株式会社New Innovationsは2026年10月2日、自社のものづくり現場でAX(AIによる業務変革)を実践してきた知見をもとに、製造業各社の変革を支援する「製造業向けAXソリューション」を発表した。
人手や経験に頼らず、より多くの案件をより速く製品化できる事業構造への転換を後押しする取り組みだ。
あわせて、同社の「図面バンク」を、AIが設計や調達の下書きを起案する「製品化AI」プラットフォームへ刷新した。
ロボットメーカーとして向き合ってきた製品化の課題
完成品メーカーでは、生成AIの普及とともに、品質の担保の仕方や組織のあり方、現場に求められるスキルが問い直されている。一方で、設計、設計審査、見積・発注判断といった「製品化バリューチェーン」には、長い待ち時間や手戻り、業務の属人化が残る。従来のITツールによる検索の高速化だけでは、こうした構造的な課題は解消しきれなかったという。
New Innovationsは、スマートコーヒースタンド「root C」や全自動調理ロボット「Kakigori Maker」などの自社プロダクトを開発・提供するなかで、この課題に向き合ってきた。過去の設計・仕様データや不具合記録をAIに参照させ、仕様策定、設計レビュー、部品調達の判断を素早く進めることで、製品化に要する期間を年単位から月単位へ短縮した実績があるとしている。
同社は、生成AIの本質的な価値を、AIが過去の知見に基づく質の高い業務を仕組みとして再現し、自らたたき台を起案する点にあると捉える。その判断は人が担い続ける。この考え方をもとに、同じ課題を抱える製造業各社が「AI時代のメーカー」へ進化することを支援する。
「製造業向けAXソリューション」の特徴
ソリューションは、同社がハードウェアメーカーとして現場で実践し、現在も製品開発に使っているAXのノウハウが基盤となる。要件定義から製造・保守までの工程を同社内で完結できる体制を強みに、既存のシステムを当てはめるのではなく、製造現場ごとの業務フローや課題を起点に仕組みを組み立てる。設計・調達から品質管理、人材育成まで、経験や手作業への依存が残る領域の改善を支援する。
図面バンクのほかに、次のサービスも展開している。今後も機能とラインナップを拡充する予定だ。
図面バンク for 設備図面:設備図面の管理ツール
SPESILL:ExcelでのFMEAやDRBFMなどの作成をAIで支援
ROGEAR:ロボット・生産設備の導入構想や現場改善を支援
AI研修:組織への定着を促す研修
「図面バンク」は4つのAIエージェント機能を追加
刷新した図面バンクは、図面・仕様書・不具合記録といった企業固有の技術資産をAIが読み込み、仕様書、設計審査、見積・発注判断のたたき台を起案する。担当者は下書きを確認・承認することで実務を進められ、より上流の業務に集中できる。承認や修正の履歴は「判断履歴」として蓄積され、組織の知見継承につながる。最終的な意思決定は常に人が行う「Human in the Loop」の設計だ。
今回追加した主なAIエージェント機能は次の4つである。
仕様書作成AI:過去の類似図面や技術仕様書、不具合記録を参照し、抜け漏れのない仕様書のたたき台を起案。
設計レビューAI:過去の設計変更履歴や加工トラブル事例をもとに、設計上の懸念点やミスを事前に指摘・提案する。
購買・調達AI:過去の発注実績や価格トレンドを統合的に分析し、発注先候補や見積もりの目安となる判断材料を示す。
AIチャット:文字・形状・意味情報・仕様などを含む技術資産を横断検索し、根拠付きの回答を引き出す。

クラウドで利用でき、月額4.8万円から
図面バンクは、図面や仕様書、見積書、CAD・CAMファイルなどをクラウド上で一元管理するプラットフォームだ。AIが過去の膨大な図面や技術情報をあらかじめ読み込むため、担当者が自分で検索する必要はない。仕様書の下書きや設計上の指摘事項、発注候補といった具体的なアウトプットをAIが作成する。
ソフトウェアのインストールは不要で、パソコンやタブレットのブラウザから使える。料金は月額4.8万円(税別)からとなっている。

今後の展望
New Innovationsは今後も、自社のものづくり現場でAXの実践を重ね、得られた知見をソリューションに還元していく。第一弾となる図面バンクも、企画・品質管理・保守といった領域へ対応範囲を広げる方針だ。
ロボスタオンラインセミナー情報
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また、ロボットを製造、物流、インフラなどの現場で稼働させ、視覚、力覚、触覚、遠隔操作などの実世界データを蓄積。そのデータを独自のフィジカルAI基盤モデルの学習に活用し、進化したAIを再びロボットへ展開する「データフライホイール」の構築を掲げています。
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