ソフトバンクから販売の犬型ロボット「Meet CHiP」、飼い主とのコミュニケーションを主眼に

ソフトバンクは、同社運営のIoT製品を販売するプラットフォーム「+Style」を通じて、今月新たな犬型ロボット「Meet CHiP(ミート チップ)」の販売を開始した。「Meet CHiP」は、台湾のロボットメーカー「WowWee」が開発したペットロボット。WowWeeは約13年間ロボットの開発を行ってきており、過去には世界500万台以上を販売している「RoboSapien」を始め、日本でも人気の「MIP」や恐竜型ロボット「Roboraptor」など、数多くの低価格帯のロボットを開発・販売してきた実績を持つ。

この犬型ロボット「Meet CHiP」は、どのようなテクノロジーを持ち、どの程度の販売目標を掲げているのか。そして、長年ロボットに関わってきたWowWeeは、今の世界的なロボットムーブメントをどのように見ているのか。同社のグローバルマネージャーのJeff McCarthy氏にお話を伺った。

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WowWeeのカナダ支社から来日したジェフ氏と「CHiP」


WowWeeの次のロボット「CHiP」とは?

 ソフトバンクが7月に販売する新ロボット「MeetCHiP(ミートチップ)」とは?

編集部

「CHiP」とはどのようなロボットでしょうか?

Jeff McCarthy(敬称略、以下Jeff)

CHiPは、箱を開けたらすぐに遊ぶことができる、ペットロボットでありパートナーロボットです。付属のスマートバンドをすればその人を飼い主だと認識し、その人の後をついていく機能等を持っています。

編集部

CHiPの中にはどのようなテクノロジーが詰め込まれていますか?

Jeff

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私たちWowWeeは、13年間ロボットを作り続けてきた歴史を持っています。これまでにも、「RoboSapien」という人型ロボットや、「Roboraptor」という恐竜型ロボットなど、あらゆる低価格帯のロボットを開発してきており、世界累計1,500万体以上の売上を誇ります。

これらのロボット開発で培ってきた様々なテクノロジー、特許取得済みのテクノロジーがCHiPには活用されています。UCサンディエゴやロサンゼルス工科大学、スイスの大学など世界中の大学と連携し、そこで長年研究開発してきた技術も「CHiP」に詰め込んでいます。

この子は飼い主の行動に反応しますが、それはスマートバンドやボールやジェスチャー、音声認識といった、あらゆる手段で反応するように作られています。

編集部

付属のスマートバンドやボールに反応するということですね。CHiPに搭載されている「音声認識」は、どの程度の会話を理解できるものなのでしょうか?

Jeff

だいたい10〜15個程度のコマンドになります。音声コマンドを少なくした理由は、27ヶ国語に対応するためです。私たちのビジネスはグローバルなものなので、あえてコマンドを少なくすることで、多言語に対応できるようにしています。




AIBO以上に飼い主とコミュニケーションが取れるロボット

編集部

CHiPは「性格が変化していくロボット」だと伺いました。

Jeff

例えば、もしCHiPが良いことをしたら、スマートバンドの「GOOD」ボタンを押してあげてください。悪いことをしたら「BAD」ボタンを押してください。CHiPは、あなたがどんな行動が好きで、どんな行動が嫌いかを理解するようになります。それに伴い性格が変わるようにもなっています。



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CHiPに付属しているスマートバンド(左)。スマートバンドにはGOODボタン、BADボタンのほか、おいでボタンも搭載されている。また、スマートバンドから直接チップを操り動かすことも可能だ。その他に、自動で充電するための充電ドックとボールが付属している。(画像:WowWee HPより引用

編集部

CHiPの性格は条件分岐のようなもので決まっていくのでしょうか?

Jeff

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いわゆる「Yes」「No」の条件分岐ではありません。飼い主の反応に対して、情報がインプットされていき、それに伴い性格が変わっていきます。CHiPのファームウェア上には複雑なアルゴリズムが組まれているんです。

編集部

日本人の多くは、CHiPのような犬型ロボットを見るとつい「AIBO」を思い浮かべます。実際に「AIBO」からインスピレーションは受けていますか?

Jeff

AIBOが発売された時は、「エンジニアリング技術が素晴らしい」という形で登場したと思いますが、私たちはエモーショナルなコミュニケーションができるという観点で作ってきました。我々が常に目指しているのは、飼い主とコミュニケーションを取れるロボットです。

良い行動をしたら「いいね」と教えられます。悪い行動をしたら「ダメだよ」と教えることができます。これによりインタラクティビティが強化され、AIBO以上に感情移入しやすいロボットになったと思います。




世界25万台の販売を目指す

編集部

現在のロボットのムーブメントには率直にどのような感想を持たれていますか?

Jeff

世界的にも大きな変化がきていると思っています。エンターテインメントのロボットだけでなく、ユーティリティロボットの分野も間違いなく拡大していくカテゴリーです。様々な技術がハブになって”ロボット”に集約されて、そのロボットが家の中に入ってきて、家庭でロボットが使われる。私が子供の頃はテレビも箱型で大きかったのに、今は携帯電話で動画が見られるようになりました。ロボットにも同じような流れが来ると思っています。

編集部

日本市場での販売目標などはございますか?

Jeff

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私たちは、日本での具体的な販売目標を掲げているわけではなく、世界全体で25万台という数字を目指しています。日本というマーケットは独特です。ロボットも多くの企業から登場しています。そんな中で、ソフトバンクさんの協力で販売ができるというのは、非常にチャレンジングな試みでもあります。商品がきちんと消費者の皆様の欲しいところにいかにフィットするかというところがポイントだと考えています。

ソフトバンクとの協業を誇らしく思っています。そして「CHiP」はこれまでにない、新しくユニークな体験を提供できると自信を持っています。ぜひご購入を検討頂ければと思います。



Meet CHiPの価格は、29,800円(税込)。「+Style」から購入が可能で、9月末以降の発送が予定されている。


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望月 亮輔
望月 亮輔

1988年生まれ、静岡県出身。ロボスタ編集長。2014年12月、ロボスタの前身であるロボット情報WEBマガジン「ロボットドットインフォ」を立ち上げ、翌2015年4月ロボットドットインフォ株式会社として法人化。その後、ロボットスタートに事業を売却し、同社内にて新たなロボットメディアの立ち上げに加わる。

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