「暮らしのロボット共創プロジェクト(略して、キモP)」のキックオフに行ってきました。その3

8月27日(木)に開催された「暮らしのロボット共創プロジェクト(略して、キモP)」のキックオフに行ってきました。

「その1」「その2」の続きです。)


今回の様子はSkypeを通じ、肝付町と中継を繋いでいます。

今までの話を受け、肝付町のみなさんから東京に向けてメッセージを頂きました。

「私は役所の人間で全然ITは詳しくないです。僻地で高齢化が進んでいる町はマンパワーを確保するのが難しいんですが、施設の中にPepperくんがいると沈んだ気持ちが明るくなるかもと思い、このプロジェクトに発展していきました。この取り組みを応援したいといういろいろな人たちががこの場にやってきました」

「(前回Pepperが来てくれて)良かった点は、日頃活動しない方も積極的に踊りを踊ったり、話しかけたりしたところ。いい効果があった。珍しいことなので、興味を持っていると思う。一方、Pepperが毎日いるとどういう反応になっていくのかは気になる。そして、お年寄りがバランスを崩すとPepperに寄りかかってしまう可能性があるので、転倒防止機能があるとありがたいです」

「良かった点は、認知症の方でもPepperと一緒だったことを覚えてて、印象に残ったところ。改善して欲しい点は、会話のキャッチボールを何回かできるとありがたい。そして、方言が通じればと思いました」

「テレビで見たロボットが実際に目の前にあったので、笑顔になった。そして、普段あまり動きの無い人も積極的に前に出るようになって、受け入れてもらえた。帰った後も、みんながPepperの話で盛り上がっていた」

「高齢者の良さは、自分が出来ることはしてあげたいという思いがあること。してあげたいという思いが高まってPepperと一緒に踊ったり、Pepperを撫でたりしてくれた。Pepperのために動きたいという思いになった。何かをしてもらうというベクトルから、何かをしてあげたいベクトルになっていった。」

「ロボットには場の空気を変える力があるんじゃないかと思った。人間は感情を自分でコントロールしづらいけど、ロボットは空気感を変えることができるんじゃないかと。介護の現場では場の空気を変えるってことは重要なので、力仕事をロボットがしてくれるんじゃなく、人と人をつなくのがロボットと思ってます」

「医療や介護も暮らしの一部。ロボットが暮らしになじんでいけるようにしていきたい」

これを受け奥田さんはこうまとめます。

奥田さん「肝付に行った時、ロボットがうまくいこうが失敗しようが、みんな笑顔でいてくれた。これを見て、ロボットは笑顔をもたらすんじゃないかと。印象にのこる言葉があって【僕(Pepper)がみんなの記憶を蓄えておくので、みんなは忘れても大丈夫だよ】。認知症の人は記憶を忘れることに恐怖感があるので、このセリフは忘れられない」

肝付町と奥田さんのやりとりを皆真剣な表情で見ていました。それぞれがそれぞれに感じるものがあるようです。

ということで、長くなりましたので「その4」に続きます。


関連記事:「暮らしのロボット共創プロジェクト(略して、キモP)」のキックオフに行ってきました。
 その1
 その2
 その3
 その4

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北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

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