミュレーションといった複雑な計算処理を、多くのユーザーが使用可能なモバイル環境で動作する技術を実現した。ZOZO NEXTはソフトバンクが持つ要素技術を用いて、スマートフォン上で服の試着を体験できるアプリの開発を行った。また、今回の実証実験では、MNインターファッションが新たにブランド「ALTRM」(オルターム)を設立し、商品となる服の企画や生産、さらにアプリ内で挙動するための服のデジタル3D化を行う。


将来的にはバーチャル試着にAI(人工知能)技術を使用することで、ユーザーの体型や過去の試着、購買データから、ユーザーが好む服や似合う服、コーディネートを提案することで、今まで以上に便利にオンラインショッピングを行うことが可能になる。


各社のコメント

ZOZO NEXT 代表取締役 金山 裕樹 氏

テクノロジーの進化によって人々の生活や行動が大きく変わってきている一方で、服を選ぶ・買う・着るというファッションに関わる一連の行動は、今でも変わらず私たちの日々の生活の中に存在しています。その一連の行動の中で、ユーザーにとって手間や不便に感じることをなくし、よりストレスフリーな構造を実現することで今まで以上にファッションを楽しんでいただきたいと考えています。今回のバーチャル試着の実現によって、その未来に一歩近づくことができると期待しています。

ソフトバンク 常務執行役員 兼 CIO 牧園 啓市 氏

アパレル業界のイーコマースだけでなく、生地・素材のオンライン展示会や、生産ラインにおけるアパレル業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)への活用も期待できる技術です。アパレル業界でもオンライン化やデジタル化が進む中で、従来のリアルでの体験以上の顧客体験を新しい形で提供できると考えています。また、総合デジタルプラットフォーマーとして、常に挑戦・進化を遂げながら、テクノロジーを羅針盤に新しい常識を作っていきたいと思います。

MNインターファッション 代表取締役社長 木原 伸一 氏

ファッションのデジタル化は、サステナビリティ、モノの本質や個性への価値観が社会の真ん中になった時代に、業界効率化とお客さまの利便向上の両面で、サプライチェーンの全面革新が始まりました。今回の試みは、まさにそのPoCであり、当社は商品企画・調達、3D関連の機能で参画させていただきました。デジタルは手段であり、ファッション製品を不安なく便利に購入することで、楽しさや高揚感を覚える価値に変わりはありません。これが、産業の競争力や、ファッションへの人々の共感を高めることにもつながれば、より良いと思います。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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