研究開発用ロボットハンド「CR Hand」を手がけるCurious Robotics株式会社は、製品の発売1周年を機に、大幅な価格改定と開発環境のアップデートを発表した。新価格は税抜198,000円(税込217,800円)となり、より多くの研究者や開発者が利用しやすくなる。
価格改定で導入のハードルを低減
「CR Hand」は2024年12月の発売以来、国内外の企業や大学、研究機関で導入が進んできた。今回、発売1周年を記念し、より幅広い層に製品を届けることを目的に価格が見直された。
従来の税抜270,000円から約26%引き下げとなる税抜198,000円(税込217,800円)に価格を改定。これは、導入を検討するユーザーから寄せられた「気軽に試したい」という要望に応えるもので、導入のしやすさを最優先に考えた決定だ。この価格改定により、教育機関での利用や、個人の研究開発プロジェクトでの活用が一層期待される。
Python・ROS2対応で開発の幅を拡大
価格改定と同時に、開発環境の整備も行われた。これまでも「シンプルなセットアップ」と「扱いやすさ」を特徴としてきたが、今回のアップデートで研究開発用途で需要の高いPythonとROS2に対応し、サポートする開発スタイルを拡大した。
具体的には、GUIで姿勢操作が可能なPythonサンプルコードを公式サイトで公開。さらに、制御ノードやインターフェースを含むROS2パッケージ一式(β版)をGitHubで公開した。
これにより、既存のロボットアームや研究プラットフォームへの統合が容易になり、特にROS2環境下でのプロトタイピングが大幅に簡素化される。研究開発の現場における柔軟性と効率性の向上が見込まれる。
2025年国際ロボット展で実機を展示
Curious Roboticsは、2025年に開催される国際ロボット展(iREX)にて「CR Hand」の実機を展示することも発表した。
展示はミネベアミツミ株式会社の出展ブース(東京ビッグサイト 東5ホール、小間番号: E5-35)内で行われ、同社の小型6軸力覚センサーとロボットハンドを組み合わせた事例として紹介される予定だ。
「CR Hand」は、人間の手とほぼ同等サイズの筐体に6つのモーターと13の関節を搭載したロボットハンドである。モーターと制御ボックスを一体化したコンパクトな設計が特徴で、USBケーブルと電源を接続するだけで簡単に動作を開始できる。
会場では、そのサイズ感や構造を直接確認できる貴重な機会となる。