分身ロボットカフェ、VR演劇作品などが海外へ!世界約80都市を芸術・先端技術・文化で結ぶ「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」開催へ

特定非営利活動法人映像産業振興機構は運営を担う文化庁「令和3年度メディア芸術海外展開事業」の一環として、ハイブリッドで開催される「アルスエレクトロニカ・フェスティバル 2021」において、フェスティバルとの連携特設サイト「アルスエレクトロニカGarden TOKYO」を9月8日(水)正午(日本時間)より開設し、作品展示などを実施することを発表した。

同展はオーストリア・リンツの会場と世界80以上の都市のオンライン企画とのハイブリッドで行われる予定。ライブ・パフォーマンスやトークイベントはオンラインで生配信され、一部の作品・企画はアルスエレクトロニカの会場にて展示される。


芸術・先端技術・文化の祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」

「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」は芸術・先端技術・文化の祭典で、メディアアートに関するイベントとしては世界最大級の規模を誇る。今年度は“A New Digital Deal”をテーマに、オーストリア・リンツのリアルな会場と世界80以上の都市のオンライン企画とのハイブリッドで行われる予定。各々の企画は「Garden(ガーデン)」と呼ばれ、東京のサテライトである「Garden TOKYO」特設サイトは、日本のアーティストやクリエイターの活動を紹介する場所として開設される。

「Garden TOKYO」の企画ディレクターにはソニーグループ株式会社で多くの先端技術を用いたコンテンツ開発、サステナビリティ、科学技術コミュニケーション等を担当している戸村朝子氏を迎え、企画内容にはメディアアートの最先端コンペティションである「プリ・アルスエレクトロニカ 2021」デジタルミュージック&サウンドアート部門栄誉賞および第24回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞をダブル受賞した日本人サウンドアーティスト「evala」氏による受賞記念ライブパフォーマンス配信や、メディア芸術祭アート部門で大賞を受賞した国際的に活動する現代アーティスト、小泉明郎氏の『縛られたプロメテウス』ドキュメント映像と、その続編でVRで視聴する新作『解放されたプロメテウス Garden TOKYO ver.』の他、メディア芸術祭の受賞作品をはじめとした作品やメディアアーティスト・関係者によるトーク等の様々なコンテンツをオンラインで紹介する。


Garden TOKYO企画テーマ「The Power of the Unseen」(ザ・パワー・オブ・ジ・アンシーン/目に見えぬ力)
技術が世界や社会を覆い、人々の認知や行動を基底する時代。人が技術を使いこなす時代から、技術が成熟に至ることなく、技術同士が互いに作用し加速的に変化する環境の中で、技術との距離感がつかめないまま、生命体としての私たちは人として生きることの意味を問われている。

今、目にできないものに現代文明は揺り動かされ、例えば、画一化されすぎた社会システムの多様性や機動力に欠けることを、効率を追求した過密化した都市が脆弱であることを、今は誰もが当事者のひとりとして自覚している。そこに観戦者はない(No Spectators)。“Digital New Deal”の新しい出発の時がきたようだ。時、音、共鳴、生態系、社会的身体、関係性、そして生命など、これまで目にできなかったものの力はまた、私たちの本来もっていた認知力に新しい感覚をもたらした。世界を体で知覚し、知恵を授かり、生きる勇気が生まれ、人の生命として変わらぬ部分を知覚でき、新しい条件のもとで私たちは、これからの世界そのものを再定義する時が到来したことを知る。

今年、文化庁メディア芸術祭で受賞した作家の中から、社会にその変化の兆しを具体的な活動をもって示し、連続的な働きかけをしているアーティストや活動家の活動を展示する。また芸術表現の枠組みを超えて産業界などで活躍するクリエーターを紹介する。


Garden TOKYO 企画内容


1.オンラインライブパフォーマンス【チケット発売中】

「プリ・アルスエレクトロニカ 2021」デジタルミュージック&サウンドアート部門で栄誉賞および「第 24 回文化庁メディア芸術祭」優秀賞をダブル受賞した日本人サウンドアーティスト、evala(エバラ)氏による受賞記念ライブパフォーマンスをオンライン生配信。

