WEBコンサルティングの知見をAIチャットボットに集積!ソフトバンク・テクノロジーのWEB解析支援ツール「SIGNAL AI」

ソフトバンク・テクノロジー(以下、SBT)は、これまでの豊富なコンサルティング経験をもとにWEB解析のパーソナルAIトレーナー「SIGNAL AI」を開発した。形式はAIチャットボットで、データのビジュアライズ(可視化)やeラーニング型のトレーニングにも対応する。ユーザーからの質問に回答したり、質問に対するトレーニングコンテンツを案内するものだ。

パーソナルAIトレーナー「SIGNAL AI」の画面例。チャットボットとeラーニングの機能を併せ持つ


Adobe Analytics対応のAIチャットボット&トレーナー

SBTは、いわゆるWEBマーケティングにおけるアクセス解析業務を2000年から手がけている。
アクセス解析において最も代表的なツールのひとつに「Adobe Analytics」(アドビ アナリティクス)があげられるが、同社は、導入実績より培ったノウハウを基にしたコンサルティングサービスとともに、Adobe Analyticsを提供している。

同社のプリンシパルコンサルタントの橋本氏によれば「デジタルマーケティングソリューションの代表的な機能にはアクセス解析やA/Bテスト、レコメンド機能などが挙げられるが、様々なデータを駆使して日常的に分析を行い、売上向上のためのアクションの最適化をスピーディーに実施できている企業はまだ少なく、データによりビジネスを変革するためのデータサイエンティストが日本ではまだまだ不足しているのが実状」だと言う。また、「データサイエンティストの育成には一定の時間とコストがかかるため、スキルが身についた頃に転職してしまうケースも多く、なかなか育成がうまくいっていない状況が多い」と話す。

ソフトバンク・テクノロジー株式会社 技術統括 ITイノベーション本部 テクノロジーエバンジェリストグループ プリンシパルコンサルタント 橋本翔氏



データ分析ツール利用ユーザーが抱える課題(要望)

同社が提供している「Adobe Analytics」を例に取ると、データ分析を学べる解説書籍なども少なく、学びたいという意識の高いユーザーがデータ分析のスキルを身につける術が乏しいと言う。データから新たな発見を導き出すデータサイエンティストたる人材が社内にいない、外部コンサルタントを依頼するにも費用が合わない、と言う状況とともに、ユーザーの多くは次のような要望を抱いていると言う。

・分析のスキルを効果的に向上したい
 難しい質問や解析はコンサルタントに依頼するとしても、簡単な質問や解析は自分たちで行えるようにアドバイスして欲しい
・分析ツールは高度化するに連れて難解になり、操作の理解不足から解析が進まない
・トレーニングは時間を問わず行いたいし、質問は24時間受付け、すぐに回答するのが理想
・データ分析ができる人材の育成と、育成のデジタル化を促進したい



コンサルティングのノウハウを集積した「SIGNAL AI」

これらの要望を叶える最適解として、ユーザーの質問に対してAIが回答するチャットボット型のトレーナーを開発すること、が掲げられた。それが「SIGNAL AI」だ。
同社は従来業務としてWEB最適化のための設計を実施し、「Adobe Analytics」を中心に、顧客に対してデータ分析のスキル向上のためのトレーニングをコンサルタントが実施してきた。その数はのべ1000名を超えると言う。そのノウハウを「SIGNAL AI」に集積した。
当初は「Adobe Analytics」ユーザー向けに、質問回答、データ分析のトレーニング、分析代行をAIがチャットベースで行う「SIGNAL AI for Marketing」を提供していき、今後はWEB改善支援など、従来提供していたコンサルティング業務もSIGNAL AIで提供していく予定だ。


「SIGNAL AI」のメニュー画面例

「SIGNAL AI」によるデータ可視化画面の例

「SIGNAL AI」の「Adobe Analytics」トレーニング画面の例 (画面左を拡大した画像が下↓)


「SIGNAL AI」はスマートフォンにも対応する

ユーザー側の視点でみれば、「Adobe Analytics」を使いこなして、データ分析によって売上げの向上や効率化を実現したい。そのために、自社のデータサイエンティストの育成をデジタル化したAIチャットボットが行う。軽度な質問やデータ分析はコストの安いAIに対応してもらう、という環境は利にかなっている。と、いうのも、専門のトレーニングスタッフやコンサルティングの対応を受けると比較的高額のコストがかかるのが常だからだ。
サービス提供側からみれば、対応時間でコンサルタント料金が請求できると言っても、高度なデータサイエンティストが軽度な質問に回答するのはクライアントにとって得策ではないし、データサイエンティストの人材不足という課題もある。
AIチャットボットの開発と提供によるトレーニングとQ&A対応は、ユーザー側、サービス提供側の両者から見てメリットになる、と考えている。
また、今後は「Adobe Analytics」に限らず、他のWEBマーケティング支援ツールにも対応していく予定で、直近では2018年7月末に「Adobe Target」「Adobe Audience Manager」への対応を予定している。



データ解析で効果を上げたクライアント実績

SBTによれば、既に国内大規模ECサイトで効果を上げた事例がある。
そのECサイトは、新規サイトの立ち上げに伴ってWEB解析ツールとして導入し、分析力の向上と、適切なユーザエクスペリエンス管理によるパーソナライゼーション(個別最適化)等が課題だったと言う。
SBTは拡張性および可用性の高いデジタルマーケティング基盤の短期導入を行い、解析ツール導入設計支援、運用マニュアル作成、各種レポート作成代行、指標設計支援などを手がけた。また、データのチェックを日常化するため、部門ごとにカスタマイズしたダッシュボードや定型レポートの定期配信を実施した。更に全社員向けの初級レベルの研修と、部門別にカスタマイズした中級レベルの研修を実施し、育成を行った。
3か月という短期間での基盤の構築だったが、サイトオープン当日から適切な運用を開始でき、企業のトップが率先してダッシュボードに目を通し、AdobeTargetの運用をSBTが行うことで、初年度のテスト/ターゲティング施策を80本以上実施。その結果、トップページを閲覧したユーザにおけるCVRを130%にリフトさせることに成功したと言う。

これらの運用とコンサルティング実績がAIに反映されることになれば、クライアントにとっても大きな戦力になるだろう。
「SIGNAL AI」の運用ははじまったばかりなので、今後の成果に注目していきたい。

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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