ヒューマノイドの安全規格空白を埋める専門企業「Play Robotics」が設立 安全検証ラボを年内開設へ

ヒューマノイドの安全規格空白を埋める専門企業「Play Robotics」が設立 安全検証ラボを年内開設へ
  • ヒューマノイドの安全規格空白を埋める専門企業「Play Robotics」が設立 安全検証ラボを年内開設へ
  • 代表取締役:佐野貴氏(左) 取締役:横山皓大氏(右)
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株式会社Play Roboticsが2026年4月9日(木)に設立された。
同社は、世界中のヒューマノイドロボットを研究・評価し、産業安全の深い知見に基づく安全設計・導入・運用を一気通貫で支援する専門企業である。

年内にヒューマノイドロボット専門の安全検証ラボを開設し、企業向けの研究レポート提供、安全性・性能の比較評価、導入コンサルティングを開始する予定だ。

労働力不足とロボット市場の急拡大

2030年、日本では644~700万人の労働力が不足すると予測されている(パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」2018年/みずほリサーチ&テクノロジーズ「みずほリポート」2023年)。この課題の解決策として注目されるヒューマノイドロボットは近年急速に実用化が進み、200万~300万円台で購入可能な機体も登場している。Unitree G1は約200万円から、EngineAI T800は約370万円で初出荷を予定するなど、導入のハードルは急速に下がっている。世界市場は2030年に152億ドル超へ成長する見通しだ(MarketsandMarkets, 2025)。

一方、ヒューマノイドロボット専用の安全規格(ISO 25785)は現在策定中であり、ロボット単体の安全要件すら一般公開には時間を要する見通しとされている(IEEE「A Pathway Study for Future Humanoid Standards」2025年9月)。

人とロボットが同じ空間で働く際の安全要件——通路でのすれ違い時の安全担保や想定外の動作時の対処——はいまだ策定にすら着手されていない。安全設計やリスクアセスメントを専門的に担える人材・企業は圧倒的に不足しており、産業用ロボット領域で培われた安全の知見をヒューマノイドに応用できる専門企業が強く求められている。

3つの事業で「安全」と「現場実装」の空白を埋める

Play Roboticsは、この課題に対応するため3つの事業を展開する。

  1. ヒューマノイド安全検証ラボ「Playground」:世界各国の主要なヒューマノイドロボットをメーカーから独立した中立的立場で安全性・性能テスト・比較評価・用途別の適性分析を行い、その成果をスポンサー企業に月次の研究レポートとして提供する。実機デモ・見学、個別コンサルティング、スポンサー企業間の交流機会も設ける。

  2. 導入支援「Plug & Play」:現場ヒアリング・導入企画からリスクアセスメント・安全設計、機体選定、導入実装、運用支援・継続改善まで、エンジニアとコンサルタントがチームで伴走する。対人安全・取扱物の保護・ロボット自身の保護という3領域でリスクを排除し、モーションキャプチャ、強化学習、テレオペレーションなどの技術を組み合わせた安全優先の設計を担う。将来的には保守・アップデート込みの月額制リースも展開する予定だ。

  3. メディア「Playful」:ヒューマノイドロボットの最新動向や活用事例をYouTube・Podcastでわかりやすく発信し、ロボットとの共存に対する不安をワクワクへと変えることを目指す。

CEO・代表取締役の佐野貴氏は上場IT企業での新規事業立ち上げ・売却を経て、2018年に株式会社TALENTを設立。2025年にはForbes NEXT100に選出されている。CTO・取締役の横山皓大氏は横浜国立大学大学院でモーションコントロールを専攻し、オムロンにて約6年間、工場自動化領域でロボットシステムの動作設計や人とロボットの協働空間における安全装置の開発に従事した経歴を持つ。

代表取締役:佐野貴氏(左) 取締役:横山皓大氏(右)

2026年内に安全検証ラボを開設し、世界の主要機体を数十体規模で調達・研究を開始する。すでに製造業の工場へのヒューマノイドロボット導入に向けた協議が開始されており、安全設計を起点とした実証実験を推進していく。2027年以降は研究知見を基盤としたロボットの導入支援・リース事業へ段階的に展開していく計画だ。


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