ロボット「ATOM」が漫画の街「石巻市SDGs広報大使」に就任 漫画・ショートアニメ・アプリでSDGsを遡及
漫画の街・石巻市の「SDGs広報大使」に、講談社の鉄腕アトムのロボット「ATOM」が就任した。石巻市の亀山紘市長から、任命式が行われ、自治体と出版社がタッグを組んで、キャラクターの力とコンテンツの展開力を生かした新しいチャレンジ「石巻市-講談社SDGs推進連携協定企画」を発表した。ATOMは石巻市民のSDGsへの理解を促進し、市のSDGsの具体的施策をわかりやすく、漫画・ショートアニメ・アプリで遡及していく。任命式には、吉本興業のSDGs担当のタレント横澤夏子さんも出席した。(冒頭の写真は、ATOMを囲んで、亀山紘市長、手塚プロダクション取締役・清水義裕氏、吉本興業・SDGs担当・横澤夏子氏、講談社・ATOMプロジェクト統括 奈良原氏)
SDGsの遡及にロボットATOMを活用
講談社は、宮城県石巻市と「石巻市-講談社SDGs推進連携協定企画」を締結し、内閣府が今年7月に10都市で決定した「自治体SDGsモデル事業」の取り組みの一つとして、石巻市の亀山紘市長から、コミュニケーション・ロボットATOMが「石巻市SDGs広報大使に任命」されたことを発表した。講談社は今年1月、国連の「SDGメデイア・コンパクト」に加盟し、SDGsの啓もう活動に全社的に取り組んでいく意向を示している。さまざまな施策で石巻市のSDGsの啓もう活動に連携・協力するとしている。
11月12日11時から行われた任命式・記者発表では、石巻市の亀山紘市長が登壇し、石巻市が「自治体SDGsモデル事業」の取り組みの全体像を説明し、その取り組みにコミュニケーション・ロボットを活用、地元の高校生が組み立てたロボットATOMを、地元の高齢者宅で活用することで、高齢者に親しみをもって接してもらい、孤立を防ぎ、デジタルデバイドの解消を図ること、さらに将来的には、市のスマートモビリテイなどとの連携も視野にいれていることなどを発表した。
講談社の鉄腕アトムのロボット「ATOM」を、「石巻市SDGs広報大使」として正式に任命。任命式では亀山紘市長自ら、「ロボットATOM」に任命状を手渡し、ATOMは、「一生懸命がんばります!」と応えた。
石巻市には「石ノ森萬画館」があり、街かどに「仮面ライダー」の彫像がたっている「漫画の街・石巻市」というキャッチフレーズも持つ石巻市ならではの施策、としている。
SDGsへの理解を漫画・ショートアニメ・アプリで遡及
ロボットATOMは、石巻市の市庁舎や公民館で「SDGs広報大使」として市民に親しんでもらいながら、3つの手法で、SDGsを啓もうする。「SDGs漫画小冊子」を配布、「SDGs解説ショートアニメ」の作成、「SDGsアプリ」の提供だ。
「SDGs漫画小冊子」を配布
人気漫画家・まずりん氏が描き下ろした「SDGs漫画小冊子」を10万部無料配布する。
「SDGsアプリ」の提供
SDGsの17項目を博物館をめぐる仕立てでガイドする「SDGsアプリ」をiOS、androidでリリースするなど、全世代に遡及するための表現方法で、市民に石巻市のSDGs施策をわかりやすく説明し、毎日の生活のなかでできるSDGsの実践例を広く推進する。
市長のコメント
亀山市長は、「ATOMを地元の高校生が組み立てることで、IT人材の早期からの育成に役立てたい。漫画の街・石巻市の未来に向けてのチャレンジを、もっとたくさんの人に知ってもらうためにも、SDGs広報大使として期待しています」と語った。
ゲストの手塚プロダクション取締役の清水義裕氏は、「手塚治虫も30年前に、まだ「持続可能」という言葉はなかったが、経済と社会だけでなく、「環境」という概念を発信していた。ATOMロボットに頑張ってもらいたい」とコメント。
同じくゲストの、吉本興業SDGs担当の横澤夏子さんは、「母親になって、SDGsということをより考えるようになりました。ロボットATOMは、子どもたちや高齢者にとって、とても親しみやすい存在になると思います」と、語った。