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NTTデータとデンソーは、両社の戦略・人財・技術の協力関係をさらに深化させ、日本の自動車産業の発展や、社会課題解決への貢献をともに目指すことを目的に、2024年6月12日にソフトウェア領域での包括提携に関する覚書を締結した。
車載ソフトウェアなどの車両(In-Car)技術に強みを持つデンソーと、クラウド等の(Out-Car)技術に強みをもつNTTデータが提携することで、大規模・高度化する車載ソフトウェアを高速かつ効率的に開発・提供することを目指す。また、高度ソフトウェア人材の拡充・育成強化や、グローバルに展開可能なモビリティサービス基盤をソフトウェア起点で創造し、Software Defined Vehicles(SDV)時代に向けて、クルマの魅力の進化と未来のモビリティ社会の実現に貢献したいとしている。
両社の取り組み第一弾として、2030年までに育成も含め両社で3,000人規模のソフトウェア開発体制の整備を目指す。
包括提携の背景
昨今、自動運転や電動化、コネクティッドなどクルマの知能化に対応するために、大規模かつ高度な車載ソフトウェアの開発力強化とともに、抜本的な開発の効率化が求められている。また、ソフトウェアがクルマやサービスの価値を飛躍的に高める「SDV」の考え方が広がり、ソフトウェア開発の重要性はさらに増している。それとともにクルマと社会との連携強化も必要となり、クラウドテクノロジーを活用した取り組みが重要になっている。また世の中では、過疎化による公共交通の維持困難や、物流業界におけるドライバー不足など、さまざまな社会課題が顕在化してきており、クルマとクラウドをソフトウェアでつなぎ、社会課題の解決につながるモビリティサービスとそれを支える基盤づくりが一層求められている。
NTTデータとデンソーは、これまでも連携・協力しており、2016年にはデンソーが、ソフトウェア開発を手掛けるNTTデータMSEへの資本に参加し車載ソフトウェア開発を推進してきたとともに、2022年にはNTTデータとデンソーで電動車向けバッテリーの業界横断エコシステム構築を開始するなど、自動車業界の変革に向けソフトウェア領域での取り組みをともに推進し、関係を強化してきた。
提携内容
このような背景から、両社は従来の活動をより加速し、自動車業界の発展や社会課題解決に貢献することを目的に、ソフトウェア領域における包括提携の基本合意に至った。
NTTデータがこれまでさまざまな業界にて取り組んできたクラウドテクノロジー領域と、デンソーがこれまで自動車業界中心に取り組んできた車載ソフトウェア領域との、互いの強みを生かし、戦略・人財・技術の面から両社のシナジーを最大化させるとしている。
本提携では、以下の取り組みを推進します。
1:グローバルソフトウェアリソースの拡充
高度運転支援・自動運転や電動化、さらにはSDVに向けた自動車開発においてソフトウェアは非常に重要であり、大量のソフトウェアリソーセスが必要になりなる。両社が有する国内外の拠点におけるソフトウェアリソーセスのシナジーを最大化し、より大規模かつ高度化する車載ソフトウェアの開発に対応するため、2030年までにグローバルにて3,000人規模の開発体制整備に取り組む。
2:高度ソフトウェア人財の育成
ソフトウェア領域における育成制度の整備、事業価値創造人財の育成を推進します。これまで両社で培ってきたソフトウェア人財定義をアップデートするとともに、育成制度を再強化、標準化し、自動車業界で汎用的に展開活用できることを目指す。
3:ソフトウェア開発支援基盤の拡充
SDV時代に向けて今後より大規模・高度化する車載ソフトウェアは、開発の高速化や効率化が求められており、AIを使用した評価ツールなど、さまざまな機能開発を支える共通的なソフトウェア開発支援基盤が不可欠である。これまで両社で培ってきた先進的な開発手法やAI活用実績などを生かし、ソリューションを組み合わせた最適な開発支援基盤の共同開発、展開を目指す。
4:社会課題解決への共同取り組み
NTTデータはITを用いて、あらゆる企業、企業・業界の枠を超えた社会インフラまで、顧客の事業成長や社会課題解決に貢献するサービスを提供してきた。デンソーは環境負荷や交通事故のない社会を目指す中で、自動車領域で培った技術を自動車以外のさまざまな領域にも広げ、社会に新たな価値を提供する取り組みをしてきた。
両社は、未来のモビリティ社会の実現に向け、これまで培ってきたそれぞれの強みを生かした社会課題解決のためのソリューションを共同検討していきます。社会実装に向けた実証を含む取り組みとして加速し、将来的にグローバルに展開していくことを目指す。
今後について
NTTデータとデンソーは本提携を通じて、早期に新たなモビリティサービス基盤を創出し、共同展開していき、In-Car、Out-Carにおけるそれぞれの強みを連携させながらアライアンスを深化させ、SDV時代に向けてソフトウェア領域の面からクルマの魅力を進化させることに貢献していくとしている。
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