ついに「手術支援ロボット×AI」を開発 「hinotori」のデータをAIが解析する「MINS」を共同開発 オプティム×メディカロイド、シスメックス

株式会社オプティムは、2020年8月7日に製造販売承認を取得した手術支援ロボットシステム「hinotoriサージカルロボットシステム」(hinotori)の運用支援や安全・効率的な手術室の活用支援、及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「Medicaroid Intelligent Network System」(MINS)を、株式会社メディカロイド及びシスメックス株式会社と共同開発したことを2020年10月26日に発表した。

手術支援ロボットシステム「hinotoriサージカルロボットシステム」用ネットワークサポートシステム「MINS」イメージ


「hinotori」と「MINS」

「hinotori」は、2013年に川崎重工業とシスメックスが共同出資して設立したメディカロイドが開発した手術支援ロボットだ。「MINS」は、hinotoriに搭載された各種センサー情報や内視鏡映像及び手術室全体を映像等の情報をリアルタイムで取集・解析・提供するオープンプラットフォームとなっている。同プラットフォームを介して得られる情報をデータベース化し、自社またはサードパーティによるAI解析やシミュレーションなど新たなサービスを追加することも可能だ。

メディカロイドが開発した手術支援ロボット「hinotori」

「MINS」のシステム構成


提供サービスについて

MINSはオプティムが提供するAI・IoT プラットフォームサービス「OPTiM Cloud IoT OS」をベースとしており、第一弾のサービスとしてログデータの収集・蓄積や映像配信・閲覧、ロボットの動きの再現についてのリモートサポートを提供する。


ログデータの収集・蓄積

hinotoriの稼働状態やエラー情報をリアルタイムに収集することにより、メディカロイドのサポートセンターではその情報をもとに、利用者の運用に関する問い合わせやトラブルに遠隔から対応することが可能となる。


映像配信・閲覧

OPTiM Cloud IoT OSでの標準モジュールであるVideo Streamingを活用し、手術室の映像をライブ配信・閲覧することで、メディカロイドのサポートセンターにおいて手術室の状況を正確に把握することができるようになる。


ロボットの動きを再現

OPTiM Cloud IoT OSの標準モジュールであるDigital Twin を活用し、hinotoriの稼働状態を三次元的に再現。これにより、手術中のロボットの動作に加え術者の操作もメディカロイドのサポートセンターで視覚的に把握することが可能となる。



MINSへのOPTiM Cloud IoT OSの活用

メディカロイドは、OPTiM Cloud IoT OSが有するオープンプラットフォーム志向の基礎機能群(IDM/IAM、DMS、BMS)や、AI・IoTサービスを提供するための基礎的・汎用的モジュール群の多彩なラインナップをMINSの基盤として活用している。

▼ 基礎機能群(IDM/IAM、DMS、BMS)

【IDM/IAM:Identity Management/Identity and Access Management】
専用IDでユーザーやグループ(組織や現場等)を管理し、データへのアクセス等を適切に認証・認可する機能。多要素認証を標準搭載しており、セキュアかつ柔軟なID設計やアクセスコントロールが可能となる。
【DMS:Device Management Service】
デバイスとクラウドのセキュアかつ簡便な接続、デバイスのリモート接続やリモートコンソール機能を提供する、汎用的なデバイス管理機能。データ・フォーマットを標準化しさまざまなIoTデバイスの状態やデータを一元的に管理可能となる。
【BMS:Billing Management Service】
ユーザーへのアプリ販売やAPI販売、ライセンス管理等の課金業務全般を管理する基礎機能。あらゆるベンダーが開発したアプリケーションやAIエンジンなどをユーザーが自由に選択し、購入できるようになる。

■【動画】OPTiM Cloud IoT OS – The Platform for Platformer –

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ロボスタ編集部

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