タイトル 『Chosho Hakkei in Rittor Base – Live Performance ver』
作品紹介 https://seebyyourears.jp/projects/chosho-hakkei-rittor/
出演 evala (See by Your Ears)
配信日時 9月11日(土)20:00-21:00(日本時間)、13:00-14:00(オーストリア時間)
9月12日(日)24:00-25:00(日本時間)、17:00-18:00(オーストリア時間)
収録場所 RITTOR BASE(御茶ノ水)
視聴方法 Vimeo Live streaming(アーカイブなし)
アルスエレクトロニカ フェスティバルのチケット購入者のみ
購入方法 https://ars.electronica.art/newdigitaldeal/en/tickets/#online
備考 バイノーラル公演のため、必ずヘッドフォンまたはイヤフォンでご鑑賞ください



2.作品展示

アーティスト:小泉明郎氏
「第24回文化庁メディア芸術祭」アート部門大賞を受賞した本格的なVR演劇作品『縛られたプロメテウス』は仮想と現実、陶酔と覚醒、肉体の超越と限界など、観客を両極に引き裂く体験を創出し、大きな話題を呼んだ。2020年にシアターコモンズ‘20にて上演された際の記録を元に編集された映像を紹介。また『縛られたプロメテウス』の続編とも言える新たなVR作品『解放されたプロメテウス』をArs Electronica 2021 Garden TOKYO ver.として内容を改変し、期間限定で公開する。

展示内容
<オンライン展示>
Documentation Film: VR Theatre “Prometheus Bound”
アート部門大賞受賞作品『縛られたプロメテウス』のドキュメント映像
作品紹介ページ:https://j-mediaarts.jp/award/single/prometheus-bound/

<オンライン展示>
VR Theater:“Prometheus Unbound” Ars Electronica 2021 Garden TOKYO ver.
『縛られたプロメテウス』の続編、新作『解放されたプロメテウス アルスエレクトロニカ フェスティバル Garden TOKYO ver.』

アーティスト:SAKUMA Kaito氏
2020年に制作した鑑賞者の心拍とシンクロして鏡面が振動し、音をその場に出現させるサウンドインスタレーション作品『Ether』が、第24回文化庁メディア芸術祭アート部門新人賞を受賞。本展では本作とそのシリーズの新作として、目に見えない「気配」を感じる『Liquid MirrorSeries – Square – 』を展示する。

展示内容
<リアル展示>
『KEHAI: Liquid Mirror Series – Square -』(アルスエレクトロニカ公式展示)
アート部門新人賞受賞作品『Ether – liquid mirror』から派生した新作をアルスエレクトロニカ フェスティバル会場であるヨハネスケプラー大学で展示。

<オンライン展示>
アート部門新人賞受賞作品『Ether – liquid mirror』の紹介
作品紹介ページ:https://j-mediaarts.jp/award/single/ether-liquid-mirror/

アーティスト:東京大学大学院情報学環 xlab 筧 康明研究室
研究室メンバーであるHarpreet Sareen氏と筧 康明氏、さらにコラボレーターとしてFranziska Mack氏を迎え、アルスエレクトロニカ招待作品として制作された、水中の藻と「対話」を行うオンライン参加型ハイブリッドインスタレーション作品『Algaphon』を展示する。

展示内容
<ハイブリッド展示>
『Algaphon』 (アルスエレクトロニカ招待作品)
水中の藻と「対話」を行うオンライン参加型ハイブリッドインスタレーション作品。水生植物の人間とは異なる時間軸や環世界を、インタラクションを通して鑑賞者に考えるきっかけを与える。



3.オンライントーク【登壇者への質問募集中】

■Online Talk feat. evala
テーマ:「耳で視る旅の記憶、空間音響の未来 – See by Your Ears」
“Memories of journey, the future of spatial acoustics – See by Your Ears”

