イオン、イオンスタイル全店舗でVR研修を導入 従業員の教育機会を拡大、習得レベルの標準化を目指す
イオンリテール株式会社は2022年4月より「イオン」「イオンスタイル」全店舗(約360店舗)にて、新人および既存従業員教育にInstaVR株式会社が提供するバーチャル・リアリティ(以下、VR)プラットフォーム「InstaVR」(インスタブイアール)を導入することを発表した。なお、全店舗にてVRを従業員教育に導入する取り組みは国内小売業で初となる。
VR導入のポイント
InstaVR株式会社はVirtual Reality(バーチャル・リアリティ、仮想現実)の事業活用を推進するグローバルVR制作配信プラットフォーム「InstaVR」の製品開発・導入支援を行い、世界で5万社に採用されている日本発VR企業。イオンリテールは利用者視点と現場を基盤とする全員経営を重視するとともに、業務プロセスの標準化やデジタルトランスフォーメーションの推進による生産性改善に取り組む構造改革を加速させている。こうした中、さらなる「お客さま満足」の実現に向けて、従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化を目的に、人材育成においてもデジタルトランスフォーメーションを推進する。
1.「やり方がわかる」だけでなく「できるようになる」OJT教育へ
場所の制約や教育担当者の数にとらわれず、これまでのEラーニング動画では対応しきれなかった実務トレーニングが可能になることで、従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化につながる。また、多くの業務手順が「わかる」だけでなく実際に手を動かしながら「できる」ようになるための実習を一人でも行うことが可能になるため、教育担当者の負担も減らしながら、実務レベルの向上が期待できる。
2020年12月から一部店舗にて、約5,000名の従業員を対象にレジ操作や接客基本応対などの入社教育をVRで行う実証実験を行った。一般的にVRを活用する効果として、実際の機器がなくてもVR上でレジ操作をしたり、利用者が居なくてもVR上で応対をしたりなど現場で“体験”している感覚で学習ができることや、没入感が高く集中して学習でき、学習定着率が非常に高くなると言われている。体験後のアンケートでは約9割が「テキストや動画での学習より作業手順の理解が深まった」「事前に体験できることで自信を持って売場に立てる」「何より楽しく学習できた」と回答し、多くが、楽しくスキルを身に付けられることが期待できる結果が得られている。
2.多様な業務に対応する1,000以上の研修コンテンツを共同制作
InstaVR株式会社が提供する高速VR化システム「100倍速VR化」を活用し、レジ業務や接客等の対応、売場づくり、防災・防犯など、多様な業務に対応する1,000を超えるイオンリテールオリジナル学習コンテンツを企画からシナリオ作成、撮影に至るまで共同で制作している。同社がすべての工程に入り込み、ともに制作を行うことで実務に即した効果的なVRによるOJT教育を実現している。
3.入社時の導入教育での教育時間を約40時間削減(1店舗/1カ月あたり)
VRを入社時の導入教育プログラムに組み込むことにより1人でも学習が可能になったとともに、入社日時に関わらず随時、個別に導入学習が可能になったことにより指導者側の業務時間を平均約40時間(1店舗/1カ月あたり)削減することに繋がっている。今後配属後の教育もVR化することで、さらなる業務の効率化も進めていく。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。