国産の空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」機体搭載カメラの映像を初公開 万博で飛行を披露、吉村府知事も視察

株式会社SkyDriveは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の海上デモフライトを8月18日に実施した。
8月16日に撮影した飛行時間 5分14秒、飛行距離 720m、最高高度 27mで飛行した動画(機体カメラ映像)も公開した。
デモフライトは2025年8月21日から24日まで、毎朝会場で実施する予定(天候が穏やかな場合)。

左から、大阪府知事 吉村洋文氏、SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏

現地には、大阪府知事の吉村洋文氏やドローン議連会長の田中和徳氏、国土交通省航空局航空ネットワーク部長の田口芳郎氏、経済産業省次世代空モビリティ政策室長の古市茂氏、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事補佐の伊藤健氏、関西電力副社長の藤野研一氏らが視察に訪れた。

機体に乗り込み、シンプルな操縦システムに驚く大阪府知事 吉村氏


デモフライトは8月16日に撮影された機体搭載カメラの映像も公開され、空飛ぶクルマの視点から海と万博会場の景色を楽しめる内容となっている。飛行時間は5分14秒、飛行距離は720メートル、最高高度は27メートル。

■SkyDrive Summer Demonstration Flights at Expo 2025 in Osaka |August 16, 2025


各氏のコメント

吉村洋文大阪府知事は「実際に見て、空飛ぶクルマは空の移動革命になると確信しました。
最初は、観光遊覧が非常に有効で、さらに災害対策であったり、空の低い高度で移動が自由になり、今までの移動手段とは違う新たな空の移動手段になります。
例えば、ここから新大阪駅や、ベイエリア、大阪城公園、関空など身近なエリアを自由に飛び回る世界がやってくると思いました。まだこれからのところもありますが、特にSkyDriveは国産の空飛ぶクルマでもありますし、我々も国産の空飛ぶクルマを応援したいです。
万博では、新たな技術、新たな産業が生み出されます。この万博において、空飛ぶクルマが飛びたったことは、空の移動革命に向けて大きな一歩だと思っています。今日はその大きな可能性を感じました。空飛ぶクルマに自由に乗れることを楽しみにしています。」とコメントした。

ドローン議連会長の田中和徳氏は「日本唯一の空飛ぶクルマメーカーによるデモフライトは技術力と挑戦の意義を示す機会であり、観光や物流、防災など幅広い分野での実用化が期待される」と述べた。

経済産業省の古市茂氏は「新しい交通サービスとして産業発展のため技術開発や市場整備が重要であり、SkyDriveには市場開拓と産業育成の牽引を期待している」と語った。

JAXAの伊藤健氏は「日本発の技術が空を飛ぶ姿は航空産業の発展と都市輸送の革新に向けた大きな一歩であり、今後も技術課題の解決に協力していく」と述べた。


デモフライトは8月21日から24日まで毎朝実施

デモフライトは8月21日から24日まで毎朝9時30分頃に万博会場内北西部の「EXPO Vertiport」で周回飛行を予定している。天候や機体メンテナンスによりスケジュール変更や中止の可能性がある。
(万博会場内北西部の「モビリティエクスペリエンス」に位置する「EXPO Vertiport」を離着陸地点として周回飛行を行う予定。なお、EXPO Vertiportは、西ゲートからのアクセスが便利)


観覧は事前予約不要で、電波を発する電子機器の使用制限や熱中症対策の協力が呼びかけられている。

また、2025年9月15日から23日まで大阪港バーティポートにてデモフライト「見学会」を開催予定で、事前予約制・無料で各回先着100人まで参加できる。


商用化は2028年を目途

商用化に向けては、型式証明取得に向けた活動を進めるとともに、Osaka Metroと連携し2028年を目途に森之宮エリアでのサービス開始、JR九州と協業し別府湾での遊覧サービスやエアタクシー運航開始を目指している。

空飛ぶクルマは電動化や自動化、垂直離着陸技術を活用した次世代の空の移動手段であり、国土交通省も推進している。SkyDriveは2018年設立のスタートアップ企業で、日本初の公開有人飛行試験に成功し、スズキと製造提携している。将来的な社会実装に向けて官民連携で取り組みを加速している。

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ロボスタ編集部
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