・登壇者
evala氏(音楽家、サウンドアーティスト)、久保二朗氏(立体音響エンジニア)
・モデレーター
戸村朝子氏(Garden TOKYO 企画ディレクター)

・日時
9月11日(土)22:00-23:00(日本時間)、15:00-16:00(オーストリア時間)

・視聴方法
YouTube ライブ配信(配信後アーカイブ)※無料
日本語
https://youtu.be/8-J5pj_NKZU
English
https://youtu.be/MvKdwOkhxgE

・言語
日本語(英語同通)

・収録場所
RITTOR BASE(御茶ノ水)

■Online Talk feat. Ory Yoshifuji
・テーマ:「孤独と絆。不可能を可能にし、世界は変えられる」
“Solitude and bonding. We can change the world by making the impossible possible.”

・登壇者候補
吉藤オリィ氏(発明家/ロボット・コミュニケーター)、永廣柾人氏(OriHime パイロット)

・モデレーター
内田まほろ氏(キュレーター、展示プロデューサー)

・日時
9月8日(水)20:30-21:30(日本時間)、13:30-14:30(オーストリア時間)

・視聴方法
YouTubeライブ配信(配信後アーカイブ)※無料
日本語
https://youtu.be/cNsdBq2LDS0
English
https://youtu.be/CkBM75GTUJk

言語
日本語(英語同通)

・収録場所
分身ロボットカフェ DAWN ver.β(日本橋)


4.オンサイト デモンストレーション

“分身ロボットカフェ DAWN ver.β”制作チーム (代表:吉藤健太朗氏<オリィ研究所>)
吉藤オリィ(健太朗)氏が大学在学中に開発した、ALSなどの難病や重度障害で外出困難な人々が、遠隔操作できる分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」。プロジェクト「分身ロボットカフェ」は「動けないが働きたい」という意欲ある外出困難者たちが、「OriHime」を活用することでサービススタッフとして働く実験カフェである。このプロジェクトは障がい者雇用が不十分な日本社会に対する問題提起とその解決策を示し、「第24回文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門でソーシャルインパクト賞を受賞した。同展では数回の試行を経て2021年6月に東京でオープンした常設実験店を紹介する。

©Ory Laboratory inc.
展示内容
<オンライン展示>
“分身ロボットカフェ DAWN ver.β”の紹介
プロジェクト紹介:https://j-mediaarts.jp/award/single/avatar-robot-cafe/

<リアル展示>
“分身ロボットカフェ DAWN ver.β” 体験デモンストレーション (アルスエレクトロニカ公式展示)
アルスエレクトロニカフェスティバル会場(オーストリア)で「OriHime」(Avatar Robot)の体験デモンストレーションブースを出展。来場者が「OriHime」を操作して、東京のカフェにリモートで来店できるプラン(1枠15分)を実施する。
・日時:9月9日(木)〜12日(日)11:00-11:15 / 11:15-11:30 / 11:30-11:45 / 11:45-12:00(CEST)
・場所:ヨハネスケプラー大学(アルスエレクトロニカ・フェスティバル会場)



5.Highlighting Collective Movements<オンライン展示>

アルスエレクトロニカ2021のテーマ「A Digital New Deal」、Tokyo GARDENのテーマ「The Power of theUnseen」を軸に、現代の日本において、多様な人々がアートの形態を超えて集団的に活動する最前線の取り組みを紹介。

■「建築情報学会」
https://ais-j.org/

■「Audio Game Center」/DDD(Disability Driven Design)Project
https://audiogame.center/

■「発酵デパートメント」/発酵デザイナー 小倉ヒラク氏
https://hakko-department.com/

■「METACITY」/コンセプトデザイナー 青木竜太氏
https://metacity.jp

■「QUASICRYSTAL ―コードによる織物の探求」/古舘 健氏、株式会社細尾
https://www.hosoogallery.jp/exhibitions/quasicrystal/

■「協生農法」/研究者 舩橋真俊 氏
https://www.sonycsl.co.jp/tokyo/407/

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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