AWSがDeepLens発売、価格は249ドル ポイントは10分で深層学習を始められる手軽さ

Amazon Web Servicesは本日、深層学習に対応した開発者向けのビデオカメラ「DeepLens」を発売した。価格は249ドル。

Amazon Web Servicesは、昨年11月に開催された「re:Invent 2017」で、同製品を発表した。発表会にはAmazon Web ServicesのCEOであるAndy Jassy氏が登壇。「もっと多くの開発者の手に機械学習を届けるにはどうすれば良いか」と考えて生まれたプロダクトだと語った。

AWS DeepLensを使えば、コンピュータビジョンプロジェクト、チュートリアル、実際のデバイスを使った体験を通して、深層学習の基本である、ニューラルネットワークを使った学習および予測を行う機械学習の技術について学ぶことができる。深層学習モデルをカメラでローカルに実行して、撮影した動画の分析や処理を行うことができる。

AWS DeepLens では、ワンクリックで実行できる実践的な例を含むサンプルプロジェクトが用意されており、「開発者はスキルレベルに関係なく深層学習を10分以内に開始できる」という。

もちろん、ディープラーニング実行するための環境やカメラは既存のプロダクトを組み合わせることで作り上げることができる。すでにビジネスの現場でも活用されている。しかし、あくまでそれは専門知識をもつユーザーのみ使用できるものであり、誰でも使えるというわけではない。AWSが目指しているのは、開発者全員の手に機械学習をもたらすこと。手軽さこそが重要なのである。

AWS DeepLens は深層学習を目的として設計されている。100GFLOPSを超えるデバイスの処理能力により、HD ビデオでの深層学習予測をリアルタイムで処理できる。すでにアメリカでは、ユーザーから、このDeepLensの活用事例が動画でアップされている。以下は、入室者をDeepLensで撮影して、顔認識を組み合わせることで、知り合いなら「おはよう」と投げかけ、知らない人が入ってくると、チャットツールのSlack上で「この人は誰ですか?」と名前を聞くというもの。

また同じくre:Invent2017で発表されたのが、Amazon SageMakerだ。これは、ディープラーニングのために必要な要素をパッケージングしたもの。AWSマネジメントコンソールからほんの数クリックでAWS DeepLensに送信でき、開発スピードを大幅に向上させる。

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Amazon SageMaker

そして、DeepLensでは、AWS開発者はTensorFlowやCaffeを含む、あらゆる深層学習フレームワークを実行できる。AWS DeepLens にはパフォーマンスと効率性に優れ、深層学習向けに最適化された推論エンジンが事前にインストールされている。

AWS DeepLens は Amazon Rekognition と統合して高度な画像解析、Amazon SageMakerでのモデルのトレーニング、また Amazon Pollyと統合して音声対応プロジェクトの生成ができる。デバイスはまたAWS IoT、Amazon SQS、Amazon SNS、Amazon S3、Amazon DynamoDB、その他とセキュアに接続することも可能だ。

DeepLensは残念ながら日本への発送は行なわれていない。しかし日本語ページがオープンされていることからも、すぐに日本の開発者の手元にも届くことだろう。

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AWS DeepLens

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