ロボット兵器に殺人の決定をさせるべきではない。

今回は、SFスリラー小説家のダニエル・スアレスがTEDで講演した「死の決定はロボットに属するべきではない」を紹介したい。


(軍用ロボット全般についての議論は、 軍用ロボットが使われる戦争の未来も併せてご覧ください。)




この講演で語られた軍用ロボットは、標的の決定を人間が行う遠隔操縦のものではなく、人間の殺害の決定をロボット自体が行うタイプの「完全自律型のロボット兵器」。いま、そんな自立型のロボット兵器が恐ろしいことに急増中だという。その増加の背景は、「無人機の撮影する動画が膨大ですぎて人間では確認できない量になっていること」、「遠隔操縦を妨害されても大丈夫なように、自立行動が必要になること」、「殺人への意思決定から逃れたい人間の心理があること」の3点あるという。確かにロボット兵器が自立型に進化していく理由として納得がいくものだ。


実際に、自立型のロボット兵器が広がっていくことで、様々な問題が置きかねないという主張も全く同感だ。誰もが自由に匿名性のある自立型ロボット兵器で他人を攻撃することができるようになれば、世の中の治安悪化は深刻なものになることは間違いないだろう。


ダニエル・スアレスは「世界全体で殺人ロボットの開発と配備を禁止することが必要。」とこの講演を通じて主張した。そのための手法、具体的なアイディアも講演で語られている。是非実際にTED動画をご覧いただければと思う。まさに広めるべきアイディアだ。


僕はこう思った:
ロボットの語源や歴史を考えると人間が大変な作業を置き換えるものというものですから、軍事利用という発想も全く不思議ではなく当然という気もします。しかし今まで見てきたとおり、自律的に動くロボットには世の中に与える影響が大きすぎるため、「世界全体で自律型ロボット兵器の開発・配備をなくすべき」という主張はまったく正論で、是非そうなって欲しいと思います。僕らが大好きなロボットと未来は楽しいものであってほしいですから。



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中橋 義博
中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。