協栄産業、受付・案内人型ロボットシステム「レセプロイド」&「コンシェロイド」を開発、900万円で販売開始 「協栄アイ」として同社受付業務へ


エレクトロニクス商社の協栄産業株式会社(https://www.kyoei.co.jp/)は、2017年10月5日、株式会社ココロ(http://www.kokoro-dreams.co.jp/)と共同で、人型ロボット受付システム「RecepROID(レセプロイド)」、同案内システム「ConcieROID(コンシェロイド)」を開発し、販売開始すると発表した。


人型ロボット受付システム「RecepROID(レセプロイド)」

「レセプロイド」は10月6日から大田区・平和島TRCアネックスビルにある協栄産業の受付に設置・運用される。名前は「協栄Ai(アイ)」。ただし、あくまでこれは零号機で、実際の顧客に導入されるモデルが「1号機」となるとのこと。


ロボット頭部。外見は様々な人に対応することを想定し「クォーター」くらいのイメージで作成しているそうだ

今年度3月末までに4台の受注を目指す。同社の中期経営計画最終年度である3年後にはロボット事業全体で売上高15億円を目指す。

基本機能を自己紹介

会見での関係者記念撮影


タッチパネルと音声認識を併用

タッチパネルと併用

このシステムは株式会社ココロの人型ロボット「アクトロイド」と、協栄産業の開発したロボットパッケージからなる。床面などに設置する人感センサー、卓上の指向性マイクを使った音声認識とタブレットを併用し、4ヶ国語(日・英・中・韓)で対話が可能だ。

多言語対応デモ
受付デモ

なお、「レセプロイド」「コンシェロイド」二つは異なる製品となる。『レセプロイド』は受付と内線電話取次ぎを行う。『コンシェロイド』は商業施設、ホテル、空港等で案内業務を行うパッケージだ。


卓上の指向性マイクとタブレットを併用

従来のココロの「アクトロイド」は空圧式だったが、こちらはモーターを使っており、100V電源で駆動するため、設置はたやすい。消費電力は1,500W以下となっている。


ロボット全身

座った状態での固定となるロボットは頭部が旋回、前後へのうなずき、口やまぶたの開閉のほか、腰を倒すお辞儀ができる。


側面

価格は900万円から(消費税含まず)。多言語対応はオプションとなる。このほか、72万円の年間メンテナンス費用(多言語対応の場合は84万円)が必要。発注から納品までは、おおよそ5ヶ月から6ヶ月程度はかかるとのことだ。なおユニフォームなどは人間のものを着用させることができる。


タッチパネル、既存の電話と併用

協栄産業のIoTボード「SeeROBO」の3G通信機能を使うことでクラウド上につながり、遠隔での制御や監視、故障予測・メンテナンスなどができる。


遠隔操作やログ収集も可能

音声認識エンジンは株式会社アドバンスト・メディア製(https://www.advanced-media.co.jp)。不特定話者の声を認識し、各言語ごと100個の文章の組み合わせを事前に学習させることができる。受付で必要な定型的会話や、公共空間に設置したときにありがちな質問応答については、事前に言葉の組み合わせを学習させておくことで、やりとりをスムーズに行うことができる。

タッチモニターについては、受付時の部署・担当者名表示などのほか、地図など独自の案内情報を表示することができる。


受付用のタブレット画面。顔写真などは自由に追加できる

今後は、顔認証機能、対話のためのAI機能などを開発し、機能をアップデートしていく。

対話のデモ。空港での実証実験では、このような他愛ない会話が多かったとのこと。



耐久性のある、役に立つロボットへ

協栄産業株式会社 代表取締役社長 水谷廣司氏

ロボット披露セレモニーで、協栄産業株式会社 代表取締役社長の水谷廣司氏は、まず同社が10月6日で創立70周年を迎えることについて触れた。そして「IoTから得られたデータがAIで解析される時代が来た。この受付案内ロボットシステムもその一つ。長時間働いても笑顔を絶やさず、4ヶ国語で対応できる」と紹介した。


協栄産業が扱っているトピー工業製の床下設備点検ロボットシステム

また同社が他にもFA、床下点検ロボット、見守りロボットなどをパートナー企業と組んで販売していることを紹介。「各種ロボットのシステムコーディネーターとして色々なロボットシステムを提供させていただきたい」と語った。


協栄産業株式会社 取締役常務執行役員 事業戦略本部長 萩谷昌弘氏

続けて同社 取締役常務執行役員 事業戦略本部長の萩谷昌弘氏がロボットシステムの概要を紹介した。展示会や成田空港保険カウンターでの実証実験を経て、音声認識機能などを改善。製品化へと至ったという。


名前は「協栄Ai」

なお「協栄Ai」は10月6日生まれの「23歳」と設定されているが、生年は設定されておらず「永遠の23歳」だという。出身地は東京都羽村市、出身大学は「協栄ICT大学
心(ココロ)学部ロボット工学科」、いま一番やりたいことは「ウォーキング」といったプロフィールも設定されている。


株式会社ココロ代表取締役社長 山田敦也氏

株式会社ココロ代表取締役社長の山田敦也氏は、サンリオの子会社である同社の沿革についても紹介。2005年の愛知万博(愛・地球博)でお披露目された「アクトロイド」の開発などを通して、オンリーワンの企業として海外での評価も高いと語った。

今回のロボットについては、モーターを使った100V駆動としたこと、そして協栄産業の開発したソフトウェアと組み合わせることで使い勝手がよくなったとし、今後も「耐久性のある、役に立つロボットを提供していきたい」と語った。


開発関係各社が参集した

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森山 和道

フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。WEB:http://moriyama.com/ Twitter:https://twitter.com/kmoriyama 著書:ロボットパークは大さわぎ! (学研まんが科学ふしぎクエスト)が好評発売中!