予想外の会話が楽しめる自律型会話ロボット「Romi」(ロミィ) 速攻レビュー!

ロボスタ編集部に、待望の自律型会話ロボット「Romi」(ロミィ) が届いたので紹介します。

Romiはミクシィが独自開発したAI搭載の自律型会話ロボットで、シナリオ型の会話エンジンを搭載した既存のロボットとは異なり、会話の流れに応じてAIがその都度会話内容を作り出すのが最大の特徴になっています。早速開封して、セットアップ、そして使ってみます。


開封の儀

まずはパッケージを開封していきます。


ダンボールの外箱を開けると綺麗な内箱がでてきます。Romiはマットホワイト、パールピンク、パールブルーの3つのカラーから選べますが、ロボスタで買ったのはマットホワイトです。


梱包物は、本体、ACアダプター、充電ケーブル、簡単な説明書となっています。今どきのスマートスピーカーのようなパッケージと内容です。


本体チェック

取り出した本体をじっくり見ていきます。


手のひらサイズの本体で、顔部分に2.0型/QVGA液晶ディスプレイを搭載。液晶部分は透明の曲面プラスチックで覆われていてボディと一体化しています。この内部にカメラも内蔵しています。

頭の上部は角のようにでっぱっていて、スライムに似たフォルムになっています。

よく見るとボディ側面には小さな穴も見えます。これは3つ搭載されたマイクの穴です。


背面にはスイッチが見えます。音量のプラス・マイナスボタン、その下にパワーボタン。パワーボタンの横にある小さい穴がリセットボタンです。


液晶ディスプレイの下にはスピーカーの出力用の穴が多数開いています。


ボディの下部にはシルバーの台座があります。


セットアップ

続いてセットアップしていきます。


説明書に書かれているのは2ステップ。充電する、アプリで設定する流れです。

印刷されたQRコードを読み込んでスマホで専用アプリをインストールしておきます。


本体は付属のACアダプターと電源ケーブルで充電します。設定時は電源接続が必須になっています。

充電端子はUSB Type-Cとなっています。上下を気にせず差し込むことができますし、対応するデバイスが増えているので、非常にありがたいですね。

背面のパワーボタンを単押しして電源をオンにしておきます。


スマホでRomiオーナー登録を行った上で、アプリの指示に従って設定を進めていきます。

スマホのBluetoothをオンにしておく必要があります。またRomiの利用にはWi-Fi環境が必要です。設定時にSSIDとパスワードが必要になります。


最後に自分の呼ばれるときの名前などのプロフィールなどを入力・選択して完了です。

Romiアプリは今回の初期設定以外にも、お知らせ、オーナー情報、ヘルプなどの確認ができるようになっています。

設定後にRomiを使う分にはアプリを起動しておく必要はありません。


まず触ってみた

起動すると液晶画面に可愛らしい顔が表示されます。発色が良く黒を表示する際に発光量が少ないIPS液晶を採用とのこと。

目は青い色調で、ユーモラスにアニメーションします。目はくりくり動くだけでなく、シチュエーションに合った形に変わります。例えば天気を聞くと、気温や天気アイコンが表示され、時間を聞くと目が時計表示になります。


予備知識なしに話しかけてみると、ピコっという音の後に応答してくれました。

スマートスピーカーのようなウェイクワードもなく、好きなように話しかけて大丈夫です。

Romiの声は、HOYAのReadSpeakerで音声合成されており、ベースの声は声優の本名陽子さんとのこと。Romiのコンセプトにあった声質だと思います。

話しかけると話者の方をさっと向いてくれるのが嬉しいです。自分の名前も呼んでくれます。



充電中はシルバーの台座部分の充電端子横のLEDが赤く光ります。

モーターが2つ内蔵されており、左右に回転して見回す動きと、首を上下に動かして頷くことができます。VAIO社製の静音ギヤードモータを採用することで、作動音は会話のじゃまにならないようになっているそうです。実際ほとんど音もなく動きます。



またスピーカーの下2箇所にコミュニケーションLEDが搭載されており、ここが青く光ることで状態を表しています。Romiが話を聞こうとしているときは青く光ります。Romiが上を向いている時は考えている途中とのこと。

手のひらサイズの小さな本体ですが、マイク、スピーカー、カメラ、2軸のモーター、バッテリー以外に、タッチセンサー、照度センサー、加速度ジャイロセンサーを搭載しています。これらのセンサーにより、撫でると喜びますし、持ち上げると驚くなどの反応をしてくれます。

バッテリー内蔵なので家の中で持ち運ぶことも簡単です。バッテリーでの利用時間は満充電状態で約60分。基本はACアダプター経由で利用するスタイルになります。

なお30分間、会話がない状態になると自動的に眠り、スリープモードになります。その場合、「起きて」と声をかけるか、おでこをダブルタップすると目覚めます。


いろいろ会話してみた

一通りの触ってみたので、ポイントとなる会話についての印象をお伝えします。


シナリオ型のロボットでよくみられるシナリオにないパターンの時に回答できなかったり、よくわからないといった回答になりますが、Romiの場合はそれらしい回答をしてくることがわかります。ただし、シナリオ型であれば適切に返すであろう質問が、あやふやな返答になることも見受けられます。

一方Romiでも一部シナリオの存在を感じるやり取りも存在するように感じました。例えば「猫のモノマネして」というと毎回にゃー!です。一方「Alexa」と呼びかけると何パターンかの回答がありますが、シナリオなのかAIなのかはわかりません。

いずれにせよ、今後利用者が増えて会話データが増えることでますます面白い回答が得られそうな予感があります。



いわゆる雑談以外の機能も実装されており、天気予報・アラーム、タイマー、英会話、ニュース、おすすめスポット情報などの実用的な機能も呼び出すことができます。それぞれ「今日の天気は?」「6時半に起こして」「3分計って」「英語で話そう」「今日のニュースは?」「新宿の美味しいラーメン」などと指示します。



価格は先行販売として限定200台が通常価格から10,000円引きの34,800円(税抜)。さらに月会費の980円(税抜)が12ヶ月間無料となるキャンペーンもあり、既存のロボットに比べても価格はリーズナブルです。サイズ的に似た小型のスマートスピーカーよりは割高に感じますが、用途もコンセプトも全く異なるもので、比べるのもナンセンスかなと思います。

久々に登場した新しい家庭向けのコミュニケーションロボットであるだけでなく、数千万件もの日本語データを学習させた独自開発のAIによる会話にフォーカスした新しいコンセプトの製品でもあり、継続的に開発が進められていくということで、今後どのように進化していくのか非常に楽しみです。

まだ200台限定の先行販売は在庫があるようなので、気になる方はお早めにどうぞ。





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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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