韓国を拠点とするPOSCO DXは、米国の産業用ヒューマノイドロボット企業Persona AIに出資した。
POSCO Group全体での投資額は300万ドルで、生産性と安全性の向上を目的に、現場でのフィジカルAIの活用拡大を図るとしている。
出資の内訳と協業計画
POSCO DXは「POSCO DX Corporate Venture Capital (CVC) New Technology Investment Fund」を通じて200万ドルを拠出し、POSCO Capitalが組成する「POSCO CVC Scale-Up Fund No. 1」から追加で100万ドルを投資した。
両社は産業現場での共同開発と適用に積極的に取り組む計画で、グループの高危険・高負荷な手作業工程の代替を目指す。
POSCO DXはこれまでも製鉄所のクレーン、コンベヤ、荷役機など大型設備を人手に依存せず効率制御するフィジカルAIの実装をPOSCOと進めており、今回の協業で普及を加速させる構えだ。
Persona AIの技術的特徴
Persona AIは産業用ヒューマノイドに特化し、NASAのロボットハンド技術に基づく精密制御で微細な部品組立から重量物搬送まで対応する。
多軸触覚センシングとアダプティブ制御を備え、ロボットの多軸触覚センサーで取得したデータをリアルタイム統合し、力と位置を同時制御することで不整地でも安定作業を実現。
さらに、ロボットの脳に相当するAI制御アルゴリズム「Robot Foundation Model (RFM)」を適用し、周辺環境と自律的に相互作用して高度タスクを遂行できる。
創業は2024年で、ニコラウス・ラドフォードCEO(Nicolaus Radford、元NASAロボティクスエンジニア)とジェリー・プラットCTO(Jerry Pratt、Figure AIの元CTO)が共同創業した。
市場見通しとCVC戦略
米投資銀行モルガン・スタンレーは、世界のヒューマノイド市場が2035年まで年平均63%で成長し、約380億ドル(約54兆ウォン)規模に達し、その60%を製造・物流が占めると予測。
POSCO Groupは、革新的技術や将来有望事業の探索に向けたCVCを拡大しており、POSCO Holdings中心だった枠組みを各事業会社に最適化したプラットフォームへと拡張している。
POSCOはCVCの初号ファンドを設立し、POSCO InternationalとPOSCO DXに各500億ウォンを配分した。
ロボスタでは、ヒューマノイドや業務DXロボットの現状と未来を語るセミナー開催
ヒューマノイドの第一人者、大阪大学の石黒教授が登壇
ロボットの知能化が進み、身体性の高いヒューマノイドや四足歩行ロボットが注目されています。そんな今、知能ロボットと知覚情報基盤の研究開発を行い、ヒューマノイドやアンドロイド研究の第一人者として活躍する日本ロボット界の至宝、石黒浩教授はどう考えるのか。
「人間はAIやロボット技術でどのように進化していくのか」
万博でのパビリオン開発の経験を踏まえながら、AIとロボットで進化する人間や人間社会について議論します。

2026年1月19日(月)に「人間の進化と未来社会 石黒浩教授が語る 人とヒューマノイドの未来」を開催します(先着50名無料ご招待は上限に達しました。プレミアム会員の参加枠は残席あります。プレミアム会員はいつでも解約ができます)。
セミナーの詳細とお申し込みはこちら。

