山村浩二監督のVRアニメ『耳に棲むもの』がオタワ国際アニメーション映画祭2023でVR部門最優秀賞受賞! 講談社VRラボ

株式会社講談社VRラボは、同社が企画・制作したVRアニメーション『耳に棲むもの』がオタワ国際アニメーション映画祭2023でVR部門最優秀賞を受賞したことを2023年9月24日に発表した。

同作は、芥川賞作家で紫綬褒章受賞の小川 洋子さんがVR作品のために書き下ろしたオリジナル原作をもとに、アカデミー賞ノミネートアニメーション作家で同じく紫綬褒章受賞の山村 浩二氏がVR映画化した、画期的かつ野心的な作品だ。

独特の世界観を持つ二人の巨匠が2年の歳月を掛けてVRというメディアでしか味わえない作品を完成させた。今後は世界中で体験してもらえるようにVR部門のある主要国際映画祭にエントリーしていく予定となっている。





オタワ国際アニメーション映画祭2023 受賞コメント

同映画祭にてVR部門最優秀賞を受賞した同作について、同作の監督である山村浩二氏とプロデューサー、石丸健二氏からのコメントは以下の通りだ。

山村浩二監督

この度はVR部門最優秀賞をいただき大変ありがとうございました。この『耳に棲むもの』は、私の初のVR監督作品で、審査員の皆様、映画祭運営の皆様、そして観客の皆様に感謝いたします。オタワ国際アニメーション映画祭には、何度も参加していますが、その都度様々な刺激を受けてきました。今回、残念ながら現地には行けなかったのですが、これまでの思い出とともに、オタワでの受賞を噛み締めています。『耳に棲むもの』は2年の歳月をかけ、原作の小川洋子さんはじめ、多くのスタッフによって形になった作品で、全ての制作スタッフの皆様とこの受賞の喜びを分かち合いたいと思います。ありがとうございました。

石丸健二プロデューサー

この度は、プロジェクトに関わったすべてのスタッフを代表して幸運にもトロフィーを映画祭で受け取ることができました。本当に幸せな時間でした。山村浩二監督、原作・脚本の小川洋子さんをはじめ、作品を作り上げたすべての方々に、このような機会を与えてくれたことを感謝し、同時に祝意を送りたいと思います。また、今回映画祭に初めて参加させていただき、この映画祭のおもてなしのすばらしさ、集まるコンテンツのクオリティーの高さに驚きました。このような素晴らしい映画祭を続けている関係者の皆様にも心から感謝したいと思います。




『耳に棲むもの』について

その少年は、毎日土を掘っては、そこで見つけたものをクッキー缶の中に集めていた。そして少年のノートには、彼の人生と、拾い集めた物たちが発する孤独な声たちが記録されていた。そんな彼の耳の奥には、4人の音楽隊と、レース状の偕老同穴に住む2匹のエビが住んでいた。彼らは、少年が涙を流すたびに演奏とダンスをして少年を励ましてくれた。彼はお礼に、拾ったものが入ったクッキー缶を振る。そうやって少年は成長していった。成人した少年は補聴器を売るセールスマンになり、孤独な声を拾い集めることも涙を流すこともなくなっていた。ある日、彼はTVのニュースで見た、日系人強制収容所で見つかった手製の小鳥のブローチに魅了され、少年の頃を思い出し、再び孤独な声たちを拾い集める旅に出る。そこで彼が出会ったものは…?

■【動画】【PV】VR映画 耳に棲むもの


【監督 山村浩二氏】
『頭山』(02)が第75回アカデミー賞にノミネート、アヌシー最高賞はじめ、6つのグランプリを受賞、長編『幾多の北』(21)がアヌシー最高賞、映画祭受賞は130を超える。紫綬褒章受章。東京藝術大学教授。山村浩二氏は、オタワ国際アニメーション映画祭において、2021年『幾多の北』が長編グランプリ、2020年プロデュース作品『骨嚙み』(矢野ほなみ監督)が短編グランプリ、2007年『カフカ 田舎医者』が短編グランプリ、1999年『どっちにする?』がこども映画最優秀賞を受賞している。

【原作者 小川洋子氏】
1962年:岡山市生まれ 早稲田大学第一文学部文芸科卒、1988年:「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。主な著書「妊娠カレンダー」、「博士の愛した数式」、「密やかな結晶」、「ことり」、「掌に眠る舞台」など。最新刊はエッセイ集「からだの美」(文藝春秋社刊)

▼作品概要

作品名 耳に棲むもの(My Inner Ear Quartet)
製作年 2023年
作品尺 約35分
ジャンル VRアニメーション
言語 日本語・英語
企画・制作 講談社VRラボ
製作 講談社
配信 同作は国内外の映画祭にエントリーを優先するため、配信時期は未定となっている

▼メインスタッフ

監督 山村浩二 氏
原作 小川洋子 氏
脚本 小川洋子 氏、山村浩二 氏
プロデューサー 石丸健二 氏
CGディレクター Gee Yeung 氏
音楽 上野耕路 氏
音響監督 太田昌孝 氏

▼メインキャスト

岡⽥将⽣(日本語)/Daman Mills(英語)
少年 川口調(日本語)/Nicholas Young(英語)


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ロボスタ編集部

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