自動車を持ち上げて自動で運ぶバレーパーキングロボット、国内でも初登場 三菱重工がStanley Roboticsと協働

三菱重工業、三菱重工機械システムはフランスのベンチャー企業であるスタンレーロボティクス社(Stanley Robotics、以下、SR社)と、自動車の自動バレーパーキングならびに完成車自動搬送サービスを実現する国内初の先進的自動搬送ロボット事業を共同展開していくことで合意したことを発表した。

電動自動搬送ロボットの導入により、大型駐車場などにおける利用者の快適性向上、完成車搬送における労働者不足の解消、24時間稼働、CO2排出量の削減などを実現。三菱重工グループはSR社が提供する自動搬送ロボットに加え、三菱重工グループが培った機械式駐車場や交通流管制技術と無人システム監視・管理技術を組み合わせ、多種多様な顧客ニーズに合致したサービスを提供していくとしてる。


仏ベンチャー企業スタンレーロボティクス社と協働

Stanley Robotics社はフランス・パリに本社を置く2015年創業のベンチャー企業で、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた屋外物流の新たなソリューションを提供している。自律して自動車を持ち上げ・搬送するロボットと、駐車状況を高度に管理可能なソフトウェア技術を駆使した自動バレーパーキングサービスを世界に先駆けて展開しており、ロボティクスによる屋外物流の劇的な変革をもたらすべく事業に取り組んでいる。

三菱重工業グループは高度自動運転の本格的普及に先駆け、ショッピングモール、大型複合ビル、テーマパーク、空港などに自動搬送ロボットによる自動バレーパーキングサービスをいち早く提供することで、限られた駐車場スペースの効率的な利用を可能にする。利用者は駐車場が見つからない、駐車場が遠いといったストレスから解放され利便性が大幅に改善する。


また、完成車搬送の面では、自動車工場内、港湾、モータープールなどにおける24時間365日の稼働を可能とし、熟練ドライバー不足の問題を解消すると同時に低コストで安全な搬送を実現する。


今後、同システムを活用した国内初の自動バレーパーキング導入に向けて、三菱地所株式会社と実証実験の協力を得ることで合意しており、三菱重工グループが運営する大型商業施設や空港を候補に実証実験の具体的な検討を進めていく予定。

三菱重工グループは2021事業計画の成長戦略の一環として、「モビリティ等の新領域」におけるソリューションビジネスの開拓に取り組んでおり、同プロジェクトは「CASE化※を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの一つに相当する。今後、SR社との協力体制のもと、三菱重工グループの駐車場ビジネスを軸に自動化・省人化による新しいモビリティ・サービスを提供していくとしている。

関連サイト
Stanley Robotics

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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