AI・ロボティクス技術を活用したソリューション開発を手掛ける株式会社ASTINAは、業務用厨房機器メーカーの株式会社中西製作所と資本業務提携を締結したことを発表した。
両社が持つ技術と販売網を融合させ、深刻化する食品業界の人手不足という課題解決に向け、スマート厨房の開発や検品自動化システムの普及を加速させる狙いだ。
AI技術と厨房ノウハウの融合で挑む業界課題
ASTINAは「日本の産業を次のステージへ」をミッションに掲げ、AI・ロボティクス・IoT技術を駆使したDXを推進する企業である。特に食品製造業向けには、AI画像認識技術と異物除去機構を組み合わせた検品自動化システム「OKIKAE(オキカエ)」シリーズを展開し、多くの食品加工現場で省人化を実現してきた。
一方、中西製作所は業務用厨房機器の製造・販売を行っており、全国の給食センターや給食室などに豊富な導入実績と強固な顧客基盤を持つ。
今回の提携は、ASTINAの先進技術と、中西製作所が長年培ってきた業界知見や販売力を組み合わせることで、これまで自動化が困難とされてきた食品製造・調理現場のさらなる効率化を目指すものである。
スマート厨房の共同開発と販路拡大
提携の具体的な内容として、まず業務面では3つの柱を掲げている。第一に、AI・ロボティクス技術を活用した次世代型厨房システム「スマートキッチン・スマート厨房」の共同開発だ。給食センターなど、大規模調理施設向けの自動化ソリューション開発も共同で進める計画である。
第二に、ASTINAの検品自動化システム「OKIKAE」シリーズの展開拡大を図る。中西製作所の厨房機器と「OKIKAE」を組み合わせた統合ソリューションを開発し、中西製作所の広範な顧客基盤を活用して販売を促進する。
第三に、両社が持つ技術・ノウハウの相互活用を進め、省人化・自動化技術の共同研究や、IoT技術による厨房機器の遠隔監視・予防保全システムの開発も視野に入れる。
また、資本面では中西製作所がASTINAへ出資を行い、両社の連携をより強固なものにする。
3年後の売上2倍を目指すシナジー効果
本提携により、ASTINAは食品産業向けAI・ロボティクスソリューションの開発を加速させ、事業拡大を図る方針だ。全国の給食センターや食品工場への展開を通じて、食の安全・安心と現場の働き方改革の両立に貢献することを目指す。
両社は、この協業によるシナジー効果を最大限に活かし、3年後に食品産業向けソリューション事業の売上高を現在の2倍以上に拡大するという具体的な目標を掲げている。