今年はPepperが動き出す!NAOqiの新版で移動機能APIを装備予定、Pepper World 2017の見どころ

今年のPepperは動き出す。
これが最大のトピックだ、と思っています。
いや、動くというのは「移動する」ってことなんです。

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なんと展示会場を歩き回っているPepperもいる。みつけたら声を掛けてあげてね!!

Pepperには「オムニホイール」という名の移動するための高機能な技術が取り入れられています。
具体的には3つのボールが脚部に埋め込まれ、360度、方向転換しながら移動できます。ぶつからないで安全に移動するためのセンサー類も多数搭載しています。

しかし、残念ながらPepperは今までほとんど移動してこなかったのです。
それは安全のため。万が一の転倒、衝突などに考慮して、積極的に動いてこなかったという背景があります。

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会場入口で見られる「The History of Pepper」。実は技術的には大きく進歩したPepperシステムのひとつなのでお見逃しなく

これが解禁となるのです。
だからPepperが動き出す。
この感動的な場面を、Pepper World 2017では様々なところで見ることができます。

まずは入場してすぐ「The History of Pepper」で見ることができます。
ここではPepperが歩んできたヒストリーをPepper自身が話して紹介します。
その際、ゴロゴロと展示パネルを移動しながら説明してくれるのです。

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この移動システムにはSLAM (Simultaneous Localization And Mapping:スラム)という技術が使われています。
手順はこうです。
まずレーザーを使ってPepperにマップを記憶させます。Pepperのいるステージの状況を把握させるためです。
その上でPepperに移動して欲しいルート(導線)を指示します。最短距離と言ってもいいでしょう。
Pepperは自分がどこにいるのかを確認し、自律的に周囲の状況を観察、安全を確保しつつ、通行できる最短コースを計算しながら目的地に向かって進んでいくのです。

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Pepperが動作している様子はステージ横のモニタで確認できます。ROSを使った画面です。
下がその画面。赤い点がPepperの足元のレーザーが検知した周囲の壁や障害物、移動可能範囲の限界地点、青い線がルート(導線)、実際にいる場所が黄色い点で表示されています。また、緑の位置が立ち止まって解説する位置をあらわしています。

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ROSを使ったPepperの移動システム表示画面

障害物があれば避けるし、避けられない場合は移動を停止します。

オムニホイールを装備していることでもわかるように、Pepperは移動する機能も当初から検討されてきました。
まもなくPepperのOSであるナオキ(NAOqi OS)の新バージョンがリリースされ、そこに移動するためのAPIモジュールが含まれる予定です。

その関係もあって、Pepperの移動機能が今よりは実装しやすくなるため、今後は大きくクローズアップされていくのではないか、と私は考えています。
今日発表された新機能の「Pepper View」でも、実は遠隔操作のひとつに、移動機能が搭載されているのです。

業務用のニーズとしてもこれは大きなものがあります。今、Pepperはモール会場などで案内役を務めていますが、本来ならお客様が行きたい場所にロボットが動いてご案内するのがベストです。会社の受付も同じです。
それがこれからはできるようになるかもしれません。
もし、そこまではできなくても、ロボットの協働で実現するかもしれません。ルンバみたいなミニロボットがPepperからの指示で案内役をやってくれるときっと便利ですよね。
動けるロボットへの進化、今後が楽しみです。

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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