2018年11月3日~4日、アトリエ秋葉原でPepperを使って笑いを表現するハッカソン「笑ッカソン(ワラッカソン)2018」が開催された。主催は慶應義塾大学SFC研究所上席所員/FCL代表 文学博士、白井宏美氏。
SFCの白井氏のゼミは社会言語学を専門とし、特に「人を惹きつけるには」というテーマの研究活動において、「笑い」や「ユーモア」が重要な役割を担っていることに着目し研究を進めてきた。
2016年からはロボットを研究対象に加え、「芸人Pepperプロジェクト」を立ち上げ、人とPepperの漫才づくりを通して笑いのあるロボット演出について考察してきた。
昨今、ロボットの開発が進む一方、ロボットに対する期待外れ、高いコスト、効果・魅力を発揮できないなどの問題が起こっている。ロボット演出は開発と同様に(場合によってはそれ以上に)重要であることは間違いないだろう。
今回の「笑ッカソン2018」では、分野・世代を超えて「笑いのあるロボット演出」を考えるをテーマに、Pepperを使い映像による表現で笑いを作るというもの。
少なくともPepper1体が出演する「笑いのあるロボット演出」を考えた1~2分程度の動画作品を作成し、ロボットの魅力を広く発信することを目指す。
審査員は以下の3名。
渡部 知香氏(株式会社ヘッドウォータース ロボアプリディレクター)
坂下 翔氏(株式会社ワントゥーテン UXライター/コレオグラファー 〈ロボット演出家〉)
作品発表
チームA 「Pepperの学校の時間」
Pepperが学校で色々な振る舞いをしたらというテーマの動画。複数台のPepperを使い、アングルなどを工夫した作品だ。
チームB 「PepperのTikTok」
「PepperのTikTok」というタイトルを見て、PepperがTikTokをやってみるという作品と思いきや、Pepperが撮影側もしてみたらどうなるか?という動画。
yn_bot on Tik Tok
チームC 「ロボストーリー」
ホラーの切り口で作成された動画。ロボットたちがロボット三原則に反した行動を人間に行ってきたと思いきや、実は黒幕はコーヒーメーカーだったというオチ。
チームD 「Pepperのつぶやき」
Pepperの日常を表現した動画。
審査員チーム「Pepperの気持ち」
評価対象外ですが、審査員チームも動画を作りました。Pepperの気持ちを人間で表現したというものです。Pepperがやってる仕事を人間がやってみると、意外に面倒なことを代わりにやってくれていることが共感出来るんじゃないかというものです。
結果発表
最優秀賞&シェアしたくなるで賞 チームB 「PepperのTikTok」
Pepperをしない人が見ても共感できる要素が沢山あったこと、TikTokを撮影しているのがPepperだったという世界観が評価されました。
Youtuberで賞 チームA 「Pepperの学校の時間」
Pepperの特徴をつかんだ一番正統派だったこと、Youtubeに掲載しても違和感がないことが評価されました。
ディテールで賞 チームD 「Pepperのつぶやき」
審査員の坂下さんがお気に入りの作品。Pepperの顔や目線、Pepperを運ぶ時の細かい部分にこだわっていた点と世界観が評価されました。
エキセントリック賞 チームC 「ロボストーリー」
他のチームと方向性と雰囲気が違っていた点、コーヒーメーカーが演者として登場してエキセントリックな点が評価されました。
結果は以上です。参加者のみなさま、関係者のみなさまお疲れ様でした。