松浪硝子工業がユニバーサルロボットの協働ロボットを導入 360度の可動域で大判ガラスの回転・反転を再現

ユニバーサルロボット(以下、UR)は顕微鏡用、医療用、電子工業用など各種ガラス製造の松浪硝子工業株式会社が、さまざまな工程への板ガラスの投入、回収作業にURの協働ロボットを導入したことを発表した。なお、松浪硝子工業には2017年の初号機投入来、全15台のURロボットが導入されている。


松浪硝子工業とURロボットの導入について

松浪硝子工業は競争力維持や将来の人手不足への対応の観点から、以前から人が行っている作業工程の自動化を推進していた。当初は従来型の産業用ロボットによる自動化を行ってきたが、工場のスペースに制限のある中、安全柵が必要な産業用ロボットを導入するには都度レイアウト変更が必要で、設定変更の度にシステムメーカーを呼ぶ必要があることが課題だった。

取引先の代理店からURロボットを紹介された執行役員 技術開発部部長の岡田 良氏は、安全柵が不要で人と協働作業ができることに魅力を感じURロボットの導入を決めた。初めに導入したのは加工機への板ガラスの投入作業。状況に応じガラスを表面、裏面いずれかで投入するが、URロボットは各軸の可動域が±360°あり、大判ガラスを回転させたり、反転させたりする人の作業を忠実に再現することができた。


板ガラスを搬送するUR10e

初号機投入の成功を受け、松浪硝子工業では切断機への板ガラスの投入などさまざまな工程にURロボットを活用し、現在は15台のロボットが稼働している。URロボットを使ったシステムを社内で構築できたことが自信となり、今では従来型の産業用ロボットのプログラミングも内製化できるようになったという。

松浪硝子工業 執行役員 技術開発部 部長 岡田 良氏は次のように述べている。

自社で培ったガラスを作るための設計技術が、ロボットと融合することによってさらに進化したように思います。URロボットは動きのスムーズさなどで人以上の動きをするので、人と全く同じようなことができる可能性を感じています。これからは単純作業はロボットに任せ、人は品質や工程管理をすることによって、お客様により安定した製品を届けられるところに価値を見出したいと考えています

ユニバーサルロボット日本支社代表 山根 剛氏は次のように述べている。

「URロボットの活用で、松浪硝子工業が従来型の産業用ロボットにおける自動化の障壁を克服し、限られたスペースで、社外の専門家に頼ることなく自動化を実現されたことを嬉しく思います。この成功体験をきっかけに、産業用ロボットのシステム構築まで内製されるようになったことに敬意を表します。ユニバーサルロボットはこれからも、中小企業から大手まで、あらゆる規模の企業に導入可能な協働ロボットを提案することで、顧客企業の競争力向上に貢献してゆく所存です」

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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