ロボット技術に関する用語のJIS改訂版「ロボティクス-用語」を発行 2024年10月

日本規格協会は、2024年10月21日に、鉱工業(ロボット)の技術に関する用語のJISの改正版を発行した。税込価格3,300円。サイズはA4判全20頁。



経緯

1970年代、日本における産業用ロボットの急速な発展と普及が始まった。

1974年から1977年までの4年間、当時の社団法人産業用ロボット工業会は、通商産業省工業技術院(当時)の委託を受けて調査研究を行い、その成果に基づいて、1979年2月に世界に先駆けて「JIS B 0134:1979」(産業用ロボット用語)が制定された。

国際的には、1988年に「ISO/TR 8373」がまとめられ、1994年には「ISO 8373:1994」(Manipulating industrial robots-Vocabulary)が制定された。その後も、産業用だけでなくサービス用ロボットの普及に伴い、「ISO 8373:2012」(Robots and robotic devices-Vocabulary)に改訂されている。

また、ISO(国際標準化機構)においてもロボット関連規格が整備され、現在では「ISO 8373:2021」(Robotics-Vocabulary)が主要なロボットの用語規格として扱われている。日本国内でも、ISO規格との整合化を図るべく、「JIS B 0134:1998」(産業用マニピュレーティングロボット-用語)として改正、さらに、「ISO 8373:2012」の改訂内容を取り込んで、「JIS B 0134:2015」として改正された後、現在に至っている。

その他のロボティクス関連用語規格としては、「JIS B 0185」(知能ロボット-用語)、「JIS B 0186」(移動ロボット-用語)及び「JIS B 0187」(サービスロボット-用語)がある。

主な改正点

今回の改正では、ロボット技術の発展に伴う新しい用語の追加や修正、サービスや医療分野への対応強化を目的としている。同時に、産業用ロボットの形態や性能に関する用語のうち、使われなくなったものを除外した。

ロボットの設計、製造及び応用に関する科学及び実践であるロボティクスの用語を整理し、定義しているとともに、ロボティクスの技術分野ごとに分類し、一般的に用いる用語を定義し説明している。

また、今回改正された「JIS B 0134:2024」は、「ISO 8373:2021」の一致(IDT)規格となっている。尚、「JIS B 0134:2024」は税込価格は3,300円 A4判20ページとなっている。

ロボットの関連キーワードを紹介

ロボット関連のキーワードをいくつかピックアップし紹介する。

・産業用ロボット:主に製造業などの工場で、自動化や作業の効率化のために使用される。(例)垂直多関節ロボット・パラレルロボット

・サービスロボット:主に一般家庭や、商業施設での人間の動作へのサポートやサービスの提供に使用される。(例)配膳ロボット等

・協働:協働運転や協働ロボットをまとめた概念として“協働”と定義されている。※今回の改正で新たに追加された用語

・ロボット言語:ロボットを動かすためのプログラミング言語

ロボット技術の進歩は、未来社会に大きな変化をもたらす可能性がある。この進化によって、新しい技術やサービスが生まれ、私たちの生活や社会全体がより便利で効率的になることが期待される。

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ロボスタ編集部